11月7日、火曜日。
このところ眠っても2〜3時間で目が覚めることが多い。となれば、もう若いわけではない僕である。疲れが取れるはずがない。溜まっていく。
この日もそうだった。4時に眠って6時に目が覚めた。
予定だと、朝から9本（長編8本＋中編1本）を鑑賞しつつ、合間に映画宣伝に回る予定であったが、起きた時に「はー、しんど。午前中は動けない……」と思い、予定を変更。とはいえ眠れないのでネットしながらボケーッと。
夕刻から動いた。宣伝に回った後、予定をガラリと変更してシアターセブンにて『海辺の生と死』を鑑賞することに。ポイントチャージによる無料チケット発動。なかなかの秀作。
その後、新作映画チラシの収集。『ダークタワー』ティーザー、ゲット。大阪だと、なんばパークスシネマで展開中。他の劇場はブッキングが確定していないとのことで、まだ展開されていない。昼間にソニー・ピクチャーズさんに電話をかけた。いや、マイミクさんの御友人（米国人）が世界中のスティーヴン・キング・グッズのコレクターということで、出来ることなら協力しようと。『ライディング・ザ・ブレット』を天六ユウラク座で初日鑑賞した時も、入場特典のピンバッヂを寄贈したものである。というか、「好きなだけやる。配るのめんどい。なんなら全部持って行って」というモギリのおばちゃんに、「そんなんアカンよ。じゃあ、2個、いただきます。ありがとー♪」として貰ってきたものを1つ差し上げたのである。それにしても筋金入りのファンというのは凄まじいもので、日本版文庫の帯まで全てコンプリートしているというのだから凄い。かくいう僕も、筋金入りというわけではないけれど『南瓜とマヨネーズ』のチラシ全7種をコンプリート。
その後、シネ・ヌーヴォに移動し【EXP2017】という特集上映枠にで『BLUE』（デレク・ジャーマン監督、35�丱廛螢鵐半絮如砲函�The Picture From Darkness』（牧野貴監督、デジタル上映、中編）を鑑賞。
ここで眼鏡ケースが無いことに気付いた。どこだ？ シアターセブンか、ドンキか、はたまた大阪ステーションシティシネマか、なんばパークスか。映画を観る時以外はバッグにしまってあるのだが。どこかに置き忘れたのであれば、1日我慢すれば良いのだけれど、道端等で落としたのであれば悲惨である。嗚呼……
といった状態で『BLUE』を鑑賞。2度目。全編、青い画面。BLUE。これにデレク・ジャーマンのモノローグ（独白）とティルダ・スウィントンらによるナレーションが入る。全編がBLUE画面であるのは、HIVウィルス感染からエイズを発症したデレク・ジャーマンの、視力を失いつつある、その視界の再現であるらしい。とは、もう随分と前に知った話。改めて傑作だと思う。いや、傑作という表現が正しいのかどうか。デレク・ジャーマンは最後の最後までアーティストであった。その事実に敬意を表する。ただ、どうしても白文字で日本語字幕が入るので＜完全なる青＞とはならない。言葉の壁。字幕を排した日本語吹替版を作成してはどうか、とも思うが、それも違うかなとも思う。難しいところだ。尚、デレク・ジャーマンの創作を資金面でも精神面でも支え続けたのは、アップリンクの浅井隆である。
余談だが、『BLUE』は1993年製作で日本公開は1994年。その頃は世界的エイズ禍の只中という時代であった。現在とは比べ物にならない程に偏見・差別も根強かった（現在、偏見等が払拭されたわけではないし、新型＆激症型のエイズといったものも現れている） それでも、当時、10代後半だった僕は、どこかで「他人事や」と思っていた。毎年、「念の為」として検査をしてもらうようになったのは20歳の時。その時は、怖かったので友人らに声を掛けて回って、連れ立って保健所に行ったものだ。その前後、幾人かの友人・知人が逝った。最も痛々しかったのは、初体験の相手に伝染された年下の女友達で、相手は自身がHIVのキャリアだと＜知っていた＞というケースである。多いんだわ。「感染した。こうなったらバラまいてやる！！」という腐れバカが。男女問わず。その娘は感染が発覚してほどなく自死した。アレは辛かった。いや、今でも辛い。だって、初めてだったんだよ。遊び倒していたわけじゃあない。様子がおかしいと思い、「まさか！？」と思って止めに走ったのだけれど、間に合わなかった。それが契機となって、僕は検査を受けるようになったのだ。「にいちゃん、にいちゃん♪」と慕ってくれた妹分だっただけに、なあ。未だに悔しい。
と、中には＜クラミジア→肝炎→梅毒＞ときて、「次、お前、遊び倒したら終わりやで」という忠告を聞かずに遊び倒してHIVキャリアとなり、自暴自棄になった友人も居たが、僕は見舞いにいった病室内で泣きじゃくる相手に「自業自得や。泣くな。アホか！！ 男女だと感染率は圧倒的に女の子の方が高いんやぞ。まずは相手に報せろや、ボケー！！」と言い放ったこともある。返ってきた言葉は「悪者になりたくない。これ以上、傷付きたくもない」というもので、その言葉を受け激昂した上で、諸々動いたが、以後はソイツに関しては亡くなるまで突っぱね続けた。無視を決め込み、見舞いにも二度と行かなかった。相手の事を考えず、腹も括らずに遊び倒す輩は男女問わず大嫌いだ。せめて腹は括れよ、と思う。いざ感染した場合にどうするかぐらい、その前にきちんと考えておけと思う。誰にだって可能性はあるわけだから。僕、これまでに何人か＜撒き散らしさん＞をぶん殴ったこともあるし。この10年ほどはトンと手は出さなくなったけれど、説教しまくるんで。「自分のしてることが犯罪て、わかってるか？」、「お前が病原菌じゃ、ボケナスっ！！」等として。
そんな僕だから、『BLUE』初鑑賞時は、自身が初検査を受ける前だったし、周囲に感染者も居なかったので「ふーん」と思う程度だったが、今回の鑑賞では、全く異なる感慨を覚えた。今回、デレク・ジャーマンが遺した『BLUE』は、僕の心中で、その傑作としての強度を更に増した。
『The Picture From Darkness』は実験アート映像作品である。ナレーション、無し。スクリーンに色や模様（？）の変化があり、音が入る。が、頭悪いからなあ、僕。よくわからない……（汗） ただ、＜考えるな。感じろ＞ってな作品であると解釈した。ただただ見入った。
その後、数か所を回り、新世界国際劇場のオールナイトへ。
劇場到着時点で『LUCK-KEY／ラッキー』の上映が2分ほど始まってしまっていた。そんな状態から不完全に映画を観たくない。なのでスルー。一旦、外出をして、新世界東映に行った。チラシを置いていただいた。新世界国際劇場は「もうチラシが無くなったぞー！」とのことで、急遽、追加させてもらった。見れば、これまでに無かった＜他館上映作品＞と記されたラックを作って下さっていた。感動。おおきに！！
で、ですね……
次の『海底47m』の上映が開始。冒頭から意識が朦朧としてきた。
「アカン…… 電池切れや…… もう寝る！！」
として、3シートを占領した態勢で、スクリーンに背を向けて爆睡。
おっちゃん従業員さんが「どないしたんや？ 起きろよー。終わったでー」という声で目が覚めた。
その時、スクリーンには、最後の『ザ・マミー／呪われた砂漠の王女』のエンドロールが流れていた……（TT）
「珍しいなあ？ 初めてちゃうか？」とおっちゃん従業員さん。「うん。ここでは初めて。アカンわ、もう歳やわ……」と僕。
そして帰宅。
以上である。
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