土曜日（12月10日）は大丸藤井セントラルで開催中の消しゴムはんこフェアで猫野ぺすかさんの消しゴムはんこを購入しました。筆が追いつけば書きたいのですが、この日（10月23日）ぺすかさんがJJFと瀬戸信行さんのライブ会場にいらしていた御縁で知った催しです。
日曜日（12月11日）はマリア手芸店３階北海道デザイン協議会のデザインフェスタであらさんの演奏。茶菓もいただきました。最近は時計台の辺りは南北に歩くばかりで、中通りに入ったのは久し振りでした。マリア手芸店は手芸用品類にとどまらず専門の洋書や工芸材料なども扱い、建物も展示品類もアンティークな独特の雰囲気を醸し出しているお店です。ギャラリーに生音がよく響いていました。カンテレとの出会いとなった北海道フィンランド協会事務局はかつて向かいの札幌時計台文化会館にあったそうです（荒巻義雄さんのオフィスは今でもあるのでしょうか。）。
大丸藤井はたまに行くとはいえ、マリア手芸店などはまず滅多に行かず、いずれも知らずに終わっていたかもしれない催しです。御縁を嬉しく思います。
さて、話は10月に戻り、半蔵門の宿で一夜明けたところからです。
普段泊まることの多い品川近辺をはじめ今回山手線の左下の方の宿は軒並みふさがっていました。考えてみると、今回は早朝の便で帰ってそのまま出勤するわけではないのだから、空港に近い必要はありません。それで店頭で次善の選択を迫られた際、本能的に知っている場所を選んでしまっていたようです。とはいうものの、自分が通っていた道を1本でも外れると全然わからないのですが。
往復だけで3時間近く潰れるのをもったいなく思い、在勤中は休日出勤は避けていましたから、半蔵門の辺りから永田町の辺りに向けて休日に歩くのは殆ど初めてでした。
山下書店は休日でも早朝から店を開けていること、つながっていたマックは別のお店に変わったこと（出勤前の勤め人客で朝からけっこう賑わっていたと思うのですが）、ポプラ（広島方面が本拠のコンビニ）もなくなってしまっていること、工事中だった平河町の森タワーが完成して見違えた景観になっていることなどがわかりました。
22日土曜日にO'jizoとハンドリオンが揃ったところでだいたい行く気は固まり、翌日については最初は日曜も何かあったらいいなという程度でした。
ザバダック25周年でベストアルバムが2種類出たのを受けて、新宿タワーレコードでインストアイベントが昼間にあることがわかってからは、これを観覧した後、夕方ゆっくり帰ればいいかとも。
更に、GTSなる芸大、台東区、墨田区共催の観光アートプロジェクトによって浅草のうるおい広場で開かれるMISTなる催しにJJFの皆さんが参加されるとわかってからも、出番は16時頃までらしいので、浅草からまっすぐ羽田に向かって帰ればよいかと所要時間を調べたりしていました。
最後に、MISTの後、夜にJJFの皆さんが大阪のクラリネット奏者瀬戸信行さんと渋谷で共演されることがわかり、幸い火曜日の現場仕事の準備も済んでいましたので、日曜も泊まって月曜に帰ることにしたのでした。
新宿タワーレコードの催しは13時から。そのうちに西口の住友ビル上層階にある平和祈念展示資料館で14時から1時間ほど豊田さんと梅田さん（梅田さん曰くのユニット名は「うめ〜ぞう」？）の演奏があることもわかりました。
両立は難しいかとも思いましたが、前月生梅CDを入手するに当たっては中原さんとの連絡など梅田さんにもお手間をおかけしただろうと思い、生梅ブログにコメントはさせていただいたものの、せっかくの機会なので、梅田さんのハープも聴いておきたいし、直接お礼もお伝えできたらということで途中からでも行ってみる気持ちになりました。
MISTは11時半頃から18時頃までまる1日やっているようでしたが、JJFの皆さんはオープニングと15時半頃が出番とのこと。うまくするとその間に新宿に行って帰って両方観ることができるのではないかなどと考えていました。
東京在勤中は1度も訪れずに終わった浅草は何年ぶりだったでしょうか。墨田区役所とアサヒアートスクエアの間のうるおい広場はちょっとしたお祭りのように装飾されていました。中村さんやじょんさんには大学の建築や美術の関係の御学友との嬉しい再会もあったようです。
しかし、トシさんや中村さんと顔を合わせて御挨拶したものの、オープニングにも何組かが御出演されるようで、JJFの皆さんの番になる前にリミットが来てしまい、後ろ髪を引かれましたが、その場を離れました。
銀座線から神田で中央線に乗り換えて新宿タワーレコードに向かうと、既にイベントスペースはかなりの人だかりでした。ザバダック方面のいつもの面々はあまりお見かけしなかった気がします。
吉良さんと公子さんのお二人で披露されたのは「双子の星」、「この空で会えるよう」、「遠い音楽」、「光の庭で」など。「この空で会えるよう」は、元は満州からの引き揚げの混乱で親と生き別れたり命を落とした子供たちを慰めるためのまんしゅう地蔵建立の一助として作られた曲ですから、奇しくもこの後の豊田さんと梅田さんの演奏の趣旨と通じるものがあったことになります。
「光の庭で」も同時期の曲ですが、初めて公子さんの生声で聴いた時の感銘を覚えています。吉良さんのお母様が存命の頃、入院中のお話でしょうか、公子さんに「もし私が亡くなったら木の葉っぱとかそういうひらひらしたものになってあなたたちを見守っているわね」とおっしゃっられたことに想を受けて詞作されたというエピソードを読んだことがあり、その後息子さんがお生まれになって、生命の流れといったものを感じつつ詞作されたとか。後の名曲「Wonderfil Life」にも通底する名曲と思います。
ミニライブ終了後は参加券を持っているとアルバムにサインをいただけました。吉良さんからは「あれ北海道から？」といった御反応をいただきました。聴き始めて幾星霜、覚えていただくに至ったようです。たまたま来ていた旨をお答えし、公子さんには「また御家族でおいでになることがあるといいんですが」とお伝えしました（念頭にあったのは2007年夏のような感じ）。公子さんは来年は行けるかもしれない旨答えてくださいました。苦労は表に出しはされないけれども、公子さんの御実家方面の被災をはじめ今年は御一家にいろいろなことがあったと思うのです。頭が下がります。
普段ですと御退場まで見守らせていただくのですが、豊田さんと梅田さんの演奏が始まる時間でしたので、サイン列を過ぎて会場を後にしました。
西口の方に出てからも住友ビルまではけっこう時間がかかります。高層階への高速エレベーターを出て平和祈念展示資料館に入るとやはりお二人の演奏は始まっていました。
豊田さんや梅田さんのいつもの客層とは少し違うのでしょうが、普段から資料館を訪れているらしき年配の方や御家族連れなどで盛況でした。私も入口に近い後方の席に案内していただきました。
豊田さんは前日のO'jizoから連日。催しの趣旨に従って「埴生の宿」や「朧月夜」など戦地や抑留の地で兵士らが口ずさんだであろう曲を演奏するのですが、時たまアイリッシュも違和感なく織り交ぜて観客を魅了するところに技量を感じます。
梅田さんは映像で拝見していた以上に柔和な雰囲気を感じさせる方でした。アイリッシュハープを力強く弾いているように見えるのに、音色はあくまで繊細だったり優しかったりするのです。来てよかったと思いました。
豊田さんが中心にお話されていたMCに、梅田さんが「話していいですか」と加わった場面がありました。
この平和祈念展示資料館での演奏は2度目だった由で、演奏のお話をいただくまでは資料館のことはあまり御存知ではなかったとのこと。ですが、梅田さんの御親族は、お祖父様お祖母様の世代は引き揚げで苦労され、歳の離れた伯父様でしたか、抑留された方もおられるとのこと。この場での機会を与えられて演奏することに特別な思いがあるとの御発言でした。
御親族の抑留の地を少し言い淀まれた際に、客席から「ウランバートル」と発言された方があり、梅田さんが「父です」と紹介されました。
私も父とは歳の離れた伯父が抑留中に亡くなっています。遺骨もなく、墓石には大東亜戦争で戦死とありますが、没年には戦争が終わり平和が戻ってからの筈の年月日が刻まれています。それがどのような意味なのかを理解できるようになったのは年齢を重ねてからでした。どのような最期だったのかも、何年も経ってから戦友だった方が訪ねてきて語ってくれてようやくわかったとか。梅田さんの言葉に私自身もそんなことを振り返っていました。
1時間ほどの演奏が終わり、機を見て梅田さんに御挨拶しようと思ったのですが、ハープの心得があるらしき上品な老婦人客が梅田さんにハープを弾かせてもらっていたりして、なかなか機会がありません。
そうこうするうち、「間に合わなかったー」などと言いつつ、2日連続まさかの中原さん登場。「2か月ぶりー」などと梅田さんとハグするカオス状態となり、ますます機会がありません。
豊田さんもお話に加わりつつ、昨日はあれからどうされたんですかなどと私にもお尋ねになるので、「私はハンドリオンに」となどとお答えしました。
傍らでは梅田さんのお父様が、若い女性職員の方に、父祖の経験から引き揚げ者の労苦は我がごとのように感じられると語っておられます。
私もその職員の方に、伯父の最期の地としてかすかに伝え聞く片仮名の言葉があるのだけれども、代表的な抑留地の名や収容所の名には見当たらないのだといった話をさせていただきました。そうした事柄に関する展示もあるので見ていってはという言葉をいただきました。
（もとが不確かな話ということもあり、その後展示を見てもやはりわかりませんでしたが、収容所の配置や抑留された人員を示す地図の中にはビロビジャンの名前もありました。ユダヤ民族ばかりでなく日本人兵士も苦労した土地だったようです。）
そんなカオスの中で、豊田さん、梅田さん、梅田さんのお父様、中原さん、東京時代からお見かけしていて豊田さんや中原さんもよく御存知のようだった著名ファンの方、そして私が、職員の方にどういうわけか記念撮影よろしく集合写真まで撮影されてしまいました。その写真、見てみたい気がしますが、機会があるとは思われず残念です。
カオスの末、豊田さんや梅田さんのお時間の限りが近づき、お礼をお伝えする間もなく、持参した生梅CDのジャックでいただいた中原さんのサインの傍らに梅田さんのサインもいただくのが精一杯となりました。謎の人物と思われたのではないでしょうか。後で再度フォローのコメントを書かせていただきましたが、いつか生梅の生演奏を聴かせていただく機会のあることを願っています。
豊田さんや梅田さんが退場された後、中原さんも展示を観ておられるようでした。その後豊田さんらはakeboshiライブ，中原さんはきゃめるやmiontasのライブに向かわれたのでしょうか。私も再び浅草に向かうべくそっと住友ビル48階を後にしました（続く？）。
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