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2014年08月24日12:34

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2014年夏休み列車旅08

☆ 一畑バス(2014年08月23日(土))
JR出雲市駅前0930−0952正門前

電子読書端末で小説「1984年」を読み終えた後,当然のことながら私は,同じ端末で別の本を読み始めた。
何の本を読み始めたか,ここまで敢えて記載しなかった。
実は,由良弥生・著「眠れないほど面白い『古事記』」という本を読み始めたのだ。
この本,眠れないほど面白いかというと,率直に言ってそんなことは全くない。
ただ,これは要するに古事記に載っている日本神話のダイジェスト版なので,素戔嗚尊(スサノオノミコト)や大国主命(オオクニヌシノミコト)のエピソードを復習しておくにはちょうど良い。

どうしてそんなエピソードを復習しておこうかと思ったかというと,出雲大社を訪ねるつもりだったから。
私は,お伊勢さまに祀られている高天原の天つ神のみなさまより,出雲にて祀られている大国主命を初めとする国つ神のみなさまに親近感を感じている。
それで,なんだかんだと数年に1回は出雲大社を訪ねている。
別に意識して出雲に行こうと心がけているわけではないのだが,山陰に来るとどうも
「出雲大社にも行こう」
という気になってしまうのだ。

出雲市駅のコインロッカーに荷物を入れて,行きは路線バスで出雲大社に行ってみる。
とはいえ,このバス路線にも過去に数回乗っているから,今更改めてワクワクするというほどのこともない。
左側最前列の展望席から,何回か眺めたことのある景色をぼーっと見ているうちに,バスは出雲大社正門前に到着した。


☆ 出雲大社(08月23日(土))

現在,出雲大社は平成28年3月までの予定で遷宮が行われている。
ちなみに「遷宮」というのは神社本殿の造営修理に際して神体を移すこと。
出雲大社では昨年(2013年)5月に,仮殿から改修が完了した本殿へ御祭神を再び遷座する「本殿遷座祭」が行われた。
そのおかげかどうかは知らないが,正門の大鳥居の付近はずいぶんとこぎれいになった印象を受ける。
おまけに,なんと,スターバックスコーヒーが出店している!
もちろん,店舗の外観は周囲に合わせており,普通のスタバとは似ても似つかない外観になっているのだけれど。

一礼してから正面の鳥居をくぐり(もちろん,中央よりもちょっと端に寄って。鳥居の中央は神さまの通り道。),奥へと進む。
拝殿にて拝礼,八足門から御本殿を拝礼,そして末社を回る。
宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)を祀る「釜社」があったので,ちょっと嬉しくなる。
お稲荷さま,私ついこの間,京都の伏見稲荷でお参りしましたよ。

御本殿を囲む塀の西側にも,拝礼口がある。
御本殿の正面は南向きになっているけれど殿内の御神座は西向きになっているので,御本殿正面と末社を拝礼した後に西側から再度御本殿に拝礼すると良い,ということだそうな。

御本殿の北西には「彰古館」という建物があり,各種資料を陳列しているという。
また,御本殿の南東には「神こ殿」(「こ」は示へんに「古」)という建物があり,この2階が宝物殿になっている(ここは以前に見たことがある。)。
さらには「文庫」「宝庫」という建物もあり,「文庫」のほうはただいま環境整備工事中。
きっと,再来年の遷宮終了時には「文庫」の工事も終わっているだろうから,宝物とか資料とかはその時に改めてみることにしよう。

御本殿の敷地の東隣には出雲国造北島家の北島国造館があり,西隣には同じく出雲国造千家家の千家国造館がある。
※ 「出雲国造」とは,出雲大社の祭祀者のこと。
現在の出雲大社は千家家の出雲大社教と一体化しており祭事も千家家が行っているが,幕末までは千家家と北島家とで祭事を分担していたという。
そういうわけでということでもなかろうが,千家家の国造館は神楽殿となっていて出雲大社での結婚式などはここで行われているらしい。
次期出雲国造とされる千家国麿氏と,大正天皇のひ孫である高円宮紀子女王との婚約が内定したことが,今年(2014年)5月に明らかになったので,この神楽殿もますます賑やかになるのだろう。

一方,北島家の国造館は,千家家の国造館のような賑やかさはない。
しかし,それなりの規模はあり,落ち着いた雰囲気もあって,私には好ましく思えた。

境内には,青銅で出来た神馬像と神牛像もある。
とくに牛の像は天神様にある牛と同様,頭をなでると頭が良くなるような気がしてしまうのだけれど,いや待て,ここは天神様ではないぞ。
この神馬と神牛,どんな御利益があるのかよく分からない。
でも,天神様も神無月(神在月)にはここ出雲にお越しになるわけだから,天神様の牛の像と同様,頭をなでれば頭が良くなるのかもしれない。
(どういう理屈だ?)

参道の横に,出雲大社高層神殿の三本柱の柱立てを再現したということで,直径80cmの杉の巨木3本をまとめて1本の柱にしたものが立っている。
確か,青森の三内丸山遺跡で発掘された柱穴はクリ材の柱ではないかと言われていたはずだけど,出雲大社は古代から杉を使っていたのだろうか。

「神話の杜」というオブジェが置いてある。
平成13年3月に,瀧徹という人が作ったらしい。
大国主命に縁のあるウサギ,ヤマタノオロチ,イノシシ,ネズミを抽象的に大理石に刻んだという。
まあ,大理石の白さは白うさぎを思わせるし,クネクネして絡み合っている様子は八岐大蛇を連想させるけど,イノシシとネズミがどの辺に表現されているのかは,よく分からなかった。

参道の中程にある土俵のそばに,新しい社が出来ていた。
野見宿禰(のみのすくね)神社。
相撲の神さまだそうな。

拝殿からポクポク歩いて正門の大鳥居の付近まで戻ってきて,改めて一礼しようと思って立ち止まる。
「こうして見ると,すごいねー」
と言っている母娘の声に,思わず振り返ってみると。
たしかに,ここから拝殿までのかなりの距離を,参道がまっすぐに伸びている。
意識しないで,かなりの距離を歩いていたわけだ。

正門付近のスターバックスコーヒー。
普段ならスタバに入ろうなどとは考えもしないのだけれど,天の邪鬼な私としては,ここのスタバらしからぬスタバには入ってみても良いかな,と思った。
しかし,店の前まで行ってみると,かなりの混雑。
よって,入店中止。

正門の付近には,「ご縁横丁」という,土産物屋さんの集合体が出来ていた。
伊勢神宮の「おかげ横丁」にヒントをもらったのだろうか。
ただ,「おかげ横丁」の規模と比べると,かなり小さい。
この「ご縁横丁」にて,きゅうりの浅漬けを割り箸にさしたものを1本,いただいた。
京都で竹林の小径の散策を終えたときも,同じようにキュウリの浅漬けを1本食べたのだった。
汗をかいた身体にキュウリの水分と塩分がしみこんで,うまかった。


☆ 島根県立古代出雲歴史博物館(08月23日(土))

出雲大社正門から東へ徒歩2分。
県立歴史博物館をちょっと覗いてみる気になった。

入ってすぐのところの「神話シアター」で「オオクニヌシ神話」の上映を開始するというので,ふらふらと引き込まれてしまった。
因幡の白うさぎ,兄神たち(八十神)による迫害,根の国訪問といったエピソードは良いと思うのだけれど,国譲り(葦原中国平定)のエピソードは,伊勢神宮系の神々の子孫とされる現在の天皇家とそれを奉る人々にとってはいささか都合が悪いのではないだろうか。
国譲りのエピソードでは,どうしても,天つ神(伊勢神宮系の神々)の要求の不当性が見えてしまうような気がするので。

天照大神一派は,大国主命の統治によって国土(葦原中国)が栄えているのを見て,「この国土は私の父母が作ったのだからこの国土をは私の子孫によって治められるべきだ」とか都合の良いことを言い出して,最後には「この国を大人しく明け渡さないのなら武力をもって攻め滅ぼすぞ」という,脅し同然の交渉を仕掛けている。
これに対して大国主命一派は,のらりくらりと交渉することで何とかかわして切り抜けようとしたけれど,結局はにっちもさっちもいかなくなって葦原中国を無血開城する。
私は大国主命の方が好きなので構わないけれど,この国譲りのエピソードを県立博物館で上映したりすると,訳の分からない方面から変な難癖をつけられないかな,等と思ってしまう。
もちろん,変な難癖をきちんと跳ね返してくれるような気骨のある対応をしてもらえるのなら問題ないのだけど。

神話シアターの番組をのんびり見ていたら,他の展示を見て回る時間が少なくなってしまった。
西暦713年ころの出雲風土記の時代についての模型展示を見て,PCゲーム「AIR」の,西暦1000年頃とされる街道市の風景を思い出した。
知らず知らずのうちに,頭の中で,AIRのあの風景のBGM「縁」が回り出した。
(こんな曲です。http://www.youtube.com/watch?v=SMRGFeYrXOY





☆ 一畑電車大社線・北松江線(08月23日(土))
 出雲大社前1316−1327川跡1332−1341電鉄出雲市

出雲大社前駅に着いたら,3分後に電車が発車するところだった。
急いで切符を買って乗り込む。
待っていてくれたのは,名車・元京王帝都電鉄5000系。
京王線で走っていたころはアイボリーホワイトの車体に細めのえんじ色の帯を巻いた塗装だったのが,現在は,クリームホワイトの車体に細めの青色の帯を巻いた一畑カラーの塗装になっている。
それでも,どこか,かつての京王カラーを思い出させるようで,嬉しい。

出雲大社前から乗ったのは松江しんじ湖温泉行きの電車だったので,途中の川跡駅で,電鉄出雲市行きの電車に乗り換える。
この川跡駅は一畑電車の乗り換えターミナルみたいな駅で,松江しんじ湖温泉行き・電鉄出雲市行き・出雲大社前行きの3つの列車が同時に停車してそれぞれの乗換の便を図っている。
うまく考えられたダイヤだと思った。


☆ スーパーまつかぜ10号(08月23日(土))
 出雲市1401−1451米子

昨日も特急スーパーまつかぜには乗っており,自由席が満席になるなんてことはないだろうと思いつつも,一応念のために確実に座席を確保しておこうと思って指定席特急券を購入。
2両編成の特急列車で,1号車が指定席で2号車が自由席,グリーン車はなし。
その1号車の5番D席を確保した。

列車は定刻どおり13時57分頃に入線してきたので,早速に乗り込んでPCのふたを開けた。
指定席車の座席は,2割程度が埋まっている感じだろうか。

私の真後ろの席にも先客がいて,その乗客,何だか知らないがいきなり携帯電話で通話を始めやがった。
よく分からないけど,病床数がどうとか話している。
お医者さんなのか,それとも病院の事務方なのか。
いずれにしても,社会常識をわきまえられないような立場の人ではないはず。
車掌が「携帯電話での会話はデッキで」と,しつこいほど案内放送をしているのだから,そういう常識はずれなことはやめて欲しいと思った。


☆ 境線(08月23日(土))
 米子1526−1556米子空港

先ほど出雲市駅で買った乗車券は途中下車できない切符だったので,特急スーパーまつかぜを降りた後はそのまま米子駅0番ホームに行き,境線の列車を待つ。
そのうち入ってきた列車は,鬼太郎列車と猫娘列車がつながった2両編成のディーゼルカー。
というのも,鳥取県の米子〜境港のあたりは漫画家・水木しげると漫画「ゲゲゲの鬼太郎」とをキーワードにした街おこしを進めており,境線の各車両はゲゲゲの鬼太郎の主要登場人物(登場妖怪?)のイラストが描かれたイラスト車両になっているのだ。
さらに,境線の駅はそれぞれ妖怪が愛称になっており,米子駅は「ねずみ男駅」でもある。

列車はワンマン運転で,車内放送の次駅紹介は鬼太郎と猫娘の声で行われている。
鬼太郎が正式駅名を紹介し,猫娘が妖怪駅名を紹介してくれる。
米子駅の次は博労町駅で,妖怪駅名はコロポックル駅。
コロポックル(コロボックル)というと,佐藤さとるの児童文学「だれも知らない小さな国」をはじめとする「小さな国」シリーズを思い出すけど,水木しげる漫画にもコロポックルが登場するのだろうか。
※ 近年,有川浩(「図書館戦争」シリーズや「県庁おもてなし課」の作者)によって,「小さな国」の新シリーズ発表が開始されたらしい。私は有川浩の作品をについて良い印象を持っていないので,「そういう余計なことはやめてくれないかな」というのが率直な感想である。まあ,私が読まなければ良いだけのことなのだが。

そのうち,車窓に旅客機が見えてきたと思ったら,米子空港駅に到着。
ちなみに,米子空港駅の妖怪駅名はべとべとさん駅である。
そういえば,ずいぶん前の深夜アニメで「ペとペとさん」っていうのがあったなぁ。

なお,出雲市駅前から米子空港へは直行の空港連絡バスがあるのだから,私のように特急スーパーまつかぜ〜境線というようなまどろっこしい交通手段を使う人はほとんどいないだろう。
しかし私は,敢えて,境線に乗りたかったのだ。


☆ 米子鬼太郎空港(08月23日(土))

べとべとさん駅から空港ターミナルビルまでは,徒歩5分程度。

米子空港というのは通称で,正式には航空自衛隊美保基地と滑走路を供用する美保飛行場であり,愛称が米子鬼太郎空港。
ここでも,ゲゲゲの鬼太郎である。

この空港のターミナルビルは,出発階(2階)に売店が3つと飲食店が3つしかない,こぢんまりとしたビル。
お昼に何も食べていなかったので,取り敢えず,飲食店のうちのひとつ「炉端かば・米子空港店」に入り,「大山ハーブ鶏のチキンカツ定食」と「大山Gビール(生)ヴァイツェン」をいただいた。

よくある地ビールのヴァイツェンは,フルーツ臭が強すぎてくどい感じがすることが多い。
よって,最近の私は地ビールのヴァイツェンをあまりいただかないことにしている。
ただ,この食堂ではほかの地ビールは置いていないみたいなので,注文してみた。
・・・さすがは,地ビール好きの間では定評のある大山Gビール。
このヴァイツェン,苦みを感じさせない程度のフルーティさで,甘すぎないし,くどくない。
美味い。

今回のお出かけの初日には,下田にて地ビール「静岡麦酒」をいただいた。
そして,お出かけの最終日に,米子にて地ビール「大山Gビール・ヴァイツェン」をいただいた。
今回のお出かけで,ここまででいただいたアルコール類は,実は,この2杯だけだったりする。
旅の始まりと終わりに,美味いビールをいただく。
なんという幸せだろう(^^)。

※ただし。
この店のメニューに「大山Gビール(生)」とあったのは,いただけない。
おそらく,いわゆる「樽」からジョッキに注いで出すから「生ビール」と表記しているのだろう。
「生ビール」を「Draft Beer」と同義と解するなら,それでも問題はない。
しかし,我が国で一般に「生ビール」とは,加熱殺菌処理をせず濾過処理によって酵母を取り除いたビールを意味している。
そして,我が国に,酵母を濾過処理で取り除いている地ビールメーカーがあるとは思えない。
(ひょっとすると,大山Gビールは,樽ビールについては酵母除去をしていないのだろうか。)

米子空港のこの小さなターミナルビルだと,有料ラウンジはないかもしれないと思ったけれど,そんなことはなかった。
「ラウンジ大山」受付カウンターにて,20時40分発の東京行き全日空便を予約している旨を告げ,所持しているゴールドカード(国家公務員なら誰でも取得できるやつ)を見せて,ラウンジに入る。
その後はPCスペースに陣取って,セルフサービスのコーヒーをいただきながらひたすらキーボードを叩いて過ごした。


☆ 全日空390便(08月23日(土))
 米子2040−2200東京(羽田)

出発時刻の1時間前になって保安検査が始まったので,ゲートをくぐって搭乗待合室に入った。
さらに待合室でぼーっとしながら待つこと約40分,搭乗ゲートが開いたので機内に乗り込む。
今回は奮発してプレミアムシートを確保してしまった(^^)。
よって,普通座席の人たちよりも先に搭乗できたはずなのだけれど,ついうっかりして優先搭乗し損ねてしまったので,普通座席の人たちと一緒に乗り込んだ。

私の座席は1K。
右の窓側,いちばん前の席。
私が乗り込んだ頃には,頭上のハットラックは他の客の荷物で埋まっていた。
それで,スチュワーデスさん(敢えてFAとかCAとか言わない(^^;)が,ハットラックの空いているスペースに荷物を押し込んでくれた。

飛行機の車輪は20時39分に転がり始めた。
おや,定刻より少し早めに出発できたわけね。
この飛行機は満席だと聞いていたけど,B-737クラスの大きさであれば満席でも定時出発が可能なわけか。

持参のノイズキャンセリングイヤホンをつないで,機内オーディオサービスを聞く。
いつものように,「全日空寄席」。
実は,今月上旬にも全日空を利用したので,今月の全日空寄席のプログラムである立川志の輔「徂徠豆腐」は既に聴いている。
でも,あの高座は出来が良かった。
出来の良い落語は,何回聴いても出来が良い。
そんなわけで,今日も志の輔師匠の落語を聞きながら機内の時間を過ごした。
※ ただし,おまけで,番組の司会である講談師神田紅の講談口上がくっついていたが,あれは要らない。

プレミアムシートでは,機内食のサービスがある。
その上,お酒がタダ。
先ほど大山Gビールをいただいたにもかかわらず,食後にヱビスビールをいただいてしまった(^^ゞ。

飛行機が羽田に着陸して,到着ロビーに出た頃には時刻は22時13分。
あと30分ほど待てば,我が魔窟の地元まで直接帰れる連絡バスがあるから,それに乗ることにしよう。

というわけで,今年の夏休み旅行は,おしまい。
明後日から,仕事だ。
あーあ,お休みが終わっちゃった。

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