米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事をめぐり、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は22日、沖縄県側と国側の意見陳述を行った。県側は翁長雄志知事が出席し、工事に必要な沿岸部の埋め立て承認を自らが取り消したことの正当性を強調。「重い負担を負わされ続けてきた沖縄県に、新たな基地を造る必要性があるのか」と訴えた。
翁長知事による承認取り消しに対しては、石井啓一国土交通相が是正を指示。県側はこの指示に違法性があるとして、同委に審査を申し出ていた。
陳述は公開で行われ、翁長知事は「地方自治体の自主性や自立性に配慮しなければならず、知事の判断は尊重されるべきだ」と言明。辺野古周辺の自然環境の重要性にも触れ、「是正指示は自然と生態系への破壊指示であり、地方自治の破壊そのものだ」と批判した。
国側は、承認取り消しで普天間飛行場の危険性除去が難しくなるほか、日米同盟に亀裂が入ると指摘。「新基地建設阻止の目的を達成するために承認を取り消したことは明らかで、裁量権の逸脱、乱用だ」と主張した。
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