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2018年03月18日22:13

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ドゥーチュィムニー「名護市長選では、実は「基地容認」ではなく「基地不要」の民意が支持されていた?」

 2月4日、当選が決まり喜ぶ渡具知武豊氏


 自公推薦の新人・渡具知武豊氏(市長)が現職の稲嶺進氏を破った「名護市長選(2月4日投開票)」。この結果を受けて多くのメディアが、「辺野古への新基地建設“容認”派が勝利、“反対”派が敗れた」といった形で報道した。しかし実は、今回の選挙で渡具知氏は基地容認(推進)の考えを訴えて当選したわけではなかったのだ。

◆「海兵隊の県外・国外移設」という公明党の政策を丸呑み

 市議時代には基地容認発言をしていた渡具知氏は、昨年12月に基地反対の公明党沖縄県本部と「海兵隊の県外・国外移設」を盛り込んだ政策協定を結んで推薦を勝ち取り、2000票とされる公明党支持者の後押しを受けて当選した。

 渡具知氏は今回、4年前の市長選で基地容認を掲げた自民系候補が公明党の推薦を得られず落選した教訓を活かすべく、公明党の政策を丸呑みして“転向”したのだった。選挙戦では、「辺野古が唯一の解決策」として新基地建設に邁進する、安倍政権の主張を一切代弁しなかった。

 地元記者はこう話す。

「渡具知氏は『基地容認では公明党の推薦が得られず、選挙に勝てない』と判断しました。そこで『海兵隊の県外・国外移転』という、稲嶺氏と同じ主張を受け入れた。基地問題を争点から外したうえで、市民生活や地域振興に関する別の“リング”で政策論争を挑み勝利したのです。

『パンダ誘致(稲嶺氏の目玉政策)よりも国際リゾート産業構想』や『16種類のゴミ分別の低減』に賛同する民意は示されましたが、基地問題については稲嶺氏も渡具知氏も一緒。つまり、『容認』どころか『海兵隊の県外・国外移転(=辺野古新基地不要)』の民意が支持されたということになります」

◆「国とは一定の距離を取っていかないといけない」

 水面下での密約や本音ベースの話はさておき、表向きの政策論争上は、渡久地氏当選で示された民意は基地反対66%の世論調査結果と一致したのだ。何よりもまず、渡具知氏本人が基地容認の民意を否定している。当選翌日(2月5日)に渡具知氏は自宅で記者会見を行い、「今回の選挙結果は、辺野古容認の民意であると考えているのか」との問いにこう答えた。

「そうは思っていない。私は今回、『容認』ということで臨んだわけではない」

「複雑な民意だと思います。私を支持した人には辺野古移設に反対の人もいる」

 また小泉進次郎氏(自民党筆頭副幹事長)が2回も入るなど国会議員が続々と応援で現地入りしたことから「自民党から支援を受けて『どこまで辺野古移設問題について言えるのか』という不安もあると思うが」との質問も出たが、それでも渡具知氏は「国とは一定の距離を取っていかないといけないと思います」と答えた。「新基地推進の安倍自民党の支援=基地政策での迎合」という見方をこの時点では否定したのだ。

 推薦した公明党の立場にも変わりはなかった。2月4日22時過ぎに当確が出た後、渡具知氏と抱き合った金城勉・公明党沖縄県本部代表は、報道関係者で溢れ返る選挙事務所でこう述べた。

「(政策協定に盛込んだ)海兵隊の県外国外移転と日米地位協定改定を求める立場は維持する」

◆渡具知氏は「稲嶺市長時代と(基地政策は)変わらない」と言うが……

 市長選の告示日(1月28日)、渡具知氏の出陣式での挨拶を終えた金城氏を記者が直撃した時も、「渡具知さんが当選した場合は稲嶺市長時代の基地政策が変わるのか」と質問に対して、「変わりません」と断言したのだ。

 もちろん、もともとは基地容認派の渡具知・新市長が市議時代の主張に戻って、公明党との政策協定を破棄して自民党に迎合する可能性はある。かつて仲井真弘多・知事(当時)が公約を翻して辺野古の埋め立て承認を行い、沖縄県民の支持を一気に失ったのと同じ道を辿るというわけだ(その結果、仲井真氏は2014年の県知事選で惨敗)。

「もし渡具知市長が基地容認の態度を見せれば、裏切られた公明党支持者(創価学会員ら)が激怒してリコール運動に発展することも考えられるでしょう。稲嶺派が過半数を占める市議会での追及も確実。基地政策で正反対の立場の自公両党の推薦を受けて当選した渡具知市長にとって、これからが試練なのです」(地元記者)。

 今後も、辺野古新基地建設を左右する名護市・渡具知市政から目が離せない。

<取材・文・撮影/横田 一>
よこたはじめ●ジャーナリスト。著書に『新潟県知事選では、どうして大逆転がおこったのか』(七つ森書館)『検証・小池都政』(緑風出版)など
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