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2015年07月28日11:06

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仙塩尾根ー2 熊ノ平小屋〜両俣小屋

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7月23日

朝から雨が降っている。小屋泊りにしてよかった。
テレビの天気予報では伊那市は午前6時は8mmの降水量だが、9時以降は1mmと小降りになるようだ。まあ、山と下界は違うが、少し遅めに出よう。
お天気が良ければ三峰岳から間ノ岳を往復しようと思ったが、雨なら行くこともない。それなら5時間足らずの行程だからあわてることはない。

Iさんは、早くに出て行った。その時に、もしかしたら仙丈ヶ岳には行かないで、両俣小屋から今日中に下るかもしれないと言われた。

小屋でのんびりしていると6時45分にあの伊勢からのYさんが、ずぶぬれでやってきた。
「あと2時間というところで4時になってしまったんです。それまでもなかなか先に進めなくて、2時間のコースタイムのところを3時間かかってしまったんです。このままだと小屋につくのは7時過ぎになると思ってそこでビバークしたんです。」

「頑張ったわねえ。えらかったねえ。」労をねぎらう。
私はとても雨の中で一人でビバークする気にはなれない。

もう少し雨が収まったら、危険といわれている三峰岳を降りたところまで一緒に行こうと提案した。
小屋のご主人からも一緒に行ってあげてと言われた。
8時に小屋を出る。

40分で井川越に着くが、Yさんは10分遅れで着いた。
「三峰岳の登りのあたりで待っているから。」と言って、先に歩き出した。
何度も立ち止まるが、なかなかYさんは姿を見せない。休むと体が冷えてくる。
それでも、三峰岳の岩場の陰で彼女を待った。
やっと姿が見える。
20歩歩いては20数えるくらい休むというペースだ。私は少し先を行ってから待つ、という繰り返しだ。

標識が見えた。やっと三峰岳に着く。
ほっとする。

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だが、下りが危ないと聞いていた。
樹林帯に入ってほっとすると鎖場が出てきた。ここが難所なのだろうか?あっさりと下れてしまった。

「もう危ないところはないでしょうから、先に行ってますね。」そう言って、私は自分のペースで歩き出した。
しかし、両俣小屋に下る野呂川越の標識がなかなか現れない。
何度も登ったり下ったりの繰り返しだ。仙塩尾根名物の倒木も多い。
コースタイムよりかなりの時間がかかっている。

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不安になったころ、やっと野呂川越に着く。

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ここからは急な下りだ。急な上に倒木が多く、時間がかかる。
川が近づく。もうすぐだ。
だが、なかなか小屋が出てこない。

あった!
やっと両俣小屋に着いた。
雨は上がっていたが、ずぶぬれで冷え切っていたので、やっぱり小屋泊りにする。

小屋には女主人の星さんが一人だった。
やはりIさんは下山したらしい。
「今日は10人の団体さんの予約が入っているけど、この雨じゃ来ないでしょ。」
「少なくとももう一人女性が来ますよ。」

「でも、女性一人で小屋番をするのは大変ですね。」
「HPで男の学生アルバイトを募集しているんだけど、なかなかいなくて。」
「学生で両俣小屋のHPを見る人なんていないんじゃないんですか?」
「あははは、確かにそうだわね。まあ、お客さんが少ないときはバイト代払わなくていいから、ラッキーって思うのよ。」

話していると、男性の3人連れが到着した。バスを降りて林道を歩いて来たそうだ。
東京から来たと言う。そのうち2人は高校の同級生だそうだ。
なんとなく予感がして、「どこの高校ですか?」と聞いた。
すると、何と同じ高校の2年先輩だということがわかって驚いた。
こんな山奥で高校の先輩に会うなんて、すごいことだ。

それからYさんも到着した。「なかなか野呂川越に着かなくて、またビバークしようかと思っちゃった。」と笑う。
彼女も今日は小屋泊りだ。

両俣小屋は素泊まりだと3300円と安い。せっかくシュラフを持ってきたので使う。

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Yさんとは、行った山や泊まった山小屋で共通することが多かった。彼女も南アルプスを繋げたいと言った。
「熊ノ平小屋に着いた時、本当に疲れていて、もうここに泊まっちゃおうかと思ったんです。でも、一緒に行こうと言ってくれたからここまで歩こうという気持ちになれたんです。一人ではきつかったです。ありがとうございました。」
Yさんにそう言われてうれしかった。

Yさんは、明日林道を通って下山する。
3人の男性たちは熊ノ平小屋に行くと言う。

明日は標高差1000mの登りが待っている。
同じ方向に向かう人はいない。

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