さて、MCの話が先走ってしまいましたが、初めて首都圏住民と同じ条件で続けて聴けたハンドリオン。今までですと、半年ぶりとか長ければ1年ぶりということが多く、こんなに新曲が増えたのかとか、こんなアレンジになったのかという感慨になったのですが、今回は続けて聴くことによって見えたものもあったように思います。
1曲目からいきなり「飛翔」。これまではライブのクライマックスに配されることも多かった、宙を舞っているような心地になれる壮大な曲です。この曲から始めるに当たっては坂上さんのハープソロによる導入部が新たに設けられ、違和感を感じませんでした。
これまでも「燦々」でしたか、各自がソロで回すパートが増強されて味わいが深まった曲があったことを思い出しました。
おそらくは前回の8月に初めて聴いた「Cockoo's Rondo」（以下、耳で聞いただけで曲名の表記が不正確な場合があります。）。これは名古屋方面の関係者の幼い娘さんが大のお気に入りなのだそうですが、それも頷けるカッコーが輪になっているような牧歌的というか愛らしい曲です。本でいう読後感に相当するものを音楽では何といえばいいのでしょうか。その読後感的なものに何か覚えがあるなあと思ったのですが、昨秋札幌のちえりあでJPPの曲を聴いた時の感じだったかもしれないと後から思いました。ワークショップに参加された皆さんもステージに上がって合奏された曲だったでしょうか。
これまたおそらくは前回の8月に初めて聴いた「Waltz for Snuf」と「North Isle Town」のセット。「Waltz for Snuf」は私がハンドリオンで一番好きかもしれないスナフキンに捧げるワルツです。藤野さんはオオフジツボやハンドリオンではピアノアコーディオンとボタンアコーディオンの両方を持ってみえることが多く、これまで「Waltz for Snuf」は専らボタンアコーディオンで奏でられていました。
前回浴衣姿の藤野さんはボタンアコーディオンをお持ちでなかったので、「Waltz for Snuf」は聴けないのかなと思っていたところ、ピアノアコーディオンによる「North Isle Town」とのセットという新しい姿で聴くことができたのでした。
2度目となるこの日は、「Cockoo's Rondo」と共に安定化や定着ぶりへの道筋が感じられたような気がしました。
曲名は失念してしまいましたが、皆さんでザシッと足踏みをされる曲もよかったです。北海道でHard to Findの皆さんが同じようにされる曲を聴いたことがあって、格好いいなと思ったことを思い出しました。
最後の方のロシア調の曲では、坂上さんが客席に手拍子を求めたのですが、藤野さんとじょんさんが口を揃えて、いや〜合わないと思うと反抗したり。これも以前であれば考えにくかったことです。私自身は手拍子もそんなに悪くないと思い、更にはヘイ！と合いの手を入れたくなる箇所もあったようななかったようなでした。
MCではこんな話もありました。かつて坂上さんが毎日演奏する代わり滞在費無料という条件でアイルランド湖畔のホテルに行ったものの、近隣のあまりの何もなさに見聞ができず挫けて解放してもらったというエピソード。その前後の船旅で御一緒した御夫婦の娘さんが震災後のポポポポーンで一躍歌声が全国に知れ渡ったショピンの野々歩さんだったということなのです。
じょんさんは野々歩さんとは、今年のJJF北海道ツアーの少し前に、下北沢440でのJJFとショピンのジョイントで御一緒されています。坂上さんのお名前は定かに記憶されてはいなかったそうで、坂上さんは残念そうでしたが、じょんさんによるとハープの人と一緒だったのは覚えていると言ってましたよとのことでした。あの野々歩ちゃんがじょんと一緒に仕事するようになるとはねと坂上さんは感慨深そうでした。しかも野々歩ちゃんの方が年上なんだよねとも。じょんさんは少しだけですけどねと応じていました。
(因みに440はかつて藤野さんも蛇腹姉妹で御出演になったことがあったと思いますし、私も首都圏在住当時、昔からずっと地味に好きだったSwinging Popsicleのライブで訪れたことがありました。開演前に付近で佇んでいたポプシメンバーではないミュージシャンの方が「俺のところ裁判員の通知来ちゃったよ」などと話していたのを覚えていますから2008年暮れくらいでしょうか。）
あとケーブルテレビの収録でじょんさんがマイク真木さんと共演されたお話なども。キャンプ好きの女の子という設定で選んでいった衣装がパジャマみたいだと言われたそうです。
そのお話の時に坂上さんがハープで「薔薇が咲いた」を奏でました。
大御所との共演経験ということで、じょんさんが小室等さんや谷川俊太郎さんのお名前も口にされた時には客席からすごい！との声が上がっていました。大学在学中のVOICE SPACEの御関係と思われますが、私も東京にいた頃なのだから、もう少し早くアンテナを張っていればと悔やまれます。
衣装といえば、皆さんこの日はハロウィンを意識したプチ仮装。藤野さんは南越谷の商業施設での営業仕事の衣装のまま来られていたようです。髪の飾りがハロウィン仕様だったのでしょうか。アドリブの動きが共演の若いクラウンを驚かせたようなので、2回目からは予め段取りを告げたといったお話を披露されていたと思います。じょんさんは確かリラクマのついた仮面を頭に斜めにかけ、暑さでしばらく避けていた坂上さんのえん魔くん帽も復活していました。
S氏と一緒だった1月や8月の時ほどには御出演の方々や客席の方々とお話ししなかったのですが、得るものは多かったです。皆さんに御挨拶した後、ゆっくりと半蔵門方面の宿に向かいました。初日はこれにて終了です。
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