今日は、暖かい
春の日差しが心地よい四月。
上野の山は花見
の客で、大にぎわいです。そこへ、大旦那の
娘さんが女中を連れて、お花見
に出かけました。
この
娘さん、なかなかのきりょうよし(美人の事)なのですが、何かにつけてケチをつけるクセがあります。
「ああ、たいしたのはいないわね」
満開の桜
よりも道行く娘たちの顔が気になる様で、出会う娘の一人一人にケチをつけて歩きました。
「あれは、背が低いね」
「あっちは、背が高すぎる」
「あの娘は口は小さいが、目が大きすぎる」
「あれはだめ、色が黒い」
「あっちは、色白だけど、ひたいが広すぎる」
こんな調子で、出会う娘を何のかんのと、けなし続けて、娘は不忍池(しのばずのいけ→上野にあるハスの名所)までやって来ました。
そして池の水にうつった、自分の顔を見ると、
「ああ、これもあんまり、感心した顔じゃないね」と、言いました。
ちゃんちゃん
(15.2.28)
:そりゃあ、こんだけ文句言ったら自分に反ってクルリンパ
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