mixiユーザー(id:1368265)

2017年01月09日01:02

257 view

今週の科学ニュース−1月8日

 皆様、こんばんは。お正月は比較的暖かだったのですが、今日は、南関東は冷たい雨になっています。体調にはお気をつけください。

5200万年前のホオズキ=新種の化石発見−アルゼンチン(米ペンシルベニア州立大学他)
 米Pennsylvania State Universityなどの研究チームは、アルゼンチンのパタゴニア地方で5200万年前のホオズキの仲間の化石を発見したと発表しました。見つかったホウズキの化石の写真を見ると、実の部分と考えられ、このような柔らかい実が化石として残るのは珍しいことと思われます。また、ホオズキは(南米原産の)ナス科の植物でありますが、決してナス科の植物の先祖と言うわけではなく、このことから、ナス科の植物の分化は5200万年前の時点でかなり進んでいた可能性があると言えると思います。ナス科の植物の実は柔らかいので、化石として残る可能性は薄いのですが、いつ頃ナスやトマトができたのかは興味があるところです。
Pennsylvania State Universityの該当HPはこちら
Science誌の該当論文のAbstractはこちら

謎の高速電波バーストの発生源を特定(米コーネル大学他)
 米Cornell Universityなどの研究チームは、世界中の電波望遠鏡のネットワークを用いた観測データから、高速電波バーストの発生源の一つを特定したと発表しました。高速電波バースト(Fast Radio Burst:FRB)は、2007年に初めて観測が認められた、宇宙から来る爆発的な電波のパルスで、その持続時間はわずか5ミリ秒(1000分の5秒)ですが、含まれるエネルギーは膨大で、太陽系の太陽の5億個分のエネルギーを含んでいると言われています。しかし、なにぶんにも持続時間が短すぎるため、観測しても、その方向に望遠鏡を向けることができないため、一体どこから来る電波なのか、いろいろな説がありました。中には、結局地上の電気機器のスイッチングノイズではないのか、と言う説すらあったそうです。(持続時間の点から言うと、可能性はあったはずです。)しかし、幸運なことに、繰り返し高速電波バーストを発する方向が見つかり、そこに電波望遠鏡をむけたところ、FRB 121102と命名された30億光年彼方の矮小銀河の中心部から高速電波バーストが発生していることが確認されたとのことです。矮小銀河の中心と言うことは、発生原因にブラックホールが関わっている可能性が高くなりましたが、まだまだ発生原因はわかっていないのが現状です。また、見つけた矮小銀河が30億光年も彼方にあることから、少なくとも高速電波バーストの一部は宇宙形成からまだ幾ばくも経っていない時期に発生していることになり、これもまた興味深いものがあります。
Cornell Universityの該当HPはこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

大型恐竜、卵のふ化に半年=遅いのが絶滅の一因か(米フロリダ州立大学他)
 米Florida State Universityなどの研究チームは、プロトケラトプス(卵の重さ推定194g)とヒパクロサウルス(卵の重さ推定4kg以上)の卵の中にいた幼生の恐竜の歯を取り出し、歯の成長時に現れる年輪のようなものを解析したところ、プロトケラトプスの場合で2.8ヶ月、ヒパクロサウルスの場合で5.8ヶ月以上、ふ化までに時間がかかったのではないかと考えられると発表しました。これは、現生の鳥類の11〜85日と比較するとかなり長くなっています。恐竜の卵は、その間ずっと地上に転がっていたと考えられることから、敵に狙われる機会が多く、その分、生存競争上不利だったのではないかとの考察がなされています。この点については、恐竜の卵はある程度の期間母親のお腹の中にあって、ふ化間際に産卵していた可能性も考えられ、これらの点の検証が必要と考えます。
Florida State Universityの該当HPはこちら
米科学アカデミー紀要の該当論文はこちら

 では、今週はこの辺で。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する