当初は弘前の街並みをそぞろ歩いたり紀伊國屋書店弘前店を覗いたりしようかと漠然と考えていたのですが、青森でのイベントが追加されて時間の余裕がそんなになくなったことと、生憎の雨模様でしたので、あまり歩き回らずにほどなく弘前駅から再び青森に向かいました。
弘前駅と一体となった駅ビルの商業施設内のコンビニで車中の昼食用の食料を調達したのですが、函館のコンビニではあまり見かけなくなったかにぱんがあったので買い込んだ記憶があります。
平沼さんとじょんさんも、どうやら特急つがるの同じ便に乗っていたようで、後になって平沼さんのツィッターで車中でのお弁当のお写真を拝見しました。青森駅での降車後、改札に向かうずっと前の方に一瞬見えたような気がするお二人連れが平沼さんとじょんさんだったのかもしれません。
小雨模様の空の下、青森駅前から予め調べてあった市営バスに乗り込み、けっこうな距離を乗車しました。途中の車窓からは、おそらく北海道にはないと思われるデイリーヤマザキを見かけたりしました。東京に転勤になった時に千葉駅近くで過ごした第一夜に入りましたし、翌日入居したその後の住まいの近くにもありました。あの頃以来。そう、150キロくらいしか離れておらずともここは本州なのです。そういえば青森駅前にはファミリーマートもありました。こちらは北海道に全くないわけではなく、函館にも今月出店がありましたが。
予め調べてあったとおり、ドリームタウンALiは幹線道路を挟んでイトーヨーカドーの向かいにあり、ヨーカドー前というバス停で降りればよいのでした。
大きな商業施設が向かい合わせているとはいえ、書店やCDショップといった私が時間を過ごしたいたぐいのテナントはヨーカドー内のくまざわ書店くらいであったように思います。
ドリームタウンALiの方には、ドンキホーテ、ABCマート、ユニクロなどのテナントが入っていました。２階の会場を確認した後は、ドンキホーテなどを見て回りました。
わざわざ青森まで来て買わなくてもよさそうなものですが、薬用石けんキレイキレイの詰替がとても安くてレジを通って1個か2個買った記憶があります。
ボウリング等のアミューズメント系の施設の入った棟も隣接しているようでしたが，足は踏み入れませんでした。
東京堂青森店とは言っても、見た目はヤマハミュージックスクールです。経緯はよくわかりませんが、YAMAHAミュージック東北が青森から姿を消した後、特約店として店舗業務を引き継いだ歴史があるようです。
新しくきれいでしたし、店舗とは別に防音のスタジオがいくつもあり、優れた設備であるように感じられました。音楽教室だけではなく英語教室なども開かれているようです。
開演時間が近づいてから再び訪れた時には既に何人かのお客があったので、私も端の方ではありましたが前の方に着席しました。終演後だったかもしれませんが，じょんさんは私の姿を見て「帰り道」とおっしゃったと思います。
徐々に人が増えてきて、開演時にはかなりの盛況となりました。そうしたお客の中に、約1か月前にRINKAのライブでお目にかかったAtomのマスターがおられるのに気が付きました。さすがこうした音楽に関心のある方は情報をキャッチしていらっしゃるのだなあと思いました。
曲目等の進行は弘前とほぼ同じだったと思いますが、ケルト風の曲の時に、そうした音楽が好きなのだというお話のなかで、平沼さんが、青森にアイリッシュパブがあると聞いたので、機会があれば行ってみたいんですけれど、アトムというそうですが御存知の方はありますかなどと、弘前での私の話を拾ってくださった発言をされました。
斜め後方のマスターの方を見やったのですが、マスターは俯き加減にじっとしています。ちょっと間が空いてしまったところに、周りの人が「マスター」とお声かけし、平沼さんにもマスターがいらしていることがわかったと思うのですが、微妙な空気が流れてしまいました。Atomもアイリッシュパブだと思って行くとびっくりされるかもしれませんし。
しかし、終演後のマスターは平沼さんやじょんさんとアイリッシュの話をするではなく、じょんさんに歩み寄って熱心にお尋ねになっていたのは、専らじょんさんがフィドルに取り付けていたマイク機材のお話でした（私はマスターと直接お話することはなかったのですが、もともとヴァイオリンをやっていらしたのがアイリッシュに目覚めて先日のRINKAのライブの際には操さんと共演されたといった説明をじょんさんにしたように思います。）。
じょんさんはマイクのメーカーなどを詳しく御説明されていました。マスターと親しいらしき傍らの男性客がそれをスマホで検索して調べてこれだなどとおっしゃっていました。
クリップ様の器具で取り付けておられたと思いますが、違った形の器具を使ってヴァイオリンに限らずいろいろな楽器に使うことができるといった御説明もされていました。
コネクターや電源の関係もお尋ねになっていた記憶で、じょんさんはバッテリーをベルトなどに取り付けて演奏するやり方もある旨を紹介されていましたが、会場の東京堂の男性からは、このマイクは48ボルト用だが、この会場ではアダプターを経由してコンセントから取っているといったお話がありました。
そうしたお話が終わると、マスターは礼をおっしゃってお帰りになっていましたが、じょんさんのことをどれくらい御存知だったのか、もっと演奏方面のお話などされなくてよかったのかしらなどと思ってしまいました。
弘前でサインをいただきましたので、青森ではサイン列には並ばず、その間またじょんさんがお話相手をしてくださったことでした。買い物もせずに長居してお店の方には申し訳なかったかもしれません。
覚えているお話の内容を順不動になりますが掲げてみます。
Atomの話からの流れでは、東京でもアイリッシュパブが減った上にライブをやるお店も減ってきているといったお話がありました。ライブをやめてサッカー中継を流すようになったりと。私からは今はどこの業界も景気が苦しいですからねと応じました。
O'jizoが少し前にライブをされた仙台のカフェモーツァルトについては、じょんさんが自分が行くわけでもないのに山形に行くのであれば仙台のカフェモーツァルトにもぜひにと熱心に勧めたところ本当に実現したというお話もありました。前日の仙台のイベントの後、憧れていたカフェモーツァルトを訪れたところ、カフェスペースには入れたけれども、ライブがあるのは広いアトリエスペースらしく、そちらは見ることができなかったなどとも。訪れている最中にツィートされたものか、じょんさんの前日のツィッターに「憧れのカフェモーツァルト」ともあったようです。
弘前でうかがったのだったかもしれませんが、函館にはお母様のお知り合いがおられたということだったか、三、四歳頃に一度だけ訪れたことがあるといったお話もあったと思います。スキーをされた記憶があるというので、道南にはスキーに適したところはあまりないのですが、横津岳のあたりかなあと申し上げた記憶もあります。
その話からの流れだったか、道南から青森は実は近いといった話からだったか、函館駅は駅舎が変わって面影がなくなってしまったが、青森駅のホームの端は閉鎖されてはいるが今でも桟橋になっているようだと乗降の際の見聞から申し上げた記憶もあります。齢がばれるが函館駅のホームから青函連絡船に乗ったことがあるとも。
これは6月の北海道ツアーのMCでもおっしゃっていたのですが、その頃アップされたばかりの動画を見たら、「鳥の一生」では女の子なのに腕がムキムキでショックだったというお話もありました。神戸のだったら昨日見ましたと応じました。二の腕あたりですかとお尋ねすると、このあたりと前腕部をお指しになりました。中村さんは、あれだけの激しい曲だったらしかたないよと慰めてくださったそうです。
激しい曲とは対照的な笹倉さんとのレコーディングの話もありました。その少し前に新しいアルバムのために再び笹倉さんのスタジオで合宿されたというのではなかったでしょうか。
昨年の感謝祭での共演の際に拝見した笹倉さんのお人柄から推して、ほのぼのした雰囲気ですかとお尋ねすると、楽しくてどのテイクを使ってもいい感じだったとのことでした。
いろいろな話を繰り出してくださるじょんさんに感慨を覚え、失礼だったかもしれませんが、変わりましたよねと申し上げてしまいました。 前はこうして話していてもちょっとおずおずした感じがあったのにと。もっとも最初はおそるおそるお声かけしていたのはこちらも同様で、面識を得させていただいてから長くなったせいもあるかもしれないけれどとも。
今でも人見知りではあるのだけれど、段階を踏んで変わってきたのをずっと見てくれているからとじょんさんはおっしゃってくださいました。昔は真ん中に立って何か話すなんてとてもとてもと思っていたというようにも。市川の男女共同参画センターで見たお姿などを念頭に、私からはその一生懸命な感じもよかったですけどと申し上げたのだったか思っただけだったか。
でも、弾く人も聴く人も幸せにするというJJFのキャッチフレーズにぴったりの今の快活なじょんさんの中には、今でもどこかにかつての内気な少女の姿が隠れているかもしれない気がします。
そうしたやり取りの中で、最近ソロでのライブを重ねられている藤野さんは偉いと思うといったお話や、同じヴァイオリニストということでか、壷井さんはどうしてるんだろう、旋律からMCまで何もかも自分でといったお話もありました。壷井さんはソロでもやってますものねと相づちを打ちました。
お店の方が平沼さんがお使いになっていたキーボードのD-deckを梱包する作業をされていました。じょんさんにお尋ねすると、弘前では現地のものを使ったのに対し、青森では使えるものがなくて予め送ってあったとのことでした。また平沼さんのところに送り返されるそうです。同じ機種だったけれども弘前のと青森のとは違ったんですねと申し上げました。
平沼さんのサイン会も終わり、お話をされてお帰りの時間をお決めになったようで、じょんさんが私にも教えてくれました。
あとは私も帰るだけなのでお見送りする旨を申し上げ、お店の前のロビーのベンチで待っていました。お二人は別室で帰り仕度などをされたようでした。
ほどなくお二人はエスカレーターで1階に降り、ALiの前に呼んであったタクシーに乗り込みました。お店の方が案内されていたので、ちょっと距離を置いたつかず離れずの妙な感じになりましたが、私もついていってお見送りしました。平沼さんとお店の方は私を謎の人物と思われたかもしれませんが、それでもタクシーが出たときにはありがとうございましたとおっしゃってくださったと思います。
平沼さんとじょんさんは青森駅に向かわれたのかと思ったのですが，考えてみるとまっすぐ新青森駅に行って直接新幹線にお乗りになった可能性もあるかもしれません。
お二人を見送ってから、私の方はまたバスで青森駅に向かいました。18時台の白鳥は出てしまっているから19時台ので帰ることになるなと思ってたどりついたところがさあ大変（続く）。
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