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2016年08月28日22:43

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今週の科学ニュース−8月28日

 皆様、こんばんは。オリンピックが無事終わったと思ったら、北海道は大雨、東日本に相次いで台風が来ています。これからが台風の本格的なシーズンになります。雨にご注意を。

太古の絶滅フクロライオン化石を発見、新種(豪ニューサウスウェールズ大学他)
 オーストラリアUniversity of New South Walesなどの研究チームは、リバースレー哺乳類化石地域の石灰岩の中から超小型(推定体重600g)のフクロライオンの歯と超肉食動物(食物の75%以上が肉の動物)のフクロネコの歯を発見したと発表しました。今回見つかった化石は、1800万年前くらいとのことですので、その頃にはオーストラリア大陸は他から切り離されて、独自の動物の進化が進んでいたことを示していると思われます。ご存じのように、カンガルーやコアラ、フクロオオカミのように、育児嚢を持っているのは、南米のオポッサムを除けば、ほぼすべてがオーストラリア大陸に存在しています。
University of New South Walesの該当HPはこちら
Palaeontologia Electronica誌の該当論文はこちら

「協力の進化」に新知見、チンパンジーは競争より協力を好む(米エモリー大学ヤーキス国立霊長類研究センター)
 アメリカEmory University Yerkes National Primate Research Centerの研究チームは、従来より自然な環境下でのチンパンジーの群れを観察し、チンパンジーが生活する上でどのくらい協調するかを確認しました。その結果、従来の管理された実験室環境下ではほとんど見られなかった協調行動が、今回の実験条件下では5:1の割合で協調行動を取ることがわかったと発表しました。要するに、えさなどの環境が良い実験室では協調する必要が無くても、環境が悪い状況下では協調する必要があることをチンパンジーは速やかに理解すると言うことなようです。状況がそうさせている面もあるのでしょうが、意外とチンパンジーは頭が良いと言うことなようです。
Emory University Yerkes National Primate Research Centerの該当HPはこちら
米科学アカデミー紀要の該当論文のAbstractはこちら

地球に似た惑星発見、水も存在か 太陽系から4光年先(英クイーンメリー大学ロンドン校他)
 ケンタウルス座αから少し離れたところに見えるプロキシマは、太陽から(わずか)4.2光年しか離れていない、太陽から一番近いお隣さんの恒星です。視角として結構離れて見えますが、ケンタウルス座αの伴星の一つで、主星から実に0.2光年も離れていて、主星の周りを50万年(一説によると100万年)かけてまわっているとされています。このため、主星の影響を受けずに安定した公転軌道を持った惑星が存在しうることは予想できましたが、今回、イギリスQueen Mary University of Londonなどの研究チームは、チリの天文台からの観測結果から、水が液体として存在しうるハビタブルゾーン内に惑星があることがわかったと発表しました。Nature誌に特集記事を書かせるほどの衝撃を与えたその理由は、ハビタブルゾーン内に惑星が存在することは比較的珍しいと考えられていたにもかかわらず、すぐお隣さんで、実はハビタブルゾーン内の惑星があったとの結果が出てしまい、そうなると、生命が発生する可能性があるハビタブルゾーン内の惑星は当初の予想よりずっと多い、桁違いに多いことが考えられます。今回見つかったProxima bは、主星のProximaの表面で頻繁に起こるフレアからのX線や紫外線の影響を受けて、その地表に生命が存在する可能性は小さいそうですが、今回の結果から、下手をするとどの恒星にもハビタブルゾーンに惑星があることになり、地球外生命の期待も膨らみます。
Queen Mary University of Londonの該当HPはこちら
Nature誌の特集記事はこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

 では、今週はこの辺で。
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