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2014年02月15日18:07

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ラファエル前派展

『森アーツセンターギャラリー』で開催中の『テート美術館の至宝 ラファエル前派展 ヴィクトリア朝絵画の夢』に行きました。
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私の苦手な美術館でのラファエル前派展(^_^;)。森ビルの美術館ね。ロッカー少ないは、ロッカー使うのに金取るは(美術館のロッカーは、たいてい100円が返って来ます)、しかも、今回新たに判明したコト。あの美術館入り口のロッカー、3時間こえると、+100円取られるぞ!ロッカー開かなくてビビったよ。もっと、分かりやすく説明の紙を貼ってくれよ!『3時間超えると+100円』って分かりやすく書いておけ!
てか、それなら、最初から、ロッカー200円で良いよ・・・。何だよ、この美術館はよぉ〜(-"-)。

で、今回のラファエル前派展。英国のテート美術館で行われたものを、アレンジした展覧会なのですが。う〜〜〜〜ん。どうなんだろう?いや、テートと違う部分があるのは良いんだケド・・・。(てか、テートでやったやつの図録は見たんだが、それも、イマイチぴんと来なかったんだケド・・・。) いや、綺麗でしたよ、綺麗だったんだケド、やっぱりちょっと燃焼不足。ウォーターハウスがないとか、そんな部分が不満だったのかなぁ。私、ロセッティが苦手で(ラファエル前派では、ぶっちぎりでメジャーなのにね(^_^;))、そのロセッティの絵が多目だったからかなぁ。

個人的には、十数年前に損保ジャパンでやった『ラファエル前派展』の内容が1番好きなんだよなぁ、今のところ。何で私ゃ、あの時、図録を買わなかったんだろう?買えば良かったと、未だに大後悔してるし、当時の図録も探してる。でも、なかなかラファエル前派の図録ってないんだ。メジャー画家の美術展と違って「一応買っとくか」ではなくて、本気で好きで買ってる人が大半なので、皆売らないんだ。なので、市場に出てもお値段お高目。

あと、シメオン・ソロモンは、本国英国のテートでは、有名な『バッカス』が展示されていたんですが、それは、日本には貸してくれないんですね(^_^;)。いや、いいんだけど。「見たけりゃ、英国来いや!」ってコトなんでしょうけれど・・・。でも、その辺りは、ガッカリはした。でも、仕方ない。もう、行くよ、英国。行きゃいいんでしょ?

ただ、『ラファエル前派』初心者が見るには良い展示だと思いました・・・。と急に書くと、あからさまなフォローみたいであれなんですが、これは、そう思った。展示の仕方も、歴史、宗教、風景、近代生活、誌的な絵画、美、象徴主義とテーマ分けされていて、ラファエル前派初心者には、分かりやすかったと思う。
ラファエル前派ってね。当時・・19世紀末の英国がどんな国だったかの知識がないと、ちょっと分かりずらい部分のある絵だったりもするんですよ。単純に「綺麗〜」って見ても別に良いんだケド、知ってた方が分かりやすい。なので、この分け方は分かりやすかったんじゃないかと。有名なミレイのオフェーリアも来ていたしね。

ラファエル前派ってのは、19世紀末に英国で起こった美術運動です。
ミレイ、ロセッティ、ハントが、1848年にラファエル前派兄弟団ってのを設立したらしいんだが。
絵画として完璧なラファエロ以前の素朴な絵画に戻ってみましょうよ。そんな運動なんだケド。
で、結果、唯美主義に繋がったり、モリスのアーツ&クラフツ運動が生まれたりするんだ。でも、活動期間は5年間だったらしいんだケドね。

では、気に入った絵をざっくり紹介。
まずは歴史。ラファエル前派は、アーサー王やシェイクスピアを題材にした絵画が多いのだ。

ヘンリー・ウォリス 『チャタートン』。
赤毛の男がベッドに横たわっている。顔色は青ざめ、死んでいるのが分かる。左端には、新聞や書類が入っている箱。紙も散乱している。靴下も床に落ちており、脱げた靴や薬瓶らしきものが床に転がっている。後ろの窓は空いて外が見えている。
この絵は、17歳の詩人チャタートンの絵。1770年に薬物事故で亡くなったそうな。死の匂いが充満する絵は、私の好む絵でもある。

ウィリアム・ホフマン・ハント 『クローディオとイザベラ』。シェイクスピアの『尺には尺を』の青年貴族クローディオとその妹イザベラの絵。兄の死刑を撤回する代わりに、「純潔を捧げよ」(まぁ「やらせろ」って意味な)と迫られたイザベラ。でも、イザベラは修道女なので、その申し出を断った。イザベラは、兄クローディオに「運命を受け入れるように」と宥める。そのシーン。クローディオの左足には鎖が繋がっている。イザベラは、兄の心臓部分に手を置き「こらえて頂戴。」とでも言っているよう。兄は不安顔だ。
私、ハントの絵は大好きってワケではないのだが、この何て言うんだろう・・・ベタって感じの絵が、凄く不思議に見えて、ずっと見ちゃうんだよな。

あと。この美術展、額にも注目して下さい。額がオシャレで「英国っぽ〜い」って思う(笑)。あの英国独特のオシャレ感ってありますよね?まさにあれ。

フィリップ・ハーモジニーズ・コールデロン 『破られた誓い』。コールデロンは、この絵で名声を勝ち取ったらしい。
外壁にもたれかかる若い女性。何かを諦めた顔。木戸から人物がチラっと見える。男性が女性に花を渡しているようだ。壁にもたれかかる女性の足下にはネックレスが。タイトルから察するに、彼女は、男性に裏切られたのだろう。結婚の約束をして、それを裏切られたのか。
私は、花を渡してる男が裏切った奴かと思ったら、そうではないらしく、そのシーンは、幸・不幸を対比させる為に描かれたらしい。

ジョン・エヴァレト・ミレイ『マリアナ』と『オフィーリア』。私の日記を遡ると、ミレイ展のレポが出て来るので、そっちを読んで・・・じゃダメ(^_^;)。
『マリアナ』は、前述した『尺には尺を』で引用したテニスンの詩より。持参金がつきて、婚約者に見捨てられ悲嘆にくれるマリアナ。彼女は、刺繍の途中で、背伸びをしているのだが、顔は憂い顔。足下には、ネズミもいる。マリアナの青い服が目に鮮やか。そして、ステンドグラスの描き方と、金唐紙(と言うのか?革紙って言ったかな?)の描き方の上手いこと、上手いこと。ミレイは、11歳でロイヤルアカデミーに入学した天才画家なのねん。最初から、絵は上手かったみたい。
『オフェーリア』は、ラファエル前派は知らなくとも、この絵は知ってる人多し。何故なら、夏目漱石が好きな絵だから。世界一美しい土左衛門(どざえもん)。
ハムレットに振られた彼女は、気が狂い入水自殺をする。花冠を持って。まわりに咲く花は、何の花が描かれたか全て分かるくらい、緻密に正確に描かれている。

見に来たお客さんが「小さい!」と言っていたが、私も初めて見た時そう思った。割と小さな絵なんですよね。そして、「この人の名前、ミレーってのばすんじゃないの?」と言っていたお客さんもいた。うん。それは、バルビゾン派のミレーだね!良く間違われる(笑)。

次の画題は宗教。19世紀前半。英国国教会の中から教会の権威や儀式を重んじるオックスフォード運動ってのが起こった。で、それで、キリスト教信仰の実際の有り方への関心が高まった。中世キリスト教絵画の図像や形式を復活させるも、ラファエル前派は、人物は写実なんだな。そして、宗教的な意味や登場人物の心理への読み解き重視になるのも、中世のキリスト教絵画とは違う点。心理が重要は、いかにも近代っぽいよね。日本の近代文学もそうだもんな。太宰にしろ、漱石にしろね。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 『見よ。我は主のはしためなり(受胎告知)』。この絵、写真で見た時から「変な絵!」って思ってた。実物を見ても、やっぱり変。
望遠レンズで撮影したような、部屋。ギュって中心に詰まってるような感じ・・と言えば良いのか。受胎告知なので、ガブリエルがいる。右手には白百合を持ち、左手を挙げている。でも、ベッドにいるマリアは、茫然自失状態。死んだような目をしている。しかも、マリアは寝間着姿だ。青い仕切りカーテンのある白い部屋は、何か「病室みたい・・・」って思うし。
突然の訪問者に、恐怖で固まったマリア。そんなところなのかな?と。決してマリアを神々しく描かない辺りが近代。そりゃイキナリ天使が来て「あんた、神の子身ごもりました。」って言われたら、マリアからしたら「冗談じゃねえよ。」と思うし、怖かろうよな。

フォード・マドックス・ブラウン 『ペテロの足を洗うキリスト』。私の今回のお気に入り。暫くこの絵を眺めてた。テーブルがある部屋。そこには十二使徒がいるのだが。右に椅子に座るペテロ。左にペテロの前に跪き、ペテロの足を洗うキリスト。突然のキリストの行動に、ペテロは戸惑っている様子だ。左端には、赤毛のユダ。ユダは「次は自分の番!」とばかりに、サンダルの紐を解こうとしている。最初は、キリストは全裸で描かれたらしいのだが「不謹慎」と非難され、キリストにはアラブ風の服を着せたんだそうな。
別に、全裸で良かったような気もするが、そこは、規範重視の表向きは潔癖のヴィクトリア時代である。
しかし、ユダよ。オマエ、「次、俺の番〜指でOK」って感じが、こすっからいって言うか、何ていうか。キリスト金で売っちゃったくせにね!(^_^;) それとも、嫉妬か?オマエ、ホントは、キリストのこと好きか?だから、お知らせがチューなのか?と、そんなコトも思えて、BLで読み解いても、この絵は楽しいと思うよ。

次は風景。ラファエル前派の風景は、戸外で入念に観察し、自然界を緻密に写し取った絵だそうな。近くと遠くを一つのまとまりとして、すべての要素を均等に分かりやすく描くのが特徴らしい。

チャールズ・オールストン・コリンズ 『5月、リージェンツ・パークにて』。ホームズ好きとしては、知ってる地名や場所が沢山出て来て楽しいね(笑)。
写真の如く細密な絵。池に木が写り込んでいる描写も凄い。木々の細かさ。あれは、百日紅の花だろうか?道を歩くのは山高帽の男性と、おそらくその子供であろう。

ジョン・ブレッド 『ローゼンラウイ氷河』。ホームズにも出て来るぞの、ローゼンラウイ。こんな場所なのか。氷の白と岩の茶色。
ウィリアム・ディヴィスの『ある日の猟果、ビドストン・ヒル』。どうってことない絵なんだけど。手前に描かれたウサギ(よね?)が妙にデカイんだ。下手なのか、わざとこうしたのか・・・。

次は近代生活がテーマ。1848年に、社会改革を求める労働者階級によるチャーティスト運動が最後の盛り上がりを見せた。ラファエル前派もこれに影響されて社会派の絵がある。
ここで、知っといてね!コーナー。英国は、バリバリの階級社会です。出身階級で、ほぼ、その人の人生が決まると言っても良い。貴族(セレブリティ)や紳士階級(ジェントリー)は、優遇されるから、ワーキングクラス(労働者階級)からは不満も多い。でも、割合としては、当時の7割は、ワーキングクラスなんですよ。(今もそんな変わらないと思う。ミドルアッパー(中産階級)が少し増えたくらいか?)

ロバート・ブレスウェイト・マーティノウ 『我が家で過ごす最後の日』。貴族のお屋敷らしい。豪華な部屋。右端に父と息子。ワイングラスを持ち能天気な表情。対して右には椅子に座る母と娘。2人は心配気で、母は、能天気な夫と息子を見ている。床に落ちているのは、競売目録。暖炉の火は消えかかり、美術品には、差し押さえの紙が貼ってある。良く見ると、ドアの隙間から壁から美術品を外している男も見える。ようは、この貴族は破産してしまったのだろう。
当時は、こういう貴族が続出したそうです。貴族の娘は、好きでもない金持ちのブルジョワジーの息子と無理矢理結婚させられたりね。母と娘の前にいるのは、競売屋なんだろうね。斜陽族だ・・・。

ジョン・ロッダム・スペンサー・スタンホープ 『過去の追想』。テムズ河が窓から見える。紫色のガウンを着た娼婦。左手はブラシの上に置かれ、右手で髪の毛を一房握っている。破れたカーテン。娼婦の顔は不安気だ。赤毛で描かれているので、マグダラのマリアを意識してるのでは?とのコトだった。私のお気に入りの絵。

次は詩的な絵画がテーマ。物語性も高い絵ですね。
エドワード・バーン=ジョーンズ 『クララ・フォン・ボルク』と、『シドニア・ファン・ボルク』。2対の絵らしい。元ネタはゴシック小説。魔女シドニアの策略の餌食となるクララ。クララの方は、凛とした表情で立っている。対するシドニアは、流し目をこちらに向け、官能美漂う妖艶さだ。シドニアのドレスは、黒い蛇がいく重にも絡んでいるようにも見え、不気味。良く見ると、クララの足下の絨毯にも、この模様が。シドニアは右手でネックレスを持っている。こういう絵。どうして、魔女の方が魅惑的に見えちゃうんでしょうね。って、それは私が耽美馬鹿だからですか?(^_^;)

シメオン・ソロモン 『ミティリニの庭園のサッフォーとエリンナ』。私の大好きなシメオン・ソロモン。詩人エリンナを抱きしめキスをする、天才詩人のサッフォー。胸元も露わなしどけないエリンナに対して、サッフォーは両性具有っぽい。ソロモンの描く女性は、両性具有っぽい人多いケドね。ローマ風の椅子に座り、子鹿が椅子の上に乗っている。子鹿の伝承がサッフォーにあるらしく、それで描かれているらしい。
サッフォーはレスビアンの語源になった人なので、同性愛っぽい絵なのだが。ソロモンの同性愛がテーマの絵は、やはり何処か悲しげに見える。
ソロモン本人も同性愛者。当時の英国は同性愛は犯罪だ。その罪を背負ったソロモンは、辛かったんじゃないか?と思う。
ソロモンは、人気もあった画家なのだが、公衆便所で男性に声をかけ、その同性愛の現場を警察におさえられ地位も名誉も失墜。画家仲間も救ってくれず、最終的には、救貧院で生涯を過ごした。それでも、絵の道具は売らなかったんだよ。この人、絵を描いてないと死んじゃう人だったのかな?って思う。詩人としても有名です。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 『サー・ガラハット、サーボース、サーシヴァルは聖杯から聖体を拝領する。しかしパーシルヴァの姉は道中で亡くなった』 タイトル長っ!そして、ほぼ説明!(笑) ガラハットと思しき男が聖杯を天使から貰っている。天使の後ろには精霊を表す鳩もいる。そんなガラハットの足下には、横たわる女性が。彼女がパーシルヴァの姉なのだろう。

ここで、ラファエル前派のむっちゃくちゃな女関係(笑)について。ミレイはラスキン(詩人)の妻エフィーと結婚。当時、大スキャンダルとなる。エフィーは離婚調停の際、「ラスキンとは、夫婦生活がありませんでした。」とセックスレスを告白したんだって。
モデルとデキたり、三角関係になったり、「これで、昼メロが出来るな」ってくらいスゲエぐっちゃぐちゃな人間関係になるのがラファエル前派の面白味なのだが(そうか?・(^_^;))。

モデルのミラーはハントに見いだされたモデルだが、ミラーを教育したハントとは結婚せず、トンプソン大尉と結婚。貴族階級の仲間入りをする。成りあがったね、ミラー!(笑)

モリスとモデルのジェインとロセッティは、奇妙な三角関係になってしまう。元はジェインはモリスの妻なのだが、ロセッティともデキちゃうんだ(^_^;)。どうせなら、ロセッティとモリスもデキちゃって、完全三角関係になったら面白いのに・・・って思ったのは、私が腐女子だからですか?そうですか。そうだったらすみません。

ラファエル前派の画家たちは、絵のイメージに合う個性的な女性を街で見つけ、彼女たちを「唖然とするほどの美女」=「スタナー(stunner)と呼んだ。美術ジャーナリストの山田五郎氏曰く「ラファエル前派の男性は良いなって思いますよ。綺麗な女性見つけてきて、勝手にファムファタル(運命の女)だとか言って持ち上げて好き勝手して。」と(^_^;)。

でも、女性も割としたたかに生きてるよな・・・とも思う。

次のテーマは、美。は〜い。ラファエル前派最大の「それ、良く分からんは。」なテーマに行くよ〜ん。このテーマは。明確な主義を持たず、純粋に美的な可能性を探る。即ち唯美主義のコーナー。明確なテーマを持たないコトがテーマなんだ。ね。意味分からないでしょ?(^_^;)
耽美主義とも結びつくんですが。「美しいコトが絶対!」って言う主義・・って言えば良いのかなぁ。美が絶対ってコトね。辞書で耽美を引くと、芸術至上主義って出て来るんだケド、これもぶっちゃけ、良く分からないでしょ?
テーマがなくて、ただ美しい絵・・・と思えばとりあえずは良いのかな。

シメオン・ソロモン 『婦人たちに話をして聞かせる若者』。本当に、表題通りの絵です。左側に椅子に座る男性。そのまわり・・・壁に凭れかかる女性。座る女性。その座ってる女性の膝の上に座る女性。身を乗り出して話をきく女性。
この絵のテーマはと言われても、おそらく何もありません。ソロモンは、ただ「美しい光景」が描きたかっただけなのです。これが、唯美主義ね。
どこかデカダンな雰囲気にあふれた絵。座る女性の膝の上に座ってる女性が、妙に官能的に見える。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 『最愛の人(花嫁)』。旧約聖書の『雅歌』が元ネタらしい。夫の前でベールを脱いだ女性。手前に花の入った黄金の花入れを持つ黒人の少年。後ろや横に女達。ベールの女性は、着物を着ていて、どこかオリエンタルチック。まぁ、旧約聖書の場所って、イスラエルだもんな。だからエスニックなのだろうけれど。女性がベールを脱ぐって、エロイですよね。

同じくロセッティ『ベアタ・ベアトリスク』。ダンテの『神曲』が元ネタ。左を向くべアトリーチェ。瞑想してるようにも見える。緑の服のベアトリーチェ。モデルは、シダルという女性なのだが(因みに、ミレイのオフェーリアのモデルも彼女)、彼女は阿片中毒で亡くなっており、絵の中で赤い鳥がケシの花を咥えているのはシダルが阿片中毒で亡くなったから・・・と言われているらしい。全体的にソフトフォーカスがかかっているようで、私、このロセッティの絵は好きなんだ。

同じくロセッティの 『プロセルピナ』。ローマ神話の女神プロセルピナ。彼女はザクロを食べて、地下と地上で交互に生きねばならなくなった。左を向く女性。手にはザクロの実が握られている。どこか遠くを見つめているように見えるプロセルピナ。モデルはジェイン(モリスの妻)。囚われの女神に彼女の境遇を重ね合わせたんじゃないか・・とのコト。自分がデキておいて、勝手だな、ロセッティって思っちゃうよね(^_^;)。

同じくロセッティ 『聖なる百合』。うつろな目の女性。右手に持っているのは百合・・・なのか?私の目には、アイリスに見えるんだが・・・。でも、タイトルが百合なんだよなぁ。金地のバックに星の冠。マリア様のイメージかも知れないが、だとすると、随分エロいマリア様である。私のお気に入りロセッティ。

最後は象徴主義。バーン=ジョーンズは象徴主義に影響を与えたらしい。とにかく何某かを「象徴」してる絵が象徴主義。フランスだったらモローとか、ベルギーなら、クノップフとかが有名ね。

エドワード・バーン=ジョーンズ 『「愛」に導かれる巡礼』。『薔薇物語』の一場面「愛」が元ネタ。愛を司る神に矢を射られた詩人は、特定の薔薇と恋に落ち、その薔薇を求め、茨の茂みを愛に導かれ進む。そんな場面。制作に20年かかったそうです。確かにデカイ絵だったけど、ちょこちょこ手直ししてたんだろうね。
左手に槍を持った愛の神が右に描かれている。その神は詩人の手を握り「こっち」と引っ張っているようだ。詩人は、今まさに茨の中から現れたところらしい。後ろの風景は湖畔なのかな?鳥も沢山描かれている。

お土産はポストカードを7枚。ラファエル前派なので、図録を買おうか迷ったが、図録を買うまでには至らなかったんだよなぁ。ひょっとしたら、今、三菱一号館でやってる『唯美主義』の方が私好みかも。私は11月にラファエル前派展と、唯美主義展がセットになった『夢の英国周遊券』って言うのを買ったので、唯美主義展も見に行く予定です。
まぁ、結果、「耽美馬鹿」ってことよね(^_^;)。

4月6日までやっています。
綺麗な絵が好きな方。英国が好きな方。耽美馬鹿は行くと楽しいんじゃないかな?と思います。

ラファエル前派展のHP
http://prb2014.jp/
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