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2011年05月04日16:42

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百花繚乱−桜・牡丹・菊・椿−

山種美術館で開催中の『百花繚乱−桜・牡丹・菊・椿−』を見てきました。チケットは毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。コレ、先月17日くらいだったかに行って、まだやってなくて、私が美術館入り口で「呆然」としていたやつですね(^_^;)。皆!チケットの日付は、良く確認しよう!

土曜日に行ったので、人は結構おりました。まぁ、GW中の土曜日に行ったんだから仕方ない。でも、混みっ混みってワケではなく「適度な混み具合」程度なので、土曜でコレなら良いんじゃないかなぁ〜と(私は、混んでる美術館が苦手です・・・)。

今回はお花がテーマ。会場内は、色んなお花が咲き乱れておりました。

花の絵ってのは、そもそも奈良・平安に中国から花鳥表現が伝わって、独立した画題としては、鎌倉時代に成立したらしい。

まずは、酒井抱一の『月梅図』。真ん中に月。やや上に白梅。下方に紅梅。静謐で幽玄な世界。抱一さんは、姫路藩主の次男坊です。でも江戸生まれ(だったよね?)。私、抱一さんの絵、大好きなんだ♪

んで、ほら出た御舟!速水御舟の『紅梅・白梅』。私の大好きな御舟さんの絵です。私、この梅の絵何回見てんだ(^_^;)。白梅の方には、細い三日月ものぞいております。白梅は若木で爽やか。紅梅は老木で威厳がある感じ・・に見える。

御舟の『桃花』。金バックが美しい。そこに桃の枝花。ピンクと金の対比も綺麗〜。

橋本明治『朝陽桜』。私が勝手に「ポンポン桜」って呼んでるやつだぁ〜(笑)。
桜がね、デザイン化されてて、盛り上がってるように描かれてて、ポンポンして見えるので、私は勝手にこう呼んでます。このデザインの一筆箋を持っている私である(今売ってるのじゃなくて、前デザインの)。クリアファイルも持ってたりする。が、春しか使えないって言う(^_^;)。

加山又造『夜桜』。この絵、いつ見ても綺麗だなぁ〜。薄闇に浮かぶ桜に、朧月。この絵の絵葉書、私持ってるのですが、今回売ってなかったね。何故?

牧進『初夏の頃』。デザイン化したスッキリした感じの竹の絵と桃色の石楠花。屏風です。コレ、モダンだよね。
私、存じ上げなかったのですが、牧進氏って、川端龍子氏の内弟子さんだったのね。
何でも、牧さんは、川端康成さんと親交があって、「日本の四季である春夏秋冬をテーマにしたら良いよ。」と助言され、四季をテーマにずっと描いてらしてるそうな。

竹内栖鳳『艸影帖・色紙十二ヶ月のうち五月』。わぁ〜い\(^o^)/。竹内栖鳳さんだぁ〜い。私、大好き〜♪コレは、色紙に描いたモノでした。デッサンみたいにアッサリ描いてあるのだが、描いてあるのが、葱坊主なんだよ。可愛い〜。葱坊主可愛い〜♪葱坊主好き〜♪
皆さん、ネギ坊主って分かりますかね?ネギを、収穫しないでそのまま放っておくと、ネギの先端に、花が咲くんですよ。まる〜んってした綿っぽいのが。それが葱坊主。私、それがいたくお気に入りなのです。小さな虻もとまってます。ネギのエメラルドグリーンの葉も綺麗だなぁ〜。

福田平八郎『芥子花』。凄くシンプルにデザインされた芥子。平八郎さんは、写実で最初描いてたけど、後半にいくにしたがって、どんどん簡略化されて、デザイン画っぽくなるんだよね。コレもモダ〜ン。
んで、その横に、石本正氏の『罌粟』があるのですが、こちらはちょっと洋画風の写実的芥子の花で、見比べてみると面白いです。同じ花でも描き方や、描く人によって、全然違うよね。

川端龍子『八ツ橋』。そうそう、京都銘菓のねっ・・って、バカ!
前述の牧進氏のお師匠様ですな。川端龍子氏は、最初洋画家を志していたそうな。ところが、ボストン美術館で、日本古美術を見て、感銘を受け、日本画へ転向したんだそうな。日本古美術見た場所が「ボストン美術館」ってのが面白いよね。いや、確かに、ボストン美術館の日本画コレクションって、凄いケドさ。日本で日本古美術見てなかったのかよ・・・みたいな(笑)。この辺り、当時の「西洋万歳!」主義が分かって面白いね。
この『八ツ橋』も面白いんだ。基本は、尾形光琳の『杜若の絵』を思い出して頂けると分かりやすい。でも、光琳より龍子氏の方が、ゴチャゴチャってしてるの。光琳の杜若の屏風って、空間多いじゃん(まぁ、それが、琳派なのだろうが)。現代風琳派みたいな感じで面白い。でも橋も杜若も琳派の描き方・・よね?

酒井抱一『菊小禽図』。私の好きな絵、又あった〜。白・黄・赤の菊に小鳥がとまっている。白と黄と赤のコントラストが美しいのですよ。私、この絵の絵葉書持ってるのに、大きい版があったから、又買っちゃった・・・って言う・・・・・・(-_-;)。

牧進『明り障子』。画面左右に障子が描かれ、中央には水仙が咲きほこる庭。雀もいて可愛らしい。障子を開けてお庭を見ている感覚ですね。左右に開けられた障子が描かれているから、ちょっと騙し絵みたいで面白いです。

林功『月の音』。絵全体が白いの。ぼんやり白い。左にピンク色の椿。右に白椿。中央に金色の道。上やや左に金色の月。月がちょっと地面にめり込んでるようにも見える。
タイトルが月の音だから、きっとお月様が主人公なんだな。だから、目立つようにこう描いてるのかも知れない。

んで、今回別格に『牡丹コーナー』が設けてありました。私も牡丹は好きですが、何でも牡丹は『花王』と言われ、『富貴花』とも言うらしく、画題にされるコトが多いらしい。

まずは福田平八郎の『牡丹』がお出迎え。私、この絵、メッチャクチャ好きなのだ。でも、何でかなかなか見られず、今回で2度目。穴空くほど見てきました。
福田平八郎氏は前述通り、後半は、簡略化したデザイン的な絵になるのですが、この絵は、デザイン的になる前の、写実なのです。屏風ね。
で、裏彩色で描かれた、このモワモワした感じの白と赤と桃色の牡丹が幻想的で凄く美しいのだ。下に茶色の花もあるケド、コレも牡丹なのかなぁ。美しいなぁ〜。ずっと見ちゃう。

菱田春草『白牡丹』。中央に白の大輪の牡丹。左上には、儚げな白い蝶も飛んでいる。牡丹の生命力と蝶の儚さの対比が面白いです。

んで、私の今回の見たかった絵!
速水御舟の『牡丹花(墨牡丹)』。ハラショー\(^o^)/。又、見られた〜!!!!!!私、この絵、転げまわるほど好きです。
牡丹を、墨で描くんですよ。墨の濃淡で。うっすら瑠璃色の茎も美しい。
黒い牡丹。世界には絶対存在しない、黒い牡丹。
私、この絵を見ると、どうしても、『赤江瀑氏の耽美幻想小説』を思い浮かべてしまうのです。お坊さんの話で、墨染めの衣が闇の中に見える場面。アレ、思い出しちゃうんだ。あの時の花は、牡丹だったかな?椿だったかもだケド・・・。

御舟さんは、おそらく、幻想絵画を描いたつもりはないと思うのですが(御舟さん、写実の人ですし)、どうにもこうにも、幻想的なのでございます。
墨色の牡丹。墨染めの牡丹。実際の世界にはない牡丹。
この絵もずっと見てしまいました。見てて全然飽きない。頭の中は、幻想世界を旅行中。全然帰りたくない。
私、この絵の葉書ももっているのですが、トリミングが違うのがあって、コレまた、又買ってしまう・・と言う・・・。商売上手だねっ山種美術館!!

そんなこんなで満開のお花たち。6月5日までやってますので、皆様も絵のお花見に行ってみたら如何でしょうか?他にも、小倉遊亀さんや、小林古径さんの絵もあるよ。

お土産はポストカード6枚。一筆箋も欲しかったが、私、腐るほど持ってるもんな・・・便箋をな・・・。まぁ、ポストカードも売るほどあるんですが・・・。

帰りに、渋谷方面に行くところに、良い感じの中国茶葉屋さんがあり、そこで、檸檬片(スライス檸檬を乾燥させたモノ)を買う。コレ、キャンティ紅茶と合わせて飲んでみたら、超美味!檸檬片、超優秀!!
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