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2017年03月27日11:39

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「なむあみだぶつ」江戸小話

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両国で、クマ熊の見せ物をしているおじいさんおじいさんがいました。見せ物には、なによりお天気晴れが第一です。

このところ、ずっとお天気続きなので、毎日が大入り満員満室・満席・満車です。おじいさんおじいさんはすっかり喜んで、自分も出入り口に現れると、

おじいさん「さあ、クマ熊だ、クマ熊だ、江戸では、
初めてのおめみえ、そ−−−れ、よってらっしゃい、見てらっしゃいるんるん」と、大声を張り上げて、お客を呼び込んでいました。

ところがこのおじいさんおじいさん、突然の病気になって、あとは息をひきとるばかりです。それなのに、店に出ると大声をあげて、

おじいさん「クマ熊だ、クマ熊だ、日本一の大グマだ−−−るんるんるんるんるんるん」と、怒鳴ってばかりです。

もうすぐ死ぬというのに、念仏をとなえるどころではありません。

おばあさん「ああ、こんな事では、後生(ごしょう→死んでから生まれ変わること)が悪かろう」心配したおばあさんは、おじいさんに言いました。

おばあさん「さあ、お前さん、もうすぐ、お迎えが来るんだよ。なむあみだぶつお願いあせあせ(飛び散る汗)の一つぐらいは、唄えないと」しかしおじいさんは、念仏を唱えるどころか、

おじいさんスピーカー「クマ熊だ、クマ熊だ、日本一の大グマだ−−−スピーカーあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)」と、わめくばかり。

集まった身内の者たちも、口々に念仏をすすめましたが、おじいさんは、

おじいさんスピーカー「クマ熊だ、クマ熊だ、日本一の大グマだ−−−スピーカーあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)」の、一点ばりです。

これを見た医者が、おばあさんや身内に言いました。

勝ち誇り「どれ、このわたしが、おじいさんに念仏を言わせてみましょう」そして医者は、おじいさんの耳耳に口をよせて言いました。

勝ち誇り「じいさん、明日は大雨雨雨雨だぞ」するとおじいさんは、急に大人しくなって、

おじいさん「ああ、なむあみだぶつ、なむあみだぶつ」と、唱えたそうです。




ちゃんちゃん





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