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2014年08月09日12:49

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ボクたちの交換日記

中学生の時、友だちと三人で交換日記をしていました。
毎日会って話して遊んでいたけど、それでも足りないので交換日記していました。
夏休みでもそうとうなペースで交換していました。
私たちの交換日記の名前は「3LDKノート」でした。
将来おとなになったら絶対3人で3LDKの部屋を借りていっしょに暮らそうという夢からでした。
あの頃は例えようもなく楽しくてアホでした。
ずっといっしょにいたかった。
もう10年以上も昔の話です。

そんな私がこの映画の予告を劇場で見た日には心マグニチュード5で揺さぶられたところに主題歌のファンモンの「さよならじゃない」も伴ってすでに予告で半泣きでしたけど、うっかりしていたら公開が終わっていてようやくこのたびDVDにて鑑賞です。

以下あらすじ。


結成から12年、一度も鳴かず飛ばずのまますっかり行き詰まったお笑いコンビ房総スイマーズの伊藤淳志と小出恵介。
「このままじゃ俺たちは本当に駄目になる!」と気づいた小出は今ではネタの時ぐらいしか話さなくなってしまった相方の伊藤淳志に交換日記を強要する。
「交換日記をやるようなお笑いコンビはあかんと思う」
「つかメールでええやないか!」
とツッコミを入れつつも律儀に日記を返す伊藤淳志。
交換日記を繰り返すうちに二人は再び親密に心を通わすようになり、お笑いコンテストのビッグタイトル『笑軍』制覇を目指す。


お笑いコンビという関係性って、得も知れぬ感じがあって昔から惹かれるところがあります。
「縁」以外のなにものでもない結びつきの強さというか。
そんじょそこらの夫婦も真っ青な絆と運命を感じさせるというか。
ダウンタウンやチュートリアルやくりぃむしちゅーなんか、見ていてすごくいいなぁと思います。
たとえばチュートリアルの徳井ははじめ別の人とコンビを組んでいたけど解消し、その後に朋友福田とコンビを組み直した理由に「自分といちばん笑いの感性が合っていた」というのがあって、それってすごくよく分かる気持ちだなと。
例えば徳井がネタを思いつく、ネタノートに書く。それをちょっとどきどきしながら福田に見せる。福田が爆笑する。
「これイイ!めっちゃおもろい!」「やんなぁ!?」みたいな。
そういう、自分のネタに100%受けてくれる相方というのがどんなに大事で得難いものか。
そういう相方がいたからこそあの大傑作『チリンチリン』や『冷蔵庫』が生まれたのだと、想像に難くないわけです。

わたしは大阪の生まれだからかやっぱり「笑い」をすごく尊んでしまうんですよね。
それがいちばん大事やろ、くらいの。
だからほんとうに、自分の書いた文章なんかに笑ってもらえると有頂天になるほどうれしくて、わたしのいちばんの親友という人は、中学生の頃わたしが書いた小説を「大好きです」と言ってくれた人なんですね。
あの嬉しさとか喜びは何物にも代え難い。
ここなにわ女を落とすポイントですけど「可愛い」とかよりも「面白い」と褒められることの方が何よりも嬉しいことだったりする。

だから作中で田中(伊藤淳志)が、周囲にお前は才能があるから甲本(小出)を切れと言われても絶対に切らなかった気持ちがよく分かる。
切れるわけがないんですよ。
甲本は何者でもないろぼうの石ころだった田中を、初めて「才能あるよ」「面白いよ」って言って価値を持たせてくれたかけがえのない存在だから。
友情なんていう言葉で表せれないぐらい大事なひとだから。

甲本はそれをよく分かっていたし、一方で分かってなかったんじゃないかと思う。

と、見ていてこみ上げてくるものが色々とある切なさ満点の爽やかな青春映画でした。

ほんと伊藤淳志と小出恵介の距離感が超良かったし、特に小出恵介が目真っ赤にして涙ぼたぼた落とすあのシーンはすごかったですね。

田中を幸せにしたい。二人で成功したい。
でもそれは両立しない。自分の情けなさ、みじめさ。
色んな葛藤と感情がつまったあの悔し泣きは胸に来るものがありました。

ラストシーンに流れるファンモンといい、長澤まさみのものすごい可愛さといい、監督の内村光良さんはメガホン取るのがこれが2回目とは思えないくらいの「分かってる」感があって、安定感がパなかったです。
ウッチャンってすごいなぁ。。。


補足

・長澤まさみが出演している作品を見たことがなかったので、はじめて演技しているところを見てなんて可愛いのかと感動しました。これは嫁にしたい。こんなハイレベルな女がなんで売れないお笑い芸人に入れ込んでんだよ!んなわきゃねーよ!と思うも、案外そういうもんかもな、、と妙な説得力も感じたのであった。


・この映画で唯一最大の瑕疵が、17年後の甲本の娘が田中に言ったあのせりふであったと思う。
それ言うたらあかんて!
ほんまなんで邦画ってこういうせりふ言わせるかなぁ、、とあそこでテンションだだ下がり。
「月がきれいですね(I Love You)」の妙の精神を邦画の製作者はもっと持ってくれや!
分かりやすけりゃええってもんとちゃうで!

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