mixiユーザー(id:1742700)
2017年10月25日23:06
239 view
燕岳 登山記��
山小屋の玄関を出たところから見る、玄関前の広場と、その奥の燕岳山頂。玄関前広場には、結構有名というか、燕山荘に泊まったことのある人の登山記ブログを見ると必ず載っている「人面彫刻石」がある。
先を行くA氏とY氏の要望で、後方の燕岳を入れて撮影。
山頂への道を歩きながら右方を見ると、真っ白な砂浜になっており、日向山を思わせる。
なお、この白砂地帯は道として区切られている箇所以外は立入禁止である。この白砂地帯には夏にコマクサが咲き、その保護のためである。コマクサは１度踏んづけてしまうと、その場所には20年程、育つことがないらしい。
前方に、ニョキニョキとそそり立つ花崗岩の奇岩群が見えて来た。
ハイマツの中の１本道を進む。この辺りで俺は、ホシガラスの姿を見かけた。後でそのことを２人に言ったら、「ギャーギャーという鳴き声を聞いた」とのこと。それもホシガラスだ。ライチョウではない。ホシガラスは、ハイマツの実を食べて、糞の中の未消化の種子を撒き散らすことで、ハイマツの生息域を広げる役割をする鳥である。
コマクサとは、ピンク色の花を咲かせる高山植物なのだが、秋はシーズンではない。代わりに（？）一面に成っているのが見られたのが、このナナカマドの赤い実である。夏に白い花が咲くらしく、続いて秋に赤い実がつく。この赤い実は、鳥類の食用果実になり、人類的にも果実酒やジャムが作れるらしい。
小屋から頂上までは登りで30分。まだ山頂の手前だが、すでに素晴らしい山景色が見える。
いよいよ山頂への登りである。白砂の道を先に歩くA氏とY氏を撮影。
A氏とY氏の２人が一緒に歩き、俺が一人遅れて歩くのは、体力的なこともあるが、同時に、この２人は「話が合う」からである。元々、間に入る共通の知人は俺だけだったので、山でしか会わないが、山ではウマが合うのだ。それは、俺がそのことを、２人を谷川岳に誘う前から予見できたので、マッチングしたわけだが。
そして、実はそれは、俺にとっても好都合なのである。他２人に比べて登下山速度の遅い今の俺では、A氏にとっても、Y氏にとっても、「登山中、喋りながら気を紛らわす相手」にはなり得ない。それが、A氏とY氏の互いが「喋る相手」になるならば、俺は一人気楽に、かつ、気がねなく自分のペースで、後方を離れて歩くことができるからだ。
振り返ると、燕山荘の建物が見える。
特徴的な奇岩には、名称がつけられている。これは「眼鏡岩」（標高2719m）。なお、崩壊を防ぐため、岩に登ることは禁止されている。
他にも「イルカ岩」があると聞いていたが、登りの際は気付かず。この岩なんて、水族館のショーでイルカの群れが水面から顔を出している様子にも見えるが。
先に登頂し、山頂で「A氏を撮影しているY氏」の画を撮影。
遅れて俺も、燕岳登頂！ 標高2763m。山頂碑がなく、小さな低い（というか岩に彫られた）石碑があるだけ。日光が強いため、記念撮影では石碑の文字が写らず、石碑だけの画像も撮影。これで、日本二百名山のうち６ヶ所めの登頂達成である。
山頂には三角点があった。これも低くて、燕岳との文字も刻まれていないが、登頂の証として記念撮影。
山頂に立つ俺とY氏を、下からA氏が撮ってくれた。
山頂からの西方向の景色。山頂も、山小屋も、大天井岳や餓鬼岳などの他の山頂も、１本の稜線で繋がっている。晴天時の高山の山頂からの景色には、敵うものなし、である。
そして、東方向の景色。こんなにコンディションの良い山景色には滅多にお目にかかれない、という程の、思わず「登山をやってて良かった！」「地球に生まれて良かった！」と声が出てしまうくらいの超絶景に恵まれた。
なお、織田裕二のモノマネから拝借した「地球に生まれて〜」なるフレーズは、俺にとっての山への最大級の賛辞であり、俺の口から数年ぶりに出た言葉である。他２人も口々に、「こういう山景色が見たかった」「高山に来たら、やっぱこうでなくちゃ」「８月の（悪天候の）谷川岳は、何だったんだ…」と言っていた。
山頂で、俺のスマホ（＝au）で撮影した際、電波が繋がっていた。山に来て、山頂で電波が繋がるとは、auでは珍しいことなので、美しい山景色の画像を、職場の同僚（山仲間や後輩＝Y氏の同期）にラインで送ったりした。
あまりに気持ちが良く、天気が良いので、「しばらくここでのんびりしよう」ということになり、結局、山頂には１時間ほど滞在した。実は、残念ながら、槍ヶ岳の方面には靄がかかり、槍は見えなかったのだが、３人とも「槍は登山中に見えたしね」と。
ただA氏は、「槍は登山中に見えたから良いとして、穂高の方を見てみたい」と。確かに、常念岳あたりを歩いたなら、槍と穂高の両方を見れるのだが…。16:30を過ぎ、雲が出て来たのと日が落ちて来たのとで、若干、空が暗くなってきたので、山小屋に戻ることにする。
改めて見ると、白い砂と緑のハイマツ、そして、青い空の対比が美しい。これぞ「高山」である。
そして、帰路では「イルカ岩」（標高2683m）に気付くことができた。
山小屋到着。山小屋前の広場にある「稜線上に連なる山頂を示す大きな道標」と記念撮影。これを見ると思い出すのが、やはり、数年前に常念岳から蝶ヶ岳に縦走した時のこと。大暴風雨で、穂高も槍もほとんど見えなかった（でもライチョウは見れたけど）っていう苦い思い出があり、いつか身体の動くうちにリベンジしたいなあ、と。ちなみに穂高は我々レベルでは登頂困難の山。槍も登頂するのはなかなか手強いと聞くが。
燕山荘には展望台があるというので、行ってみた。展望台から振り返ると、燕山荘の建物の奥に燕岳山頂が入るという、画像に撮るとなかなかの画になる構図の景色が見えた。ちなみに、展望台の周囲には、ナナカマドの赤い実の群生も見られた。
時刻的に、屋外はだいぶ寒くなり、薄暗くもなってきた。夕食までの間、小屋の中で一息つき、同時に翌日の下山コースについての具体的な検討をすることにする。
続く。
1
0
ログインしてコメントを確認・投稿する