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2009年08月30日02:37

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ゴーギャン展パート2 & 「シヴェルニーの積みわら」との再会

どうしても見たい(見ておきたい)展覧会がこの時期に重なり、生まれて初めて展覧会のハシゴを経験しました。

●ゴーギャン展
7月末に行って、なんとなく重いイメージになっていたゴーギャンですが、今度は多少なりとも(覚悟して)彼が描こうとしていたことと向き合う事が出来たような気がします。

特に、印象派風の絵から、頭で感じたイメージを抽象化や様々な試みで表現しようと模索し、その中ではっきりしてして行く人間の原初への想い。その流れを感じる絵を前に、前回とは別の意味で打ちのめされました。

自分(たち)は、ゴーギャンの生涯やその一連の作品を目の前にして、その悩みや思考の本質に近づこうとしているのですが、それはあくまで総括的なものであって、本当の作品を生み出す瞬間の苦しみや興奮は感じることができません。それはジレンマでもあるのですが、まあ、音楽とかも同様に、作品観賞の予備知識は「予備」として、それよりも、「自分は直感的に何を感じるか」というところが大事だという事を今回強く認識したのです。

きっかけは、暗くサイズも小さい版画たち。前回、自分のゴーギャンへのイメージが大きく塗り替わり、何となく重い感じで素通りしていた「ノアノア」(かぐわしき香り)の連作でした。

版画ですから、当然絵は抽象化されており、より直接的にイメージすることができるのですが、そこに存在するのは、「人間というか二本足で立つ動物」と「自然や何か霊的なもの」だけ。お互いは関係のないそぶりで、実は何かの節理の中で完全に一体となって表現されているのです。この10点の版画作品の強烈な魅力は、その後に展示されている名作「我々は〜」をも凌ぐものでした。

2度目で落ち着いて見ていたはずなのですが、何だかぼーっとして、何度も引き返して後ろ髪引かれながら、竹橋を後にしました。(病み付きになりそう。。)

#今回は、図録も購入したのですが、やはりあの生の感動は持続しませんでした。「おいしい水」の夕焼けの色なんかもちょとくすんでいて・・。
#実は所蔵品ギャラリーも1時間ほど見てしまい・・・



●フランス絵画の19世紀展
8/31で終了ということで、駆け込みで行ってきました。きっかけは、日経新聞に紹介されたビュランの「無垢な結婚」。明るい光に満ちて、若いカップルをムードたっぷりに描いたこの絵を生で観たい。これだけでした。
http://www.france19.com/france/index.html (フランス美術館紀行のカルカノンヌ美術館の紹介ページに掲載されています)

行って見て改めて、フランス絵画の革新期の変遷をアカデミスムという観点から整理でき、豊富な作品とともに十分堪能することができました。(それにしても裸体の男性が多かったですが・・)

そして、展示のクライマックスに差し掛かった最後の部屋で、そうそうたる名画に囲まれて、その作品はありました。

2年前5月に六本木で出会い、やはり絵の前で茫然としてしまったモネの「積みわら」。今回は連作ではないのですが、突然視界に入ってきたので、本当に驚きでした。ゴーギャンの初期の作品もあったりして、興奮で疲れを忘れ、閉館まで繰り返し眺めていたのでした。

それにしても、体系立てた展示とその作品数、名作を揃えてエンターテイメント性も兼ね備えた横浜、侮れません。

気になった作品

メレアグロスの狩り
廃墟となった墓を見つめる羊飼い
バッコスとアリアドネの結婚
シビュレと黄金の小枝
糸巻のマルガレーテ
死せる娘を描くティントレット
施し(ミレー)
ヴィーナスの誕生
パオロとフランチェスカ
牧歌
海を見る少女
フロレアル
エリーズ嬢の肖像
ばら色の踊り子(ドガ)
落ち穂拾い(レルミット)
無垢な結婚
干し草
シヴェルニーの積みわら(モネ)
ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山(セザンヌ)
水飼い場(ゴーガン)
眼をとじて
青春の泉

ちょっと偏り過ぎですね。#横浜は図録、高くて買ってません。
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