mixiユーザー(id:5019671)

2021年03月25日18:19

129 view

「ぶり」は「待ち望んでいたこと限定」?……辞書の限界〈2〉 辞書

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【24】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1977236645&owner_id=5019671

mixi日記2021年03月25日から
 下記の続き。
【「ぶり」は「待ち望んでいたこと限定」?……辞書の限界】〈1〉
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978599267&owner_id=5019671


 〈1〉のmixi日記にすばらしいコメントをいただいたので、転記する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Tさん 2021年03月07日
《(例2)「着工以来、15年ぶりに開通」》がどうにも気になって検索していたら、こんなのがありました。

【「2年ぶりに出場」──前回の出場はいつ?】 (神永曉『日本語、どうでしょう?』/ジャパンナレッジ)
https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=164
************************
 だが、この「ぶり」の使い方が最近どうも揺れているようなのである。蛇足ではあるがそのことに触れておく。
 ひとつは、「ぶり」にはそのことが起きることへの期待感が言外に含まれているので、「5年ぶりの大事故」といったような、よくないことには使わないとされてきた。ところが一部の辞典では、「好ましくないことにも使う。」(『明鏡国語辞典 第2版』)という注記が加わったのである。
 また、「ぶり」はある程度の時間を経て元の状態が再現されるという意味であるため、「着工以来10年ぶりに完成した」というような元の状態の再現ではない言い方も誤用だとされてきた。だが、NHKの『ことばのハンドブック 第2版』では、期待されている事柄であればこのような言い方も認めているのである。
 今後はこの揺れの扱いにも悩まなければならないようだ。
************************

両方「揺れ」扱いされていました(笑
正用と認めるにはまだ早いような気はするけど、さりとて誤用として切り捨てるには広く使われるようになっているしどうすんべかな、という神永先生の逡巡が見えるような気がしますが、気のせいかもしれません。

ちなみにうちの場合、ぶり(の加熱調理)は鍋照り焼き限定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

tobirisu2021年03月07日
> Tさん 

 ブリは照り焼きも美味いけど、下記も好き。
 二者択一だと、心が「大揺れ」。
【最近おいしかったもの6──お料理教室?2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-54.html


 それがありましたか。
 貴重な情報ありがとうございます。
 一応ネット検索したんだけどなぁ。
「神永」まで検索ワードに入れても、なぜかヒットしない(泣)。 

【”「ぶり」の使い方” ”好まし” 神永】の検索結果。
https://www.google.com/search?rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&sxsrf=ALeKk03Ha-rKeKRJ1CMLRiIpFgrE-Z-Umw%3A1615090320710&ei=kFJEYL_0KpPr-Qaz8LnYDw&q=%E2%80%9D%E3%80%8C%E3%81%B6%E3%82%8A%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9%E2%80%9D%E3%80%80%E2%80%9D%E5%A5%BD%E3%81%BE%E3%81%97%E2%80%9D%E3%80%80%E7%A5%9E%E6%B0%B8&oq=%E2%80%9D%E3%80%8C%E3%81%B6%E3%82%8A%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9%E2%80%9D%E3%80%80%E2%80%9D%E5%A5%BD%E3%81%BE%E3%81%97%E2%80%9D%E3%80%80%E7%A5%9E%E6%B0%B8&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAxQkJYCWJCWAmC2jQNoAXAAeACAAWGIAYACkgEBM5gBAKABAqABAaoBB2d3cy13aXrAAQE&sclient=gws-wiz&ved=0ahUKEwi__OGmqJ3vAhWTdd4KHTN4DvsQ4dUDCA4

 やはりNHKのサイトの記述に問題がありそうです。
 ただ、〈「ぶり」にはそのことが起きることへの期待感が言外に含まれているので、「5年ぶりの大事故」といったような、よくないことには使わないとされてきた〉んですね。どこでそんなルールが……。
 こういうブリじゃなくてブレはあるんですよね。。(←書いちゃったよ、この人)
 書き手の困り顔が浮かんできておかしい。
 言葉の問題を考えだすと、いろいろなことを断定しにくくなります。当方の書き方がムニャムニャになりがちなのもそのせいです。生来の優柔不断に知識の曖昧さが……なんてことは決してない!
 そりゃできるものなら断定したいんですけどね。つい先日もホニャララに絡まれました。好きにしてちょ。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978521476&owner_id=5019671

 個人的には〈(例2)「着工以来、15年ぶりに開通」〉には強い異和感があります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Tさん
2021年03月07日 17:41
あたしは「ぶり 日にち」で検索してヒットした
【【日本語】新聞の見出しなどで使われる「〜年ぶり」「〜週間ぶり」「〜日ぶり」について】(熊本ぼちぼち新聞)
https://tomitoko.com/archives/20258
のリンクからたどり着きましたが、検索結果ページ下部に出る「他のキーワード」→「2日ぶりとは」で検索し直すと、上から5番目に出てきました。
試しに「〜日ぶり とは」で検索したら7番目、「2年ぶり とは」だと1番目に出てきますが、似たような語句で検索しまくっての結果なので、他の人のパソコンだと多少前後するかもしれません。

> 個人的は〈(例2)「着工以来、15年ぶりに開通」〉には強い異和感があります。
あたしも最初に見た時は違和感というか拒否感というか、日本語としてイヤンな感じがしました。
でも「着工から15年ぶりに開通」や「着工以来、15年ぶりの開通」だと、なんとなーく違和感が薄くなるような気がします。
です・ますを付けて「着工から15年ぶりに開通しました」「着工以来、15年ぶりの開通です」にすると、さらに違和感が少なくなるような。
竣工式の取材に来たアナウンサーが興奮して言いそうな感じ。
主語を入れて「○○トンネル、着工15年ぶり開通」にすると、新聞の見出しで使うとこありそう。


…送信前に読み返したら、やっぱ違和感あるなあ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

tobirisu2021年03月13日
> Tさん 

〈「ぶり」にはそのことが起きることへの期待感が言外に含まれているので、「5年ぶりの大事故」といったような、よくないことには使わないとされてきた〉
 と断定しているってことは、半ば定説なんですかね。

 この(例2)の受け付けません。
 一般にはほぼ誤用なのでは。
 これも半ば定説なら困ってしまいますが。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Tさん 2021年03月13日
> tobirisuさん 

> と断定しているってことは、半ば定説なんですかね。
【好ましくないことが「○日ぶり」…違和感ある?】(『毎日ことば』/毎日新聞 校閲センター)
https://mainichi-kotoba.jp/enq-283
************************
実は出題者は「よくないことには使わない」という説を知らなかったのですが、職場でベテランら何人かに尋ねても一様に「初めて聞いた」「知らなかった」という返答ばかり。報道の文章に慣れているせいもあるのか、新聞校閲者には「ぶり」の使い方に制約があるという認識は薄いようです。
************************
報道記者として日常的に言葉を扱っている人でも、定説どころか認識すらしていなかったみたいですね。
学者の常識世間の非常識、ってやつでしょうか。違うか。

ちなみに「ぶり」に対する報道各社(関西地区)の意識はこんな感じだそうです。
【「ぶり」の使い方」】(道浦俊彦TIME『新・ことば事情』vol.7754/読売テレビ)
https://www.ytv.co.jp/michiura_time/contents/202010/nm8czkfe1datp70a.html
産経新聞の《意識していない。制約もない。言い換えもしない。》は、MBSの「やらかしからの言い換え推奨」に比べるとユルいというか、そこは活字メディアの方がより敏感になるところじゃないのかと。

あと、興味深い論文がありました。岡山大学の『岡大国文論稿』に載ったもので、著者は北京語言大学日本語学部の教授です。
【「(時間数詞)ぶりにV」構文に関する一考察 ー「初めて」との共起関係を中心にー】(愈 暁明)
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/6/60088/20200713102023867524/okadaironkou_35_75_66.pdf
http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ja/60088
サンプル数13とは言え、「着工後、十年ぶりに完成」には研究者でも否定・疑問派が多いので、こっちの「半ば定説」はさすがにないと思います。

そろそろブリじゃなくてボロが出るんでこの辺で。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

tobirisu2021年03月14日
> Tさん 

 うーむ。
 いろいろあるんですね。圧倒されます。
 こういう混乱状態の場合、当方の方針はほぼ決まっています。
「無難なほうとる」きっぱり <( ̄- ̄)>。
 この場合なら、「ぶり」は吉事にしか使わないようにします。
 個人的には、許容されるものもあると思います。本文に書いたように、
「これだけの規模の大地震は9年ぶり」
「これほどの低成長は3年ぶり」
 の形なら違和感が薄れますが、それも「単なる主観」なのでしょう。

「(時間数詞)ぶりに初めて V 」の構文
 これは×でしょうね。
「四十四年ぶりに初めて同期会ができた」だと、「44年ぶりの再会」でもあるので、なんとも微妙なような。
 わざわざ使う理由はないでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年03月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031