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2017年03月24日22:09

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寄席芸人伝〜お笑い芸人を描いた漫画〜2丁目劇場

〜コミックヨシモト、NSC、「芸人生活」〜

さて、お笑い芸人をテーマにする日記だが、今回は趣向を変えて
半分、漫画の話になるが、お笑い芸人を描いた漫画について。

まず、古いところから「おやじバンザイ」、山根青鬼作。
1968年前後「週刊少年キング」掲載
(途中から読み始めたので、連載開始時期不明)

売れない落語家ガミガミ亭ケチ楽とその息子を描いたギャグ漫画。
この父親は、とにかくケチ(左画像参照)。
舞台となったのは‘60年代後半、テレビ演芸ブームの時だ。
漫画に実在の人気落語家、月の家円鏡が出てきたのを覚えている。
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作者の山根青鬼は双子の弟、赤鬼と共に、1950年代後半
〜60年代半ばまでギャグ漫画の第一人者だった。
赤塚不二夫や藤子不二雄らよりいち世代古い漫画家
というイメージがあったが、年齢的には同世代。
デビュー、ブレイクが早かったのだ。
私は弟の赤鬼の「よたろうくん」(月刊ぼくら連載)が好きだった。
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藤子 不二雄Ⓐの「まんが道」には、
上京したばかりの満賀道雄(不二雄Ⓐ自身がモデル)が
出版社に挨拶に行って、そこで満賀より若い山根兄弟が、
もう売れっ子と聞いて劣等感を抱くシーンがある。
1954年、藤子21歳、山根兄弟19歳の時だろう。

しかし、その後、60年代後半から、山根の古いほのぼのとした漫画は、
赤塚、さらにジョージ秋山、永井豪の過激な漫画に駆逐される。
69年頃、その時のブームに合わせ、ちょっとエッチな方向に走ったが、
これは哀しいものがあった。
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手(パー)ちなみに『おやじバンザイ』というタイトルは、
1965年〜1973年まで大阪の朝日放送で制作されていた視聴者参加番組。
一般の父親とその子供たちが出演し、父を語るモノ。
(「夫婦善哉」←これが分からなければ「新婚さんいらっしゃい」の父子版。
しかし関西人はこういう番組が好きだよな)
最初の司会者は、西条 凡児。この頃を時々見ていた。
70年以降は前田武彦だが、これは記憶にない。

ペン古谷 三敏の「寄席芸人伝」(中央画像)1980年代ビッグコミック掲載。
若手、あるいは酒や博打で一時、身を持ち崩した落語家が
なにかに切っ掛けに、心を入れ替え、立派な落語家になる、
という一話完結の人情話。
時代設定は昭和30年代のモノ思われるが、それ以前のモノもあった。

古谷三敏は、1970年代前半、少年サンデーの「ダメおやじ」でブレイクして、
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後に「うんちく漫画」に転向した。
69年頃から、赤塚のシュールなギャグ(手抜きだと思う)、
そのアシスタント上がりの古谷の残酷、とりいかずよしの
スカトロ漫画「トイレット博士」、永井豪のハレンチ漫画が台頭し、
山根兄弟の健全な漫画が時代遅れになった。
残酷な初期「ダメおやじ」もどうかと思うが、こういう路線もどうかな?
どっちも笑えない(^^:。

掲載誌のビックコミックは、「ゴルゴ13」、
この頃は石森章太郎の「ホテル」、林律雄の原作、高井研一郎作画の
「総務課山口六平太」とプロフェッショナルの仕事ぶりを描いた作品が多いが、
時として、そのあまりにも生真面目さに息苦しさを感じる。
その中で、山科けいすけの「C級サラリーマン」を読むとホッとする。

ペン「2丁目のドン・キホーテ」八潮路つとむ、
「週刊ヤングジャンプ」1989年〜91年頃(右画像)
先日、前もって「八潮路つとむという漫画家を知っていますか?」
って呟いたけれど反応は薄かった。あせあせ
私は80年代中期に、「キャンパス・クロッキー」の途中から読み始めた。
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最初は絵も荒く、内容も大阪の3流大学を舞台にしたギャグ漫画だったが、
スケベでいい加減だった主人公が就職、彼女との結婚を考え始め、
だんだんシリアスな展開になった。「翔んだカップル)や「めぞん一刻」のように。

手(パー)で、それが終了しての継続作が、「2丁目のドン・キホーテ」だが、
この「2丁目」とは、大阪心斎橋筋2丁目に吉本興業が1986年5月に
オープンした劇場。ダウンタウン、千原兄弟、ナインティナインなどの
若手芸人を輩出したが、1999年3月に閉館とWIKIにある。
私もそこに観劇したことはない。

ストーリーはうろ覚えだが、主人公(のひとり)の高校3年生が
模試の帰りに、気晴らしでその劇場でお笑いを見たら、
たちまちその魅力に取りつかれ、芸人になる。
その後、相方が出来、漫才コンビを組む。ライバルコンビとの凌ぎ合い
とか描きつつ、東京に進出。大手芸能プロと軋轢を起こし、
ストーリーのクライマックスは、彼等と無名芸人、5,6組対大手の有名芸人が
武道館で対決する。たしか無名集団が負けたら、即引退とかだったと思う。
その勝敗を決めるのは、武道館に集まった観客だが、
それは大手プロのファン、圧倒的に不利である。
という感じだった。
武道館で5対5の対抗戦というのは、全くプロレスの世界だな。

この対決は注目したが、あとで冷静になると、普通の高校生が、
どんなに素質があっても、修練したとしても、数年で武道館に
初めて立って、一万人を超す観客を沸かせるって現実離れしているね。
まぁ漫画だから、と言えばそれまでだが、
その意味なら等身大の「キャンパス・クロッキー」の方が親近感は持てた。

この作品、残念ながら行きつけの国会図書館に蔵書になっていない。
(先の「「おやじバンザイ」も」以前、早稲田鶴巻町の「現代漫画図書館(有料)」
にはあったように、(読んだような)気がする。

目「お笑い芸人を題材としたマンガ」で検索したが
http://music-book.jp/comic/news/news/111883
「べしゃり暮らし」が有名らしいが、逆に私は知らない(^^:

ペン以前、吉本興業が「コミックヨシモト」という漫画雑誌を発行した。
月2回刊で2007年6月19日に創刊、同年9月18日発売の7号で
休刊という情けない結果になった。

私も立ち読みしていたが、島田紳助や千原ジュニア原作の漫画とか、
やはり面白くなかったよあせあせ
その中で唯一「んなアホな!!」という作品は興味を覚えた。
これは、NSC(吉本総合芸能学院=吉本が創設したタレント養成所)を舞台に
そこの大阪校に集まった青年たちを描いたモノ。

原作は倉科遼って、昔、司敬(つかさ けい)のペンネームで
劇画を執筆していた人ですよ!と言っても知らない人は
知らないでしょうね(苦笑)。
作画は、ナカタニD.、ということは、このコンビで2006年まで
ビックコミックスピリッツで「 DAWN -陽はまた昇る」-を掲載していた。
だから、
NSC内の授業風景も描写されていた。
特別講師として吉本の山崎邦正が招かれたが、登場人物(生徒)の一人は、
「なんだ?邦正か?」と小馬鹿にしていた。
その後、生徒がコントを見せる授業があり、その生意気な生徒が披露した後、
山崎に「きみ、お笑いを舐めていないか?」と厳しく指摘されるシーンもあった。
でも、これ吉本が発行している雑誌となれば、自画自賛だよな。
まぁ、これはこの後の展開を読んでみたいと思った。
掲載誌休刊になって、唯一残念な作品だった。
なにしろ7回で尻切れトンボで終了したので
単行本はおろか画像さえもない。
ナカタニDの作画ということで、
こんな劇画的なタッチだった。
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ちなみに現在、活躍している芸人は、もうほとんどNSCや、
他の事務所でもそこの芸能養成所上がりで、昔のように芸人に
弟子入りするというパターンはなくなったようだ。

この「ロバート」も東京NSC出身。お笑いも入れ替わりが
激しいから、常に何かをやっていないと
忘れられる
位置情報■ロバート秋山『クリエイターズ・ファイル』を多角的に楽しむ大規模展
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=207&from=diary&id=4493822



ペン最後に「芸人生活」
現役のお笑い芸人、チャーミング井上二郎が描いた
売れない芸人の悲喜劇。
https://note.mu/tarent26/m/mcf7b79fc7883
芸人だけでは食ってはいけないので、バイトをして
職場では先輩の女子高生に怒られたり、同情されたり
昨年、R-1でグランプリをとったハリウッドザコシショウも登場する。
これは国会図書館で読んだ。買うまでもないからね。







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