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2017年01月02日21:22

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埠頭三角暗黒市場

埠頭三角暗黒市場 椎名誠 を読了。
中・韓連合の同時多発地盤沈下作戦――<大破壊>後の日本。
倒壊したビルと豪華客船が人の字のように支えあう空間の下には市場が広がる。
変異と混沌の街には、今日も白い雨と黒い雨が降る――

大きな破壊の後、秩序が失われた世界というのは無数にあります。
この話、というか、椎名先生が書く崩壊後世界は独特で、退廃的で、時々コミカルで楽しい。
歪み、という表現が近いのかもしれません。
そして、歪んでいるなりに皆逞しく生きているのもポイント。
三大歪みゲームと呼ばれるあれらの作品群を思わせますね。

白い雨は大丈夫だけど、黒い雨は汚染されて気が狂ってしまうので防脂製の雨具を着ている、とか。
海は脂が溜まって黒く、今では脂海と呼ばれている、とか。
好きな設定です。
後半の収束部分は、正直ちょっと唐突な印象もありますが。
まぁ、それはそれで私は堪能しました。

帯に東日本大震災前に書かれたものです、と注意書きされているのや、
作中の各国の関係性だとかを見ると、色々と世情に影響されるものもあるのだなぁ、と
しみじみともしました。

水域も読みたいなぁ、復刊しないかなぁ……
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