東京電力福島第一原発の処理水を海洋に放出する方針をめぐり、
政府は、関係閣僚会議を開いて、今月24日に放出を開始することを決めました。
この水が、汚染水なのか完全に放射能汚染の心配のない水なのか、
僕には分かりませんが、一連の流れを見ると、
今月17日の段階で、岸田総理は訪米前の記者団との会見で、
(海洋放出の)具体的な時期、プロセスは決まっていないと語っています。
ところが18日の岸田総理とバイデンアメリカ大統領との会談で、
処理水放出に関するアメリカの理解と支持に謝意を表明しています。
その後、記者団に国として判断すべき最終段階に至っていると述べています。
そして、20日には、とってつけたような福島第一原発の視察、
21日に全国漁業協同組合連合会会長との面談、
そして今日の閣議決定に至った訳で、
国民に隠れてこそこそと決めたとの印象は拭えません。
汚染水問題は、2011年3月の福島第一原発事故の直後から発生していました。
当時は巨大なタンクを作って、それに溜めるだけでしたので、
いずれそれが一杯になる事は明らかでした。
東電は2015年、原発の汚染水発生量を抑えるため、
原子炉建屋に入る前の地下水を井戸でくみ上げ、
浄化処理後に海へ流し始めました。
この際、県漁連は汚染水を浄化した処理水は、
漁業者や国民の理解がないまま放出はしないよう要求し、
政府と東電が受け入れる形で、約束の文書となっていました。
しかし、政府は21年4月、
漁連側が反対する中で処理水を海洋放出する方針を決定し、
準備期間を考慮して開始時期を2年程度先と設定していました。
この2年間、政府と漁連の間で、どのような話し合いがあったのか、分かりません。
しかし、昨日の全漁連会長との面談では、理解されたと言うレベルではないでしょう。
結局、2015年の約束は空文化した訳で、
この約束を守れない政府が、
「たとえ今後数十年の長期にわたろうとも処理水の処分が完了するまで、
政府として責任を持って取り組んでいく」と約束しても、
それを信じる気持ちにはなれないと思います。
7月4日に、公明党の山口代表が、海洋放出を巡り、
「直近に迫った海水浴シーズンは避けたほうがいい」と発言し、問題になりましたが、
やはり海洋放出には漠然とした不安があるのは、
多くの国民の気持ちなのではないかと言う気がします。
汚染水が溜まっている事は間違いありませんし、
何とか処理しなければならない問題である事も分かるのですが、
福島第一原発の周辺、土地はまだかなり空いていると思います。
もう少し溜めておいて、漁民や大気への水蒸気放出を求める中国・ロシアとも
粘り強く交渉すべきだと思います。
政府も東電も不安払しょくの方法が思い付かないようなので、
1つアイディアを出します。
処理した水を、政府要人や東電幹部が一斉に飲んでみれば良いと思います。
安全だと言うならば、その位のパフォーマンスをしないと、
誰も安全・安心だと納得しないと思うのですが、
どうしてやらないのでしょうね?
【今日の一句】
冷たくて 抱き付きたいな 雪女
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