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2016年12月30日21:26

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ドゥーチュィムニー「沖縄・反基地運動リーダー山城議長の勾留続く、「強権発動」の背景は?」

 沖縄の反基地運動のリーダーが10月以降、3度にわたって沖縄県警に逮捕、勾留され続けている。「強権発動」の背景に何があるのか。

 11月29日正午すぎ、那覇市内の沖縄平和運動センターで沖縄県警の家宅捜索が始まった。

「まさか1年近く前の抗議行動の立件に動くとは思いませんでした」

 家宅捜索に立ち会ったセンターの大城悟事務局長は容疑事実を聞いて耳を疑ったという。

 今年1月下旬、新基地建設が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前でコンクリートブロックを積み上げ、工事車両の資機材搬入を妨害した容疑だったからだ。県警は家宅捜索とともに、ブロックの設置指示などの主要な役割を担ったとして、センターの山城博治議長を含む男性4人を威力業務妨害容疑で逮捕した。辺野古や東村高江での反基地運動を牽引してきた山城議長の逮捕は10月以降、3度目となった。

●反対運動の弾圧が目的

 山城議長の逮捕、勾留の経緯を振り返ろう。

 ヘリパッド建設が進む高江の米軍北部訓練場への侵入防止用の有刺鉄線を切断したとして、山城議長が器物損壊容疑で現行犯逮捕されたのは10月17日。那覇地検は勾留請求したが、那覇簡裁は同月20日朝に却下。これを受け検察側は即日、那覇地裁に準抗告する一方、県警は同日夕、高江での別件の公務執行妨害と傷害の容疑で山城議長の再逮捕に踏み切る。那覇地裁が器物損壊容疑での勾留を認める決定を下したのは、再逮捕後の20日夜だった。

 警察は一般的に勾留満期で再逮捕する。2回目の逮捕は、山城議長の勾留請求が却下されると見越して再逮捕した可能性が高く、長期勾留への捜査機関の執念がうかがえる。

 2度目の逮捕の翌21日、県警は高江の反対派市民が使うテントと山城議長の自宅を家宅捜索したが、押収物はゼロだった。山城議長の弁護団の三宅俊司弁護士は「自宅やテントに傷害や公務執行妨害の証拠などあるはずがない」と指摘。3度にわたる逮捕についても「さみだれ式に事件を広げ、逮捕者や捜索先を増やしていく捜査手法は、反対運動の弾圧が目的なのは明らかです」と批判を強める。

●長期勾留は人権問題

 一方、捜査関係者は威力業務妨害容疑を念頭にこう言う。

「沖縄には基地のゲートが至る所にあります。目に余る違法行為は小さな芽のうちに摘み取っておくということです」

 基地のゲート前にブロックを積み上げる抗議行動が定着し、他の基地にも波及すれば県警の限られた人員では対応できなくなる。そうした懸念から立件方針は以前から固めていたものの、このタイミングでの捜査着手となったのは、「あくまで捜査態勢の問題」だと強調する。

 沖縄には反基地運動に対応するため県外から数百人規模の警察官が派遣されている。ただ、公判維持も見据えた「身柄事案」の対処は短期ローテーションで派遣される要員に任せるわけにはいかない。また、市民側には強力な弁護団がサポートするため、事件の悪質性や組織性など検察が求めるハードルも高くなる。このため、うかつには強制捜査に乗り出せなかったという。

 ではなぜ今なのか。政府は高江のヘリパッド建設を年内に終える方針だ。その後は県外の警察官派遣も見通せないと判断し、立件を急いだ可能性も否定できない。だが、山城議長の長期勾留は人権問題にもかかわる。

 今回捜索を受けた沖縄平和運動センターは1993年、沖縄のローカル政党「沖縄社会大衆党」と社民党に連なる労組などが結集して発足した。大城事務局長は「辺野古での工事再開を前に、危険な団体だという悪いイメージを世論に浸透させるのが狙いではないか」と捜索意図を探る。

 政府は辺野古のキャンプ・シュワブ陸上部の工事を近く再開する見通しだ。「政府に逆らう国民は力でねじ伏せるということなのでしょう」(大城事務局長)

「遠くの出来事」では済まないことを、「本土」も認識しておく必要がある。(編集部・渡辺豪)

※AERA 2016年12月19日号
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