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2023年01月27日19:36

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国宝級・・・

 一昨日、奈良市にある国内最大の円墳、富雄丸山古墳の
 未盗掘の埋葬施設から、過去に類例のない盾形の銅鏡と
 蛇行剣と呼ばれる鉄剣が発掘されて話題になっています。

 富雄丸山古墳は、直径109mの円墳で、
 4世紀後半に築造されたと考えられています。
 明治時代に盗掘されていて、その出土品が重要文化財になっています。
 今回出土したのは、円墳から突き出た造り出しと呼ばれる場所なので、
 盗掘者も気が付かなかったのかも知れません。
 埋葬施設は、木の幹を二つに割り、
 内部をくりぬいて被葬者を納めた「割竹形木棺」を粘土で覆った構造で、
 盾形銅鏡と蛇行剣は木棺の外に重ねるように置かれていて、
 いずれも邪悪なものを遠ざける「辟邪」の意味があるとの事です。

 盾形の銅鏡は、長さ64cm、幅約31cmですが、
 この大きさだけでも、これまでに発見された鏡の中では最大との事ですが、
 その盾形の形状も、他に出土例がないとの事です。
 盾形銅鏡を蛍光X線で調べたところ、錫、銅、鉛の成分が検出され、
 表の鏡面にはなめらかに磨いた跡があったとの事です。
 裏面には中国の神獣を簡略化した「鼉龍(だりゅう)」文や、
 のこぎりの刃のように三角形を連続させた鋸歯(きょし)文などの
 幾何学文様が施され、
 中央部分にはひもを通すための丸い突起「鈕(ちゅう)」があります。
 「盾」と「鏡」を組み合わせた前代未聞の斬新なデザインで、
 奈良市教委などは「鼉龍文盾形銅鏡」と名付けたとの事です。

 鉄剣は全長237cm、幅約6cmで、
 蛇行剣と呼ばれる剣の刃が曲がっている形状をしています。
 武器としての実用的なものではなく、祭祀用剣と考えられています。
 これまで国内で85例、韓国で4例の出土例があり、
 今回見つかった蛇行剣は金属をたたいて作られ、刃は6カ所で屈曲していました。
 237cmの全長は、
 これまで最大だった宇陀北原古墳(奈良県宇陀市)の84.6cmをはるかに上回り、
 蛇行剣としては国内最古との事です。
 また、鉄剣としても中国・遼寧省で出土した138cmをも上回って、
 東アジア最大の大きさになります。
 記者会見した県立橿原考古学研究所の岡林孝作副所長は
 「古墳時代における金工品の最高傑作」と評価し、
 鏡は盾形で出土例がなく、鏡、剣ともに
 古墳研究史上の画期的な発見で国宝級と述べているとの事です。

 このような副葬品のあった富雄丸山古墳の被葬者は誰かと言うのが気になります。
 この古墳は、近くの佐紀古墳群(奈良市)と
 大阪府の百舌鳥・古市古墳群を結ぶ交通の要衝にあり、
 ヤマト王権の有力者が葬られたと考えられています。
 これから、被葬者を巡っては色々な説が出て来るかも知れませんね。

 とにかく、古墳からこのような出土品が出て来るとは思いませんでした。
 古墳が築造された4世紀は、中国の史書にも日本に関する記述がなく、
 空白の世紀と呼ばれています。
 天皇陵の発掘を宮内庁が認めていないので、考古学的なアプローチも限定的です。
 まだまだ、驚くような物が古墳に眠っているかも知れないなぁと思いました。


【今日の一句】
 医者が言う 年のせいだと 分かってらい


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