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2022年06月24日00:40

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『ハッチング-孵化-』 2022年56作目 ☆☆☆☆ チネ・ラヴィータ

『ハッチング-孵化-』 2022年56作目 ☆☆☆☆ チネ・ラヴィータ
https://gaga.ne.jp/hatching/

 醜くて、おぞましくて、そして可哀そうな作品。
 フィンランドの映画で、静かな作品なんだけど、「静かさ」が余計に醜さとおぞましさを増してるし、だからこそ可哀そう。

 何を描いてもネタバレになってしまうので、粗筋しか書けないのがもどかしい。
 ただ、何処の国でもインフルエンサー、ブロガー、ユーチューバーは碌な奴が居ない。とは声を大きくして云える。

 主人公は12歳の少女で体操の選手。
 家族は両親と弟の4人家族なんだけど、母親がユーチューバー(人物紹介ではブロガー)で諸悪の根源。
 母親自身も元々は何かの選手だったみたいだけど、ケガか何かで断念。
 その分、娘さんに期待をするんだけど、娘さんは「平凡な選手」なので母が求めるレベルの選手ではない。
 ではないんだけど、「母親の期待」に応えようとする…

 健気だ…とんでもない阿婆擦れ女でしかない母親の期待に応えようとするなんて…

 弟は未だ幼いからいいとして、父親が情けない…妻、母親が堂々と不倫してるのに何も云わない。
 知らないんだか、黙認なんだか分からなかったけど、情けなさ過ぎ。

 で、母親。
 諸悪の根源なんだけど、阿婆擦れ過ぎる。
 娘の試合に集中する為に浮気相手の男の家に娘と泊りに行くか?
 旦那さんの事どんだけ見下してんの?

 母親が阿婆擦れ過ぎ。

 話は主人公の少女が森の中で卵を見つけて、何ともなしに温めたら、卵がどんどん大きくなってでっかい雛が生まれる。
 て話。
 タイトルのとおり「ハッチング」、孵化。
 「刷り込み現象」て云うんでしたっけ、孵化した雛が一番最初に見た物を親と思う。て奴。

 でっかい雛が少女を親と思うし、少女も雛を懸命に育てるんだけど、育て方が良かった。
 「餌やり」で悩むんだけど、鳥の餌を買ってきても食べてくんないのね。
 それで、母親からのストレスもあっておう吐しちゃうんだけど、でっかい雛が吐いた物を食べちゃうのね。
 これ「雛の餌やり」で正解なの。
 雛に餌をやる時は、餌をぬるま湯で練って食べさせるんだけど、裏技で「口に入れて噛んでぐちゃぐちゃにしたのを食べさせる」てのがあって、作中でもやってるのね。
 でっかい雛がだんだん主人公の少女に似て来るんだけど、もしかしてそれって「口で噛んで混ぜた餌を与えている」から、でっかい雛が少女のDNAを取り入れちゃって似て来たのかな?
 等と考察も出来る。

 話自体は「母親の期待」に応えるべく少女が頑張るんだけど、母親の求めるレベルには達しなくて母に冷たくされる。
 冷たくされるもんだから頑張るんだけど、頑張りにも限界がある。
 その内「あの子さえ居なければ…」と思ったら、本当に怪我をして、「何で? どうして? 誰が?」て、なるんだけど、「誰が?」は直ぐに分かる。

 段々と少女に似て来るでっかい雛。
 最後は「お前が…」と雛に間違われる少女。

 ラストは…悲しかった。
 少女が可哀そう…
 母親のせいで…外道で鬼畜だ。

 北欧の作品なので終始静かなのですが、ラストの悲劇は凄まじくてやるせない。


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