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2022年07月10日11:57

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演説中の政治家を銃撃することが許させない蛮行であるのはその通りだとしても、「戦後民主主義」を愚弄し続けたのは安倍晋三氏ではなかったのでしょうか

出口研介
23時間 ·
【安倍元首相が撃たれたが…彼の死を「美化」しないで欲しい!】
《戦後民主主義を愚弄した元首相!》
■安倍晋三氏が遊説中に撃たれて死亡した事件については犯行の背景もわからないので、黙っているつもりでした。しかし(7月9日の)朝日新聞の朝刊を開いてみると、異例のことに一面に「民主主義の破壊許さぬ」という社説が掲載されています。…ちょっと待って欲しいと思いました。演説中の政治家を銃撃することが許させない蛮行であるのはその通りだとしても、「戦後民主主義」を愚弄し続けたのは安倍晋三氏ではなかったのでしょうか。死者となったことで、安倍晋三氏のやってきたことが美化されてはなりません。「テロはいけない」と「正しすぎること」をいうことで重要なことが消されてはなりません。
■第一次安倍政権の時に早速やったのが「教育基本法改悪」でした。歴史修正主義の先頭に立ち、教育現場を疲弊させ、日韓関係を悪化させました。第二次安倍政権では、権力で官僚や自民党内さえ黙らせることが目立ちました。「忖度」文化をはびこらせたのも安倍晋三氏です。「モリ・カケ・サクラ」、そのどれか一つでも、今後行われるであろう「徹底的な捜査」がやられていたら、彼は議員辞職に追い込まれていたでしょう。
 「アベノミクス」は金融政策では株価つり上げのための資金をジャブジャブにしただけ。財政政策では「コンクリートから人へ」と言っていた旧民主党の経済政策を「国土強靭化」と名前を変えて旧来のものを復活させただけ。だから三本目の「成長戦略」は成功しませんでした。
 グリーンニューディールへの転換や先端産業の育成には対応出来ないまま、株価つり上げだけで経済が活性化しているかのような幻想を与えたのが「アベノミクス」でした。その結果、富裕層だけがさらに太り、貧困の拡大はますます進行しました。実体経済としては、日本経済は沈んで行き、もう先進国とは言えないギリギリのところまで落ち込んでいます。「異次元の大胆な金融政策」はもう引っ込みがつかないところまで来ています。これだけ国債を日銀が買い込んだら、金利は上げられません。円安が進み、悪性インフレが庶民を苦しめていますが、対応策の取りようがない状態です。
■憲法の解釈を、内閣法制局長官を子飼いの人物に取り替えることで閣議決定で変えてしまったのが「集団的自衛権の容認」の閣議決定でした。その結果、違憲の安保法制が出来上がってしまいました。ウクライナ戦争に便乗して、「敵基地攻撃能力の保有」や「軍事費二倍論」「米軍との核共有論」まで持ち出したのが安倍晋三氏でした。
 「憲法改正」「自主憲法の制定」が悲願であった彼が、国会で「芦部信喜を知っているか」と聞かれて、「知らない」と答えたことには呆れました。憲法学の大御所である芦部信喜を知らない高校の社会科教員はいないと思います。憲法の基礎すら学んだことのない人に憲法改正を言ってほしくないと思いました。このような反知性主義も彼の特徴でした。
《「テロ」は許せないのは当然のこと…》
■「テロ」は民主主義に反する蛮行です。しかし、圧制のあるところ、テロリズムは発生します。19世紀末から20世紀初頭にかけての帝政ロシアでは、ナロードニキ運動の系譜を継いだ「人民の意思」党がテロリズムで圧制を変えようとしました。後の「エスエル」党幹部サヴィンコフはロープシンという筆名で「蒼ざめた馬」を書きました。実際に彼は、内務大臣ヴャチェスラフ・プレーヴェとモスクワ総督セルゲイ大公を暗殺し、クリミアのセバストポリで逮捕されています。「蒼ざめた馬あり、これに乗る者の名を死といい、黄泉これにしたがう」というヨハネ黙示録さながらに、死を決意して帝政を支える支配者を暗殺するテロリストの心情をニヒル且つ清逸に描いた作品でした。
■伊藤博文をハルビンで暗殺した安重根も自分は刑法犯ではなく朝鮮独立軍の兵士として扱われるべきだと主張しました。死刑判決を受けて獄中にあった時「欲保東洋 先改政略…」(東洋の平和の維持のためには日本の侵略を改めねばならない…)で始まる漢詩を残しています。テロはいけない、しかし、テロリズムを生み出すものはもっといけないと思います。
■今回の犯行に政治的動機があるとは今のところ伝えられていませんから、上記の例とは区別すべきですし、現代の状況において、政治を変える手段としての「テロリズム」は承認することができません。
 しかし、蔓延るヘイトスピーチ、街頭での市民運動に対する右翼妨害の多くなったこと、生きているよりは刑務所に入りたいという動機の無差別殺傷事件の頻発等々と安倍元首相銃撃事件は大きくみて関連しているよう気がしています。民主主義が壊れてしまっており、一人一人が大事にされない時代が出来上がっています。議会政治が軽んじられ、政治家の暗殺が起こる…1930年代の日本史を復習しているようなザラザラした気持ちがします。これもファシズムの足音なんではないだろうかとの思いが強くあります。そして、歴史に学ばなかった人、いやむしろ学ぶべき歴史を改ざんしようとした人の死を悼む気持ちにはどうしてもなれない自分がいます。
(2022/07/09:記:出口研介)
*メディアは赤木俊夫さんの死についてこのように大々的に報じたでしょうか?安倍晋三氏の死を利用して改憲の動きが強化されることを危惧します。

1Tomás Abe

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