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2017年11月21日23:53

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【日常】ロストテクノロジー

★今日観た「ブレードランナー2049」は、ある意味ロストテクノロジーの話でもあった。

★天体写真の世界にもこういうロストテクノロジーがいっぱいある。例えば、フィルム時代には「水素増感TP2415」という技があった。

★今のデジカメは5分露出すれば5分ぶん、10分露出すれば10分ぶん、暗いものが写るが、フィルム時代はそうではなかった。フィルムには光を当てれば当てるほど感度が下がる、という性質があり、これを「相反則不規」という。ごく大雑把に言うと、例えば5分露出しても3分ぶん、10分露出しても4分ぶんしか写ってくれないのだ。

★この相反則不規を回避するために天文マニアが開発した技が「水素増感」。コダックの天文用微粒子フィルム「TP2415」を水素を詰めたケースの中に一晩入れておくと、この相反則不規が大幅に伸びるのだ。これで実質感度が上がることになるので「水素増感」というわけだ。

★もっとも、もうすっかり高性能・高感度のデジカメが普及した今では、こんな技何の役にも立たない。そもそもTP2415や相反則不規という名前や概念も、今では知る必要もない。典型的なロストテクノロジーだ。

★そして今、デジカメの高感度化はどんどん進んでいる。そのうち星や天体も、手持ちや三脚据えで「カシャッ」と撮れる時代がくるだろう。そうなったら今天体写真家が使っているオートガイダーや赤道儀も不要になり、そういう機材名や使用法も死語となっていくのだろう。

★俺たちが今まで頑張って習熟してきたあの苦労は何だったんだよ、と苦笑いの一つもしたくなるが、これが技術というものだ。どの世代もこういう思いをしながら、歴史は進んでいくんだよなあ。

★なんでこんなことを考えたのかというと、最近牛乳パックの構造が順次変ってきているから。私がいつも飲んでいる明治の「おいしい牛乳」も丸い蓋つきのものになった。

★これにより、私が得意としていた「資源ゴミに出すために牛乳パックをきれいに一枚に開く」技術も、開き方がすごく簡単になったために無意味となり、ロストテクノロジーになることがほぼ確実だ。
うーん、惜しい。実に惜しい(笑)。
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