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2024年03月06日21:34

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その他 - others -

ほどけゆく冬が
まだ長い夜のうちに
ひとしきりの雪を
降らせると

翌日の太陽が
お別れの雪を
相転移させながら
辺り一面を
眩しい光で満たしていく

雪の結晶が水滴になるように
硬貨の裏が表になるように
子どもが大人になるように

“ある” は “ない” の一種で
“ない”という“ちから”が消えては
“ある”という“ちから”が現れ
“ある”という“ちから”が消えては
“ない”という“ちから”が現れる

世界はかくも不連続なのに
時のページを次々とめくれば
ぼくら 感覚器の虜は
パラパラ漫画を眺めているような
連続性という幻想に囚われる

飛び飛びに散らばる音符を
ぼくらは ひとつひとつ辿り
一篇の交響曲の旋律を
錯覚しながら
やがて そのときが来るまで
さまよい続ける

そして
土へと還る旅が終わっても
きっとまた
新しい旅が始まるのだろう

自己 他者 神

自己は他者に飲み込まれ
オッカムの剃刀で
自然から削ぎ落とされた神は
永遠の“その他”として
細部に宿り続けるのだろうか

たとえ 最強の学閥に属し
ユダヤの加護を受けてもなお
逃れられない運命

どんなに勇敢に挑んでも
あなたには
とても敵いそうにない

あなたに抱かれて
むずかりながら
あなたの胸の中で
眠りにつき そしてまた
新しく目を覚ます

散歩しているおばさんのラジオが
止まぬ少子化を憂いている

奴隷に逃げられた
王侯貴族たちが
嘆きの歌を歌っている

他に楽しいことが多すぎるから?
それだけじゃない気がする

されて嫌なことはしない

すごくシンプルなこと

生まれて嫌だったら生まない

そうじゃない?

桃の節句のインタビューで
将来の夢を尋ねられた
あどけない女の子は
「消防車になる!」と
元気よく答えていた

いつか
それに見合うような
素敵な何かに
きっとなれるさ

君の夢が叶うのは
奇跡なんかじゃなくて
君の夢を聴いて
助けてくれる
多くの人がいるから

それを忘れないで
だから君よ
もっと夢を語って

さよなら冬よ
あなたの冷たさが
寄り添う暖かさを教えてくれた
また鳥たちを連れてきておくれ
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