政府は一昨日、社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の
専門調査会を開き、「団塊の世代」が全員75歳以上になる2025年で、
必要とされる全国の病院ベッド(病床)数の推計を公表しました。
それによると、2025年時点の病床数を115万〜119万床と、
現在よりも16万〜20万床減らす目標を示しました。
手厚い医療を必要としていない30万〜34万人を
自宅や介護施設での治療に切り替えるとの事です。
高齢化で増え続ける医療費を抑える狙いです。
機能別では、
長い治療が必要な慢性期の病床を24万〜29万床と2割ほど減らす外、
重症患者を集中治療する高度急性期の病床も13万床、
通常の救急医療を担う急性期の病床も40万床と、
それぞれ3割ほど減らす事になっています。
現在、大きな病院に行くと、どこも大変混雑しています。
ベッドが空いていないため、入院を待たされる話も聞きます。
更に、救急車はすぐに来ますが、受け入れ先の病院が見つからないため、
すぐに搬送してもらえない事もあります。
入院が長期になると、退院を余儀なくされ、
外の病院が中々見つからず困った話もよく聞きます。
また、単身高齢者の増加などの社会構造の変化など、
医療制度を考える時の色々な状況をどこまで踏まえた推計だったのかと疑問を感じます。
現在は軽症の患者が急性期のベッドを使っている場合があると指摘されていますが、
ごく一部の例を普遍化させているように感じてなりません。
このような例示を上げる位ですから、突っ込んだ検討がされたとも思えません。
病床の減少を在宅医療などで補完するとの事ですが、
在宅医療の整備が進むのかなど不安があります。
言うなれば、病床の削減ありきで、外の事は目を瞑って突き進んだような気がします。
財務省ペースの医療制度で、本当に国民医療を受けられるのか気になります。
各都道府県はこの目標に基づき、
2016年半ばにかけて地域の医療計画を策定する事になります。
したがって、単なる推計ではなく実態をともなったものです。
どんどん国民が置き去りにされてしまうような気がしてなりません。
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