mixiユーザー(id:696790)

2021年12月22日00:27

43 view

【日常】雪かき物語

★こんばんは。昨日やっとスタッドレスタイヤに履き替えた男、かま猫です。

★いや〜、まいった。17日の夜は強い冬型になり、雪の領域がこの辺まで下りてくるのは天気予報で知っていたが、まさかここまでの積雪になるとは。甘く見ていた。

★17日は18時ごろから雪が舞い始めた。今年は雪が遅く、タイヤの履き替えを伸ばし伸ばしにしていた。20日休みににやることにしていろいろ段取っていたのだが、今夜はちょっと怪しい。しかしまあ、ここ東信地方は冬型の雪は例年あまりやってこないし、降っても積もるまではしないだろう、と思っていた。この晩を乗り切ればばまた晴れの日が続く。なんとか持ってくれるだろう…。

★ところが、20時を過ぎたあたりから、屋内にいてもゴーゴーと音がするような強風。外に出てみると視界がほぼゼロになるような吹雪だった。おいおい、ここは北海道かよ。地面も真っ白で、積雪が始まっていた。

★21時ごろ再び外に出てみたら、風は収まっていたが積雪は3〜4cm。ああ、これはもうノーマルタイヤではダメだ。平地なら超のろのろ運転で帰れないこともないだろうが、帰り道には結構な勾配もある。危険だ。

★終業は22時だが、お客さんのないので21時30分には閉館準備を済ませ、外に出て車にチェーンを装着。タイヤチェーンは非常時のためにずっと積んだままにしているが、使うのはかれこれ5年以上ぶりになる。つけ方もうろ覚えだし、そもそも車を買い替えてからは初めてなので、4WDの前輪につけるのか後輪につけるのかも知らないままでいた。マニュアルを引っ張り出して確かめる。なるほど、コイツの場合は前輪か。装着方法の方はチェーンの箱に入っている。本来ならジャッキアップして着けなければならないのだが、ズボラをしてチェーンを前輪の前に敷き、車を動かして前輪をその上に乗せて巻き付けた。いろいろ無理な姿勢をしながらなんとかかんとか、22時過ぎには作業終了。

★各部はマニュアル通りに接続したつもりだが、それでも不安なので、帰り道はローギアで最大20km/hの超ノロノロ運転。やっとのことで家まで帰り着いた。

★翌日は午後出勤。上りは比較的安全だし、途中の道はそれほどでもなかったのでチェーンを外して出勤。問題なく天文台にたどり着いた。今日はたまたま相棒は休みを取っていて、午前中は非常勤のTさんが出ていた。交代してあとは一人勤務。館の周囲は朝のうちにTさんが雪かきしてくれていたが、下の駐車場はまだ手付かずだ。ああ…今日の業務は「雪かき」オンリーだな…。

★準備して駐車場に下りてみると、積雪は5cm。しかも午前中に誰か来たらしく、駐車場いっぱいに走り回ったタイヤの跡が。ああ…これ困るんだよなあ。雪上を走るのが面白くてやるんだろうけど、タイヤ跡は圧雪となり、下が凍結して路面にこびりついて凹凸だらけになるので、雪かき作業が格段に手間になってしまうのだ。ああもう、誰だか知らんけど、あんたの一時の楽しみのために、えらい苦労を強いられるモンがおるんやで。この辺に住んでてそれが分からんわけはあるまいに…。

★そんなわけでなんだか憮然とした気分で作業を始める。最近youtubeの中国史解説動画を観たり、横山水滸伝を読んだりしていた影響で、身勝手な権力者のおかげで苦労を強いられる民衆という世界史共通の構図を、この状況に重ね合わせながらいろいろ思い出す。前にも書いたが、雪かきの時間はなんだか妙にこんな哲学的なことを考えてしまうものなのだ(笑)。

★そうこうしながら全体の4分の1をかいたくらいの頃、一台の車が駐車場に乗り入れてきた。「またそういう輩じゃあるまいな…」と一瞬警戒の目をそちらに向けたが、いや、人間未知の他者に対して「猜疑心」から入るのはよくない、と最前からの哲学モードで考え直し、とりあえず黙々と作業を続ける。

★車からはまず、小学生と思しき二人の男の子が下りてきた。いきなり快活な声で「こんにちは!」と挨拶してくる。こっちも最初に湧きあがった猜疑心をかき消す意味も込めて「こんにちは!」と快活に返す。どうやらこの雪で遊ぼうとやって来た親子連れらしい。

★次に二人のお父さんが車から降りてきた。無言で会釈しあって、親子連れは駐車場の奥にある公園スペースに向かった。あっちは雪かきする予定はないので、いくら遊んでもらっても構わない。そのまま作業を続けていると、お父さんはやおら車からスコップを取り出し、なんといま通って足跡がついた駐車場の一角を雪かきし始めるではないか。

★「いやいや、どうかお気遣いなく。あっちの方は全然大丈夫ですから、どうぞ遊んでいってください」と慌てて声をかける。それでもお父さんは「使わしてもらって悪いから…」と言って手を休めない。隅の一台分のスペースをかいてもらったところでもう一度声をかけ、お父さんはやっと子供たちの所へ向かった。

★その後私は作業を続け。一家は奥の方で小一時間ほど雪遊びをしていた。帰るときに私の近くで写真を撮っていたので、私が撮影役を買って出た。お互い「どうも」とか言い合いながら、かなり和やかな感じで別れた。

★それからさらに半時間ほど作業を続け、駐車場の6割ほどをかいたところで、「今日はここまでにしとくか」ということで作業終了。やるだけはやったという達成感とともに、なんかちょっといい気分で終えることができた。まあ、アレだ。やっばり人間、猜疑心じゃなくて信頼を前提として関係を始めるべきだな。道義的にもそうだが、それだけでなく損得の面でも、お人よしといわれようがバカといわれようが、最終的にはそれが正しい「戦略」なんだろう…なんてなことを、引き続き哲学モードで考えながら(笑)撤収したのでありましたとさ。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年12月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031