mixiユーザー(id:16425034)

2021年04月03日12:00

46 view

現時点での「恒星間宇宙船」の意義とは?「BS計画」で考えてみました

宇宙人「宇宙人が地球へ訪問できるか、またはその意思を持ち得るかどうか」という設問は同時に「地球人が将来、太陽系外の恒星系へ移動できるか、またその意思を持ち得るか」という設問とも表裏一体の関係になると思います。この設問を全否定してしまうと何んだか地球人の文明が太陽系から一歩も外の世界へ出る事なしに終わるような気がして寂しくなります。
ぴかぴか(新しい)そこで現時点で地球上で唯一『仮説的な恒星間宇宙船…』で終わらずに具体的な計画として存在している『ブレイクスルースターショット』計画について考えてみました。

宇宙人今回のテーマーからは余談になりますが「仮説的な宇宙船」についての過去の日記がございます。ご興味のある方はこちらも覗いてみて下さい。

JAXAに学ぶ未来の宇宙船(推進方法):2019年1月9日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969925404&owner_id=16425034&org_id=1969884076

NASAに学ぶ‘仮説的’な未来の宇宙船(推進方法):2019年1月9日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969925942&owner_id=16425034

マーク・ミリスの仮説的な7つの宇宙航法:2019年1月9日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969927226&owner_id=16425034&org_id=1969925942

ぴかぴか(新しい)では本題に入りますね。まずはこちらのリンクをご覧下さい。「ブレイクスルースターショット』計画についてQ&A方式で解りやすく解説してあります。

目【解説】ホーキング博士らの超高速宇宙探査計画
アルファ・ケンタウリってどんな星?着いたら何をする?などなどやさしく解説
2016年4月18日: ナショナルジオグラフィック日本版
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/041500139/

『ブレイクスルースターショット』計画とは、撮影した映像を地球へ送る事のみの機能しかない『スターチップ(Star Chip)』と名付けられた切手サイズの超軽量宇宙船「ナノクラフト」をアルファ・ケンタウリ星系へ送る計画です。ナノクラフトはレーザー光を受け止める目的の1m四方サイズの太陽光帆で加速して光速の20%までの速度にまで到達させ、目的地のアルファ・ケンタウリ星系の惑星『プロキシマb』の近くまで接近させ、その姿を撮影させて『そのままの速度で…』通過させてしまう計画です。

目的地のアルファ・ケンタウリ星系の惑星『プロキシマb』は太陽系の外で最も近い4.24光年の距離にあります。

ケンタウルス座・アルファ星 (a Cen) [Wikipedia]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%BA%A7%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E6%98%9F

目太陽系から最も近い地球型惑星発見、過酷な環境
54日間念入りに観測、生命存在の可能性は?
2016年8月26日: ナショナルジオグラフィック日本版
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082600316/

話を宇宙船に戻します。
加速に必要なレーザーは標高の高い位置にある天体望遠鏡と同じ様なロケーションにレーザー発振器を設置し、1,000憶ワット(100ギガ・ワット)の送信エネルギーで宇宙船の太陽光帆に命中させます。ナショナルジオグラフィックの記事にもありますがこの計画の理論構成はR・フォワードがすでに30年以上前に行っています。R・フォワードの計画ではレーザー発振器は宇宙空間に設置する予定でしたが、装置がかなり大型化するのでロケットによる数十回、ひょっとすると100回以上を超す打ち上げによるレーザー発射装置建設パーツの輸送などのコストを考えると宇宙設置案は断念せざるを得なかったようです。
しかしレーザー発射装置のロケーション以前に考えるべきは100ギガ・ワットの送信出力のレーザー光の熱に耐える事が出来る太陽光帆の素材の開発が可能なのかどうかとう問題ではないでしょうか。ちなみに現在世界中の軍事技術者が開発に奮闘している航空機やミサイルなどの飛翔体を破壊できるレーザーガンが目指している送信エネルギーが10メガ・ワット程度なのでスターショット計画に必要なレーザーエネルギーの100ギガ・ワットは4桁ほどミサイル破壊用レーザーガンより大きくなります。そんなエネルギーのレーザー光を照射されれば大抵のモノは溶けてしまいますね。もちろん、レーザー光帆の材質開発以前の問題として世界中の軍事関係者が莫大な予算を使い開発をしているレベルと比較してみると、その様な巨大なエネルギーのレーザー送信機が完成するのはかなり先の事になりそうです。
レーザーの出力が莫大になるのは比較的に短い距離で必要な速度まで加速しなければならない理由と、そもそも相対論的な速度まで加速する為に莫大なエネルギーが必要になる事があります。光速の20%の速度と簡単に言いますが、この速度は約秒速6万キロメートルであり太陽系内を移動する天体の早い方の速度と考えられる秒速100キロメートルの600倍になります。どうしても加速するために大きなエネルギーが必要になります。

≪計画を実現できたとして、それだけのコストに見合うだけの成果があるのか?≫

誰もがまず考える疑問ですね。話が早いので結論から申し上げますと、「ない!」です。
ナショジオの記事にもあるようにかなりの高速で移動する物から撮影するので手ブレ写真になる事は間違いないので正確な撮像を地球に送る事は難しいでしょう。
そもそも切手サイズの宇宙船に搭載するピンホールレンズよりもさらに小さい光学系で高速移動する乗物からまともな写真を撮れると考える方がどうかしている…

では、莫大な費用をかけて「ブレイクスルースターショット」計画を進める意義はあるのか?

これが純粋な科学的好奇心を満たす目的の計画ならば「まったく無い!」ですね。しかし、この計画が太陽系に一番近い恒星系に何か『物質的な存在…』を送る事に意味を持つのであれば話は別です。そう、これは科学的な探査機ではなく宇宙旅行そのものを目的としたある種のモータースポーツだと理解するべきですね。それも、競争ではなく冒険の方。

総論としては、科学的成果は期待できないがある種のスポーツだと考えれば十分に価値があるという事ではないでしょうか。少なくとも私ならそう理解をします。

目的地に存在している可能性を取りざたされている仮説惑星「プロキシマ・ケンタウリ b」を直接観測する可能性については、EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)の様な大型の天体望遠鏡を束ねて地球の直径に相当する望遠鏡システムを創り上げる方法などを使用できる事に期待したいですね。近い将来には太陽系内の軌道上に打ち上げられる複数の宇宙望遠鏡を利用して海王星の公転軌道の直径45AU(約67憶5千万キロ)の合成開口式の電波望遠鏡による観測なども可能になるかもしれないです。情報量としては現地に小型それも子供のおもちゃサイズの宇宙船を送るよりは太陽系に観測装置を創るほうが遥かに大きいです。

宇宙人最後になりますが、未来の可能性を閉ざしてしまう様な言説は例え正論であってもつまらないと私は考えます。そして「ブレイクスルースターショット」計画以外の方法の恒星間旅行計画が現実性を持つ形で立ち上がる事を期待しつつこの日記を終わりたいと思います。

うまい!ご愛読ありがとうございます。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する