mixiユーザー(id:9665296)

2015年09月12日01:31

454 view

倉吉駅から鳥取砂丘の手前まで歩く

大阪にも涼気が訪れつつある9月最初の週末に倉吉駅から鳥取市まで歩いてきました。次回の旅で鳥取砂丘を日帰りで攻略する予定なので、西の入り口まで到達しておくという目的でした。

5日土曜の朝の7時半の新大阪発の特急「はくと」で新幹線を経由しない山陰行きです、終点の倉吉到着は10時45分。倉吉駅の南口方面はスナック街もあり、チェーン店の飲食店も多く、そこそこの賑わいですが、白壁の土蔵群に向かうバスの発着するターミナルを過ぎて県道に合流してからは、閑散とした景色になっていきます。この日の天気は曇り時々晴れでした。前日まで降った雨でアスファルトが濡れていたのも涼しさを呼んでいました。

倉吉市から東へ向かう道は街路樹が立ち並び、道路に沿った藪は竹や椎の木や柿の木など豊かな植生を示していました。JRの線路を上から見下ろしながら峠を越えると、前方の景色が開けて田んぼの向こうに東郷湖が広がっています。向こう岸にはなぜか中国式の宮殿のような建物が見えます。湖岸のリゾート地のようなゆったりした道を歩いて行くと、燕趙園という中国からの協力で作られた本格的なテーマパークであることが分かりました。湖の水は濁ってあまりきれいではありません。

松崎駅は山陰ではおなじみの青い瓦の駅舎で、駅前から温泉街の雰囲気。県道の一本鉄道よりの通りには古くで黒ずんだ温泉旅館や商店や民家が立ち並んでいます。温泉街を抜けて県道に合流すると視界が開けましたが、西側は山がJRの線路と道路のぎりぎりまで迫り、東側は線路の向こうに田んぼが広がり、建物などは少なくて閑散とした風景です。鉄道は盛り土をした上を走っていて、線路際には葛が沢山生い茂っています。踏切や警笛の音で列車の通過に気づいてシャッターを切ることも数回あり、特急列車や普通列車に古い車両までいろいろカメラに収めました。

泊駅が近くなるあたりはJAや梨の選別所などがあって多少は賑わっていました。駅から日本海側に降りていく歩道があり、いかにも山陰の漁村らしい茶色や黒やそれらのまだらの瓦屋根の家々が軒を連ねています。また木をうろこ状に貼りあわせた壁や縦に長い木材を並べて貼りあわせた壁など伝統的な木造建築の家も数多く並んでいます。しばし山陰の昔ながらの村の雰囲気を感じながらの道となりました。

この後、一旦国道に出て車がたくさん走っている道の歩道を進んでいくと日本海が見えだしました。波は穏やかで水が緑を帯びた青色に澄んでいました。海水浴客の姿はなくて、サーファーが20人くらい海に入っていましたが、波が静かすぎるのかボードの上に腹這いになって沖を目指して漕いでいる人が大部分でした。さらに東へ歩くにつれて、海の透明度は増していきました。半島が突き出るあたりは打ち寄せる波が白く濁っています。茶色の奇岩に松の木が生えている風景や入り江に瓦屋根の家々が身を寄せ合っている集落もありました。

国道から青谷駅へ向かう道へ進路を変えると鉄道の線路ぎりぎりに生活圏があって、山陰らしい瓦屋根の家々が連なっていました。青谷駅は赤い瓦屋根の小ぎれいな駅で駅員もいるようですが、15:30(15分後だった)まで不在との張り紙がありました。青谷駅から国道まで戻る道は街路樹が植えられて、新興住宅地のような整った佇まいでした。

国道9号線に戻ると殺風景な自動車道でアップダウンもありました。歩き出して1時間でたどり着いた東郷町が湯梨浜町という名前に変わっていたのも、浜村温泉のある気高町が鳥取市に編入されていたのも今回歩きながら気づいたのでした。峠になったところに魚見台という展望所があり、漁港を見下ろす広々した風景が望めましたが鳥取砂丘はまだ視界のずっと向こうでした。

峠から降りていくと田園風景が広がり、国道から分かれた浜村駅へ向かう道沿いは猫が走っていたり虫取り網を持った子供が遊んでいたりと平和な風景でした。古い温泉街にある浜村駅には予定より30分以上早く到着し、ちょうど来た列車(16:47)に乗り込んで宿泊地の倉吉に向かいました。

翌日は雨天でした。浜村からの出発は9時5分。古い温泉旅館が並ぶ街には雨も良く似合ってしっとりした雰囲気が漂い、道路には融雪用の水の吹き出し口が並んでいます。温泉でゆっくりしたい気持ちにもなり掛けるのを振り切って海沿いの国道へと先を急ぎました。この先は5kmくらい何もない大動脈のような道が続いてトンネルも三回潜らないといけませんでした。雨脚も強くなり水はけの悪い道路であちこちに水たまりができて、大型トラックが水を跳ね飛ばしながら通り過ぎて行きます。風も強くて景色を眺める余裕はほとんどありませんが、海沿いの入り江に森が切れる場所もあって、茶色と黒の瓦屋根が身を寄せ合っている集落が雨に煙って見えました。

因幡の白兎の伝説の地の海岸にたどり着いたのは10時45分。雨は少し弱まっていました。海岸の砂は黄色っぽい色をしています。誰かが貝殻を砂の上に並べて文字のようなものを描いています。海にはサーファーの姿がたくさん見られましたが、前日にもっと西の海岸で見た光景同様、腹這いになってもっと大きな波が来るのを待つか、さらに沖合を目指しているようでした。砂浜で傘をさして佇んでいる若い女性は、サーファーの彼氏を見守っているに違いありません。道の駅の駐車場では若いカップルが言い争いをしています。女の子は傘を差して言葉少なに立ちつくしているのに対して、男の方は傘も差さずに頭から濡れながら身ぶり手ぶりも含めながら説得に当たっているようです。一昔前のトレンディドラマのシーンのようでした。

鳥取市内へ分かれる道の分岐点に2002年度の都市地図ではセイコーマートが表示されていたのは、Family Martに変わっていました。鳥取市内に入るまでコンビニは数kmごとにあり、店の入り口に突き出た雪対策のための空間が冬は豪雪地帯になることを物語っています。ネギ畑や大豆畑の農村風景は次第に都市郊外の風景に変わっていきました。いかにも美術系の学生が住んでいそうな壁に絵の描かれたアパートもありました。本日のゴールと定めた鳥取大学前駅は坂の上にある商店のような駅舎だったので通り過ぎてしまって気づいて戻りました。13時15分に到着。2分後の特急へ急ぐ人は無く、13:32の普通列車に学生さんも10人くらい乗り込みました。

3 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する