2017.5.20 於:みなとみらいホール
(前半)
リスト
交響詩<レ・プレリュード> S.97
リスト
ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124
(ソリストアンコール)
ショパン
華麗なる大円舞曲
(後半)
ブラームス
交響曲第1番ニ長調 op.68
(アンコール)
ブラームス
ハンガリー舞曲第5番
指揮:ピエタリ・インキネン
ピアノ:田村 響
コンマス :扇谷 泰朋
インキネン氏が挑戦したツィクルスの最終プログラムは超有名曲ブラ1。
今回はこれにピアニスト田村氏を迎えたリストのコンチェルトが加わり、
華やかで(名曲で)充実したプログラムとなりました。
通常の横浜定期は、目視で8〜9割の入りといった感じですが、今回は
ツィクルス効果もあってか、ほぼ満席。(満席だと喫茶とトイレが混むの
で着席前からも何となく分かります)
1曲目 レ・プレリュード 華やかで壮麗な曲 演奏会の冒頭にふさわしい
ですね。チューバの響き方がワーグナーを想起させます。インキネンは
こういうのを壮大に観客の期待通りにやるのが上手いです。
2曲目は田村さんのピアノでリストのコンチェルト。抑え気味のオケの前
面で1音1音丁寧な演奏で上品な音作り。
各所にあるソロを含め、 満員の聴衆が衣擦れ音1つ起きない集中の世
界に引き込まれます。ブラボー。
後半はブラームス連続演奏会を締めくくる交響曲1番。前回のような音
(小節)を細かく切りながら確認するような演奏ではなく、自分が期待し
ていた壮大なブラームスらしい演奏です。弦も綺麗に揃っていて、これ
まで聴かなかったような豊かで艶のある弦の音が見事な統一感の中で
響きます。
オーボエとクラリネットも上手かったですね。
ただ何もかもが順調で期待通り (もちろん演奏精度は間違いなく向上)
であるがためか、楽章が進むにつれ覚醒して行く筈の頭は中ほどから
ぼんやりしてしまい、なんと第3楽章の記憶がありません!
かろうじて終楽章の「開放」のメロディーの直前で覚醒し、ラストへの疾
走には追いつく事ができました。(あ〜勿体無い)
名演であったとは思いますが、指揮者もオケも若いのだから、もっとハ
メを外すか、深い音の演奏であっても良かったと思います。まあ、それ
がインキネン氏のスタイルだったりするのですが、そこは首席を期間い
っぱい努めた後にどう変化するか期待したいと思います。
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