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2021年03月15日14:02

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ハビタブルじゃないのにハビタブルゾーンの話をすると…

理科年表の「恒星の物理的諸量」の表をなんとなく見ていたら、表が扱っている範囲のO5V~M5Vまでの全ての主系列星ついてハビタブルゾーンの距離を知りたくなり独自に計算して追加の表を作ってみたのが前回の日記でした。ハビタブルゾーンとはいえ事実上は太陽から地球までの距離(軌道長半径)で地球が受ける恒星(太陽)からの光量と可視光以外の輻射エネルギーと等しい量の距離をそれぞれのタイプの恒星に対して計算で求めた訳です。

※【主系列星全てのハビタブルゾーンを集めてみました。無駄な労力…】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978669632&owner_id=16425034

この表で目につくのは質量の大きな恒星であるO5V星の太陽と同じ明るさの距離と、太陽から受ける輻射エネルギーが同じになる距離との違いが7倍近くある事です。これは、この恒星の輻射補正が−4もあるので可視光による放射量に対して39倍も紫外線の輻射量が多い事が原因だと思います。
この輻射補正はスペクトルの真ん中に位置するF型の恒星を中心とした領域では0になります。つまりこの型の恒星では明るさと輻射エネルギーがほぼ同じと考えてよいでしょう。
ちなみに太陽は−0.08で、絶対実視等級が4.82 に対して絶対輻射等級は4.74 になります。
この可視光による等級と輻射エネルギー全体の等級の乖離は質量の大きな恒星だけでなく質量の小さい赤色矮星M型の恒星でも大きくなります。質量の小さいM型の恒星では輝くスペクトルの中で最も強い輝線が赤外線になる為に可視光に対する赤外線の割合が大きくなる訳です。仮にこの系に存在する地球型惑星に生物が存在したと仮定すると、その生物の多くがガラガラヘビの様に赤外線に感応する能力を発達させているかもしれないなどと考えてみると面白いですね。

じゃあ、その理屈ならO型の恒星系に仮に地球型惑星が存在したら紫外線に…

それはない!!

紫外線は生物の細胞を破壊する危険な放射線なので可視光より遥かに多い紫外線のシャワーを浴びせる恒星系に地球の様に生物を生存させる惑星は存在できないでしょう。また、このクラスの恒星は100万年くらいで超新星爆発を起こして主系列星の座から姿を消すので生物を進化させる時間がそもそも存在しません。

ただ、そう言ってしまうと話が終わってしまうのでここからはこの恒星系に仮に地球が存在したとしたらという話をします。
《まずO5V型太陽はどの様に見えるか?》
704AUという軌道半径の距離になるので太陽の40倍の半径がある巨星でも地球からの眺めでは視半径が0.028と小さいので太陽や月ではなくただの星にしか見えないですね。

《しかし太陽と同じくらい明るいのでは?》
太陽と同じ明るさの距離が115AUに対して同じエネルギーの距離は6倍以上離れているので36分の1以下の明るさになるので非常に暗いと思います。

そしてその1年の長さ(周期)は3,153年。公転軌道の長半径の704AUは1光年の63、197AUに対して0.0113光年に当たります。こういう単位でみると改めて遠い距離に存在する事が分かりますね。

猫こんな所で終わりかな?

対極に位置するM5V型の恒星系の話になるともう少しだけハビタブル惑星の成立に信憑性が持てそうです。いずれその話もしたいですね。

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