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2022年05月11日23:53

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『ポゼッサー』 2022年46作目 ☆☆☆ チネ・ラヴィータ

『ポゼッサー』 2022年46作目 ☆☆☆ チネ・ラヴィータ
https://possessor2022.com/

 デヴィッド・クローネンバーグの御子息、ブランドン・クローネンバーグ監督の作品。
 なせいか、「クローネンバーグの血」を感じました…

 他人の精神を乗っ取り、標的を殺害し、自殺又は殺される事で元の体に戻ってくる「殺し屋」の話なのですが、殺害シーンが芸術的にグロテスク。
 クローネンバーグですね。
 「精神を他人へ送り込み、他人の体を乗っ取る」せいか、心理描写、視覚表現で「歪んで見える」「形が崩れる」シーン、描写が多々ありこちらも芸術的にグロテスク。
 クローネンバーグですね。

 結局「芸術的なグロテスクさ」でクローネンバーグを感じたのですが、大事だと思う。

 話自体は、他人の精神を乗っ取って殺害を行う殺し屋の主婦が、標的の娘の恋人の男を乗っ取って標的と娘を殺して、乗っ取った男を自殺させて戻ろうとしたら、乗っ取った筈の男が自我を取り戻し、逆に殺し屋の主婦の記憶を読み込んで主婦を探し始める。
 という話。

 話自体はそんなにややこしくはない筈なんだけど、「精神を乗っ取る」「自我を取り戻す」が入り混じるもんだから、「今はどっち視点なの?」でややこしい。
 恋人の男はいいとして、殺し屋の主婦が旦那さんと子供とうまくいってないせいもあって、主婦と家族とのやりとりが「どこか他人じみている」のもややこしさの原因なんだけど、これは狙ってるんだよね?
 「自分で自分を演じてませんか?」てやつ。

 あと、殺し屋の組織が「元に戻そう」と頑張るんだけど、「所詮は使い捨て」と「特殊な能力だからそう簡単には死なせない」がいまいちはっきりせず、何より気軽に殺しまくるのが感じ悪かった。

 話自体はそんなに難しくはない筈なのに、ややこしい作品でしたが「芸術的なグロテスクさ」で画的な見どころ、見応えがったせいか左程気にはなりませんでした。
 ただ、気軽に人殺し過ぎなのは気分が悪いです。

 間違いなくお父上のような路線を歩まれてますし、実力も感じたのでブランドン・クローネンバーグ監督の今後が楽しみです。


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