【天文】ZTF彗星

★25日の深夜に、これまでズボラしてまだ見ていなかったZTF彗星(C/2022E3)をやっと観望・撮影。この晩は大寒波が到来して各地で最低気温を記録したが、ウチでも帰りの車内が-15℃だった。

★24時頃に撮影するつもりだったが、北極に近いためフォーク式の赤道儀がそこまで回ってくれず、北極星より高くなる25時過ぎまで撮影はおあずけ。その間に7×50双眼鏡と32cmドブソニアンで観望。なるほど、立派な彗星だ。写真でも顕著だが、はっきり伸びたアンチテイル(立体的位置の関係で、通常とは逆方向に伸びたように見える尻尾)が印象的。ドブでは一瞬メインテイルと間違えるくらい明るかった。

★ZTFというのはカリフォルニア工科大学の「ツビッキー掃天観測施設(Zwicky Transient Facility)」という観測装置あるいは観測プロジェクトの頭文字。そしてツビッキーというのは1930年代に同大学で活躍した有名天文学者。

★20世紀から大体2010年代頃までは彗星には発見者の個人名がつくのがほとんどだった。しかし最近は彗星も超新星も小惑星も、個人の捜索家よりもこうした研究機関のプロジェクトで発見されることが多くなって、こんな名前の彗星が増えた。「パンスターズ」とか「ネオワイズ」とかもそういうプロジェクトの名前だ。商売柄彗星発見者の知り合いの人も何人かいるが、そういう筋金入りのアマチュア観測家の出番がすっかり減ってきているのはちょっと寂しい。まあこれが進歩というもので、しょうがないのは分かっているけれども…。

★この彗星はここしばらくは北極星近くで5等星くらいの明るさで輝いている。残念ながら月が明るいので肉眼で見つけるのは困難だろうが、位置を調べて双眼鏡で探せば見つかる程度の明るさ。