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2016年03月22日02:56

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ﾀﾅｶｹｲｲﾁ↓ﾄｰｸｼｮｰ↑ﾀﾞｰ!

今日は朝から高崎へ。
「『描く!』マンガ展　名作を生む画技に迫るー描線・コマ・キャラ」
という催しが、高崎市美術館にて開催中なので行ってきた。

高崎着は正午。
駅から徒歩３分くらいで高崎市美術館。
６００円の入場料を支払って入ると、３Ｆまで漫画展示で一杯。

http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2015121300012/

を見てもらえば分かるけど、漫画草創期の作家から
赤塚不二夫､石ﾉ森章太郎､手塚治虫､藤子不二雄Ⓐ､水野英子
最近の作家から
あずまきよひこ、さいとう・たかを､島本和彦、竹宮惠子､平野耕太、PEACH-PIT、陸奥A子､諸星大二郎
といった巨匠たちの掲載誌・原稿・その他もろもろの展示と解説がなされている。

今回、監修が
伊藤剛（マンガ評論家・東京工芸大学マンガ学科准教授）
展示解説（技術解説）が
田中圭一（マンガ家・京都精華大学准教授）
という、ものすごく分かってる＆解析と解説に定評のある人選なのが素晴らしい。

漫画原稿のみならず、例えば「墨汁一滴」の複写では全国を肉筆回覧した様子が垣間見えるし、ゴルゴ13の銃、ローゼンメイデンの人形、よつばと！のジュラルミンぬいぐるみなんてのも飾ってあって、立体的にも楽しめた。
ジュラルミンは実際に持ち上げて、例の「メェ～」っていうグロウラーの鳴き声まで聞けるし。

個人的に漫画展示で圧倒されたのは、さいとうたかを「無用の介」の原稿と、諸星大二郎「マッドメン」の原稿。
あと、漫画同人の歴史の展示で昔のコミケカタログが飾ってあって、そうそうコレ買ったわ～みたいに思い出したカタログが第３９回ので、次回で８９回を数えるコミケの結構前半史から俺関わってたんだなぁ、と我ながら驚いた。

午後二時前に一旦見学終了。
売店で図版とか買う。あとクリアファイルも。
買うつもりはこれっぽっちもなかったのに、実際の展示見たら買いたくなった。そのくらい充実してる。
なお、売店ではよつばと！グッズが割と充実してた。

で、同じ建物だけど別の入り口から入った公民館にて開催の
「トークイベント「描く!」を読み解く」
に参加。
こちらは、展示監修の伊藤剛氏と、漫画家・田中圭一氏が、展示内容にからめて色々解説や裏話を語りつつ、実際に田中先生が絵を描いて技術的な解析もするというもの。

トークはとにかく面白かった。
色んな作家の絵柄をコピー（一部では憑依だのイタコだのの異名まである）する芸風の田中先生だけど、表面だけの模倣じゃなく実際の描き方を解析して作り上げる、ある意味理系なやり口なんで、実に興味深い話が聞けた。
我々がモヤっとした言葉でしか語れない、いろんな漫画家の絵の魅力というものを、線の描き方レベルから解体・解説できる作家・研究者なんて他にいないと思う。
ホント、ヤフオクで出来の悪いニセモノサイン色紙売ってる奴は、田中先生の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいわ。

実演では、各巨匠ごとの彩色の特徴を、実際に真似した絵に色を塗りつつ話すというものだったけど、手塚・松本・藤子F・宮崎駿らの「確かにこう塗るとそれっぽいわ」な特徴の捉え方は、面白くも感心した。コレ、映像でどっかで公開して欲しい。

諸星大二郎について熱く語りすぎて脱線しかかったり、終盤の質疑応答の中では、弘兼漫画の模写、特に島耕作の真似のし辛さについて言及があったり、もののけ姫と諸星大二郎のマッドメンとのストーリーの相似形について語ったり、まあとにかく色んな角度から漫画を考える人たちだなあ、という感じ。

最後には、途中で彩色実演した原稿プレゼントじゃんけん大会。
惜しくも獲得ならなかったけど、その後先ほど購入の図版に田中圭一先生からサインしてもらった。