■ハンセン病特別法廷、最高裁が謝罪 「尊厳傷つけた」
(朝日新聞デジタル - 04月25日 14:49)
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（社説）ハンセン病 司法の差別、決着せぬ
「人権の砦（とりで）」たる最高裁として、これで問題が決着したといえるのだろうか。
ハンセン病患者の裁判がかつて、隔離された「特別法廷」で開かれていたことをめぐり、最高裁はきのう、元患者らに「患者の人格と尊厳を傷つけたことを深く反省し、お詫（わ）びする」と謝罪した。
裁判を隔離した判断のあり方は差別的だった疑いが強く、裁判所法に違反すると認めた。最高裁が司法手続き上の判断の誤りを認めて謝罪するのは極めて異例であり、検証作業をしたこと自体は評価できるだろう。
だが、注目された違憲性の判断に関しては、憲法上の「裁判の公開」の原則には反しない、と結論づけた。
果たしてハンセン病への差別や偏見に苦しめられてきた元患者や家族に受け入れられる判断だろうか。
同時に公表された最高裁の有識者委員会の意見は、憲法上の二つの点で疑問を突きつけている。まず、法の下の平等に照らして特別法廷は「違反していたといわざるを得ない」と断じている。さらに裁判の公開原則についても「違憲の疑いは、なおぬぐいきれない」とした。
すでに０５年、厚生労働省が設けた検証会議も、同様の憲法上の問題点を指摘していた。それを長く放置してきた最高裁が出した今回の判断は、たび重なる指摘に正面から答えたとは言いがたい。
検証会議はこの時、ハンセン病患者とされた熊本県の男性が殺人罪に問われ、無実を訴えながら死刑執行された「菊池事件」にも言及していた。男性が裁かれた特別法廷について、「いわば『非公開』の状態で進行した」と指摘していた。
事件の再審を求める弁護団や元患者らが、特別法廷の正当性の検討を最高裁に求めて始まったのが今回の検証だった。それだけに元患者団体は「自らの誤りを真摯（しんし）に認めることを強く求める」と、違憲性を認めなかったことに反発している。
今回の最高裁の検証では、「裁判官の独立」を理由に、個別の事件の判断は避けられた。だが、手続きに問題があれば、裁判そのものに疑いが生じかねない。本来なら個別事件も検証し、被害救済や名誉回復まで考慮すべきだろう。今後、再審請求があれば、裁判所は真剣に対応すべきだ。
差別や偏見のない社会に少しでも近づけるために、今回の検証をどう役立てるのか。謝罪を超え、最高裁はさらにその責任を負い続けなくてはならない。
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上記は、今朝の朝日新聞の社説「ハンセン病 司法の差別、決着せぬ」の全文である。
今朝の朝日新聞の朝日新聞の社説「ハンセン病 司法の差別、決着せぬ」の冒頭で、次のように問いかけている。
�燹嵜邑△虜屐覆箸蠅如法廚燭觝嚢盧曚箸靴董△海譴婆簑蠅�決着したといえるのだろうか。��
最高裁はこの問いかけに、どのように答えるのか、わたしはとても聞きたいと考えている。
そもそも�狄邑↓瓩箸蓮△△蠅箸△蕕罎訖佑貿Г瓩蕕譴討い訖祐崑故�の基本的権利のことをいう。ありとあらゆる人に認められているということは、たとえ一人でもその権利が認められないということになれば、残りの人々にその権利が認められていないということになるということを意味している。
�爛魯鵐札麌足瓩箸い�疾患を持つ人に対して、この国では、ほんの二十数年前までは、一般社会から隔離され、住居自由も職業の自由も婚姻の自由もあらゆる権利が奪われてきたのである。そのような事実は、わたしたちにわたしたちが認められていると考えている基本的人権も本当は認められていなかったということを意味しているのである。わたしたちはこのような国に生きているのである。
わたしはかつて大谷大学の学生であった頃、ある真宗学の教授から金子大栄師が「ふえん」と「一般」との言葉の違いについて、こんな例えを出して説明していたという話を聞いた覚えがある。
それは、ある村に１０軒の家があったとして、「普遍的にテレビがある」とは１０軒全部の家にテレビがあるということを意味する。それに対して「一般的にテレビがある」とは１０軒全部の家にテレビがなくとも、７軒でも８軒でもテレビがあれば、「一般的にテレビがある」ということになるということである。
この国では、�犂靄榲�人権�瓩蓮嵒疂彭�」に認められているのではなく、単に「一般的」に認められているにすぎないということを意味しているのである。
わたしは、昨日、出生前診断で異常が判明した９６％の人が中絶を選択したというニュースを取り上げた。この国では�牴燭蕕�の障害を持って生まれること�瓩�本人にとっても親にとっても�猊垤�なこと�瓩世塙佑┐訖佑�いるということがいかに多いのかということを物語っていると書き、では、一体たれがそのような選択を親にさせているのかを問い、それはわたしたちであるということを書いた。では、�牴燭蕕�の障害を持って生まれること�瓩��猊垤�なこと�瓩世犯獣任垢觝�拠とは何だろうか。そしてこのような判断はわたしたちに何を問いかけているのだろうか。
�牴燭蕕�の障害を持って生まれてくること�瓩亘椰佑砲箸辰討眇討砲箸辰討皚猊垤�なこと�瓩世箸靴董�中絶することが許されているわたしたちが生きているこの社会には�猴ダ験愡彖枦�発想�瓩�あり、わたしたちはその�猴ダ験愡彖枦�発想�瓩鯒Г瓩討い襪海箸箸覆蝓△�つてナチスが行ったホロコーストと同じ発想を持っているのではないかということが問われているのである。
そしてわたしたちが�爛淵船広瓩�ホロコーストで行ったのと同じ�犹諜埓��瓩鮖�つのは、我が子の�爐い里舛料�択�瓩鬚修凌討豊犲�己決定�瓩箸靴毒い擦討い襪海箸任△襦�ようやく宿すことができた我が子のいのちを�狠羸筬瓩垢襪箸いΝ犹諜圓聞坩扠瓩鮨討貿い擦討い襦�自らは手を汚そうとはしない、その�爐い里舛料�択�瓩鬚修凌討鵬，敬佞韻討い襪箸いΔ海箸劉犹諜埓��瓩海修蓮▲淵船垢�ホロコーストで自ら手を汚さずに行ってきたことと何が異なるのだろうか。この問題の解決は簡単である。出生前診断を取りやめ、いかなる障害を持つ子どもでも、受け入れられる社会をわたしたちが造っていけばいいだけのことだ。そして親に死んでも、その子が�犲�分らしく�畧犬�ていける社会を構築していけばいいだけのことなのだ。そのような社会こそ、真にありとあらゆる人にとって生きやすい社会なのだから。
つまり出生前診断で異常が判明した９６％の人が中絶を選択したというニュースがわたしたちに問いかけていることは、このままわたしたちが�猴ダ験愡彖枦�発想�瓩鮖�ち続け、な地価的ホロコースト的行為を行い続けるのか、それとも、出生前診断を取りやめ、いかなる障害を持つ子どもでも、受け入れられる社会、真にありとあらゆる人にとって生きやすい社会を作っていこうとするのかの�狒�択�瓩鯒�っているということなのである。
�犖‐擴餤弔呂海了�、ハンセン病患者とされた熊本県の男性が殺人罪に問われ、無実を訴えながら死刑執行された「菊池事件」にも言及していた。男性が裁かれた特別法廷について、「いわば『非公開』の状態で進行した」と指摘していた。/ 事件の再審を求める弁護団や元患者らが、特別法廷の正当性の検討を最高裁に求めて始まったのが今回の検証だった。それだけに元患者団体は「自らの誤りを真摯（しんし）に認めることを強く求める」と、違憲性を認めなかったことに反発している。��
「菊池事件」の容疑者とされ、無実を訴えながら死刑執行された、藤本松夫氏の裁判の再審、さらに殺人者という汚名からの名誉回復、そして特別法廷の違憲性を認めなければ、真にわたしたちの基本的人権が認められていることにはならないのということを、わたしたち一人一人は真摯に考えるべきであるということを、「ハンセン病患者の裁判を隔離された療養施設などに設けた「特別法廷」で開いていた問題」はわたしたちに問いかけているように思えてならないのである。
わたしには、「ハンセン病」特別法廷問題と「出生前診断」問題とは通底する者があると考えている。それは共に「人権」という問題なのである。つまり、たとえ、一人でもその権利が認められていなければ、わたしたちの権利も認められていないことになる。わたしたちはそのことを深く考えるべきなのである。
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