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2015年02月13日09:20

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「サイドウェイ」を見ました

アレキサンダー・ペイン監督    20世紀フォックス



「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」が面白かったので、見みましたが個人的にはこの映画がアレキサンダー・ペイン作品の中で最も面白かったです。いわゆるロードムービーでして、ダメ男2人の珍道中なんですが、最高でした。


マイルス(ポール・ジアマッティ)は中学教師をしながら小説出版を夢見ているのですが、40歳前後で人生の半ばを過ぎた今となってもさっぱりです。友人で売れない俳優をしているジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)が結婚することから、2人だけでワイナリー巡りをするバチュラー旅行を計画しているのですが・・・というのが冒頭です。


私はワインに詳しくないのですが(だいたいのワインを美味しく感じますし、違いを覚えていられません・・・)ワイン通のマイルズのメンドクサイ感じはなんとなく分かります。友人ジャックはそれほどこだわっているのではなく、あくまでバチュラーを、独身最後の一週間を楽しみたいのに、マイルズはなかなかそうできません。むろん2年前の離婚が尾を引いているからなんですが。


マイルスのネガティブ思考はかなりのモノですが、ネガティブ思考って多分痛い目にあったからこそ、なのだと思いますし、防御反応なんでしょうけれど、それにしても殻に閉じこもり過ぎて面白いです(そして幾分身につまされます)。アメリカ人としてもあまりいないタイプに感じますけど、いいです。



そこへ友人ジャックの能天気さとの対比が面白いのです。


途中、ジャックがマイルズに言う蛙とサソリの寓話(蛙とサソリが川を渡りたい、蛙は渡れるけれどサソリは渡れないので蛙に乗せてくれ、と懇願するが蛙は、サソリは刺すから断る。が、サソリは蛙を刺さないと約束するので背中に乗せ川を渡りはじめる。ところが川を渡る途中でサソリは蛙を刺してしまう。蛙はサソリに「何故そんなことを、このまま2人とも死んでしまうじゃないか?」と問いかけるとサソリは「我慢したけど、刺すのが性だからなんだよ、仕方ないよ」と答える、という話です)のようなをする部分が可笑しいです。その後のシークエンスも素晴らしく、ぼかしを入れないのも、分かってる、と思わせます。


いわゆるウディ・アレンの得意な「諦観」をコメディタッチでその先を魅せているのだと思います。ウディ・アレンが好きじゃないだけかも知れませんけど。


ワインが好きな人、ロードムービーが好きな人にオススメ致します。
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