mixiユーザー(id:2230648)

2014年06月29日20:07

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めんどうなふくをきるお話。

中島みゆきさんの「断崖─親愛なる者へ─」といううたが好きだ。
(このうたの歌詞をお知りになりたい方は,こちらをご覧ください→http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba090.shtml

しかし,いつしか自分が「春の服」を着込んでいることをあたりまえのことのように感じていて,それは実は,着るべき本物の服ではないことを感じられなくなっていた。
すなわち,風が北向きであることに気づかず,心の中で朝も夜中も吹き荒れていたはずの吹雪についてもそれが吹雪であると認識しなくなった。
いや,心の中に吹雪が吹き荒れるようなまともな感受性を,そもそも私は持ち合わせていなかったのかも知れない。
そんな自分であること,そんな自分になってしまったことに気づいたのは,わりと最近のこと。

自分が敢えて「春の服」を着込んでいると意識できるのは,本当はそれが着るべき服ではないことを意識しているから。
しかし私は,あと数年で50歳になるというのに,自分が春夏秋冬のどの季節の服を着込んでいるのかも分からない。
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ヲタク向け深夜アニメでは,最近,「友達いない」系の作品が増えたような気がする。
私が絶賛する「俺ガイル(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)」は別格として,
クラスメイトに裏切られた経験から他人を信じられなくなり学校では一切喋らず一人でいることが普通になっていた女の子(「好きっていいなよ。」)
白人である母親から受け継いだ金髪について髪を染め損なったヤンキーと誤解され続けているうえに「笑った顔が怖い」「(電話口での)声が怖い」とか言われて友達がいない男子高校生(「僕は友達が少ない」)
男子が苦手だったので大人しくしていたら却って奥ゆかしく見えたようで男子にもてるようになってそのために女子からハブられてしまって友達のいない女の子(「アオハライド」)
コミュニケーション能力の低さゆえ周囲の雰囲気を読めず奇行を繰り返していたことから友達がいなかった奴(「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」)
ほか,諸々。

ほとんど全て,「そんなことで,友達が全然いない,なんてことになるのかねぇ」と思うのだけど,たぶんそれらは,主人公に友達がいないという設定にするための言い訳なのだろう。
だから,どこか嘘くさいし,うさんくさい。
※ 唯一,私がうさんくささを感じなかったのが「俺ガイル」だったのであり,それ故に続刊を心待ちにしている。アニメ第2期,いつ放映されるんだろ(^^)。
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せっかく,主人公に「友達がいない」という設定を用意したのだから,そこから
「心の中に吹雪が吹き荒れていても周囲にあわせて春の服を着る自分」
または
「あえて春の服を着ない自分」
について描いてくれたら,それこそ「友達がいない」ということの意味を考えさせられる作品になるはずなのに。
それなのに,ほとんどの作品が安易に「友達万歳」「仲間万歳」に流されてしまう。
まあ,その程度の薄っぺらい作品だと思っておけば良いのだろうけど,しかしやっぱり,残念ではある。

世の中,決して,友達がいれば良い,仲間がいれば良い,というものではないだろうに。

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