今日の出来事：１７０３年−元禄赤穂事件：赤穂浪士４７人が吉良義央邸に討ち入り、１８６８年−戊辰戦争：鳥羽・伏見の戦い（橋本の戦い）、１８７７年−西南戦争：私学校の生徒が新政府に反発して火薬庫襲撃、１９４５年−第二次世界大戦：ヴィルヘルム・グストロフ号事件
今日は、元禄赤穂事件：赤穂浪士４７人が吉良義央邸に討ち入りです。元禄１４年３月１４日（西暦１７０１年４月２１日）、赤穂藩主の浅野内匠頭長矩が、高家旗本・吉良上野介義央に対して、江戸城殿中において刃傷に及びました。浅野長矩は殿中抜刀の罪で即日切腹となり、赤穂藩は改易となりました。遺臣である大石内蔵助良雄ら赤穂浪士４７名（四十七士）が、翌１５年１２月１４日（１７０３年１月３０日）深夜に吉良邸に討ち入り、主君が殺害しようとして失敗した吉良義央を殺害しました。吉良義央が在邸確実の日を探るため、大高源五を茶人・山田宗偏に弟子入りさせました。山田宗偏は本所に茶室を構えていたので、吉良義央から吉良家の茶会に招かれていました。その山田宗偏から、吉良家の茶会が１月３０日にある事を聞き出しました。また、吉良邸に招かれて、「源氏物語」や「伊勢物語」を進講したり、歌の指導をしていた国学者・荷田春満が大石良穀の友人でした。荷田春満を通じて吉良邸茶会が１月３０日にあり、その日は泊まり客があるとの情報を兄で弘前藩家臣の大石良麿とともに、米沢町の堀部弥兵衛宅を訪れた大石良穀から入手しました。大石内蔵助は、この２つの事から確かな情報と判断し、１７０３年１月３０日を討ち入りの日と決定しました。江戸潜伏中に同志の脱盟があり、田中貞四郎、小山田庄左衛門、中村清右衛門、鈴田十八、中田理平次、毛利小平太、瀬尾孫左衛門、矢野伊助の８名が姿を消しました。最後まで残った同志は４７人でした。四十七士は両国橋西の米沢町にあった堀部弥兵衛の借宅に集まり、その後３か所の集合場所に分かれました。吉田兼亮らは集合場所の本所林町５丁目にある堀部安兵衛の借宅に行く途中、竪川の河岸地にある「亀田屋」という茶屋で「そば」などを食べながら時を過ごしました。これが「討ち入りそば」となってその後、現在まで語り継がれていきます。それぞれの集合場所から本所吉良屋敷裏門近くの前原宗房の借店を経て、表門隊と裏門隊の二手に別れて吉良邸に討ち入りました。表門は大石内蔵助が大将となり、裏門は嫡男・大石主税が大将となりました。２時間近く吉良家家臣と激闘を繰り拡げた後、吉田兼亮や間光興、武林隆重らが台所横の炭小屋から、声がするのを聞いたため中へ入ろうとすると、皿鉢や炭などが投げつけられて２人の吉良家臣が中から斬りかかってきました。この２人を切り伏せた後、奥で動くものがあったため、間光興が槍で突きました。出てきたのは老人で脇差で抵抗しようとしましたが、武林隆重に一刀のもと斬り捨てられました。老人であり、白小袖を着ている事からこの死体をよく調べてみると、面と背中に傷があったので吉良義央に間違いないと判断し、一番槍の間光興が首を落としました。そして合図の笛を吹いた後、玄関前に集合した赤穂浪士たちは表門番人の３人に、吉良の首を見せて間違いなく吉良義央である事を確認しました。吉良家は小林平八郎、清水一学、鳥居利右衛門正次、新貝弥七郎安村、須藤与一右衛門、斎藤清右衛門、左右田源八郎、大須賀次郎右衛門、小境源次郎、鈴木元右衛門、笠原七次郎、榊原平右衛門、鈴木松竹、牧野春斎の他、足軽２名の死者を出し、負傷者は２３人でした。赤穂浪士の負傷者は近松勘六、原惣右衛門の２名でした。討ち入り後は、吉良邸内の厳重な火の始末をし、吉良義央の遺体を寝所に安置した後、吉良の首は潮田高教の持つ槍の先に掲げられて吉良邸を出発し、回向院へ向かいましたが受け入れられなかったため、浅野長矩の菩提である高輪泉岳寺に向かいました。この時、吉田兼亮・富森正因の両名を、討ち入りの口上書の写しを持って大目付・仙石久尚のもとに出頭させました。午前８時頃、泉岳寺に着き、住職・酬山長恩によって受け入れられ、浅野長矩の墓前に吉良義央の首級を供えると、仇討ちを報告しました。また、この際に吉田兼亮の足軽の寺坂信行が立ち退いて、赤穂浪士は４６人となりました。
次に、戊辰戦争：鳥羽・伏見の戦い（橋本の戦い）です。淀城を失った旧幕府軍は、大阪平野への新政府軍の進出を阻止するため、京都平野の最南端で石清水八幡宮の鎮座する男山と、旧幕府軍の本営が置かれた橋本陣地に布陣しました。橋本には、土方歳三が率いる「新選組」などを擁する幕府軍の本隊が陣を張りました。これに対して新政府軍は、今まで戦闘に参加していた薩摩藩・長州藩・土佐藩・鳥取藩の四藩兵に加え、この日から芸州（広島）藩兵が戦列に加わりました。右翼軍の薩摩藩兵は橋本と西側から男山を攻撃、左翼軍の長州藩兵は正面より男山を攻撃、薩長芸の合同の別働隊は迂回して男山を東側から攻撃の３つに分かれ、それぞれが木津川を渡河して男山〜橋本間の戦線に対して攻撃を開始しました。ここを突破されれば、新政府軍の大阪平野への侵入を許す事になるので、旧幕府軍は必死の防戦を行いました。この為、新政府軍はこの戦線の突破が出来ませんでした。しかし、世良修蔵が率いる薩長芸による別働隊が、木津川を渡河後に大きく迂回し、男山の東側陣地を急襲し、激戦の末にこの陣地を突破する事に成功しました。この新政府軍別働隊の突破により、それまで善戦を続けた旧幕府軍に動揺が走りました。この時、それまで静観していた淀川対岸の山崎に布陣する津藩兵から、砲撃を受けました。元々、津藩兵は山崎守衛の任務についており、「鳥羽伏見の戦い」が始まっても新政府軍と旧幕府軍のどちらにも味方せずに静観をしていました。前日、新政府軍に味方せよとの勅命が降った事により、新政府側として旧幕府軍に攻撃を開始しました。これにより男山と橋本の戦線を守る旧幕府軍は、東は新政府軍別働隊、西は津藩兵から攻撃を受け、そして正面からは新政府軍主力部隊の攻撃を受ける事になりました。ついに、旧幕府軍は力尽き、戦線を放棄して大阪に敗走しました。この戦いで、京都「見廻組」を率いて坂本龍馬を暗殺した佐々木只三郎が、重傷を負い死亡します。両軍の損害は、新政府軍が約１１０名、旧幕府軍約２８０名と言われています。旧幕府軍が大阪城に到着した時、既に旧幕府軍の総大将・徳川慶喜の姿はありませんでした。徳川慶喜は、僅かな側近と老中・板倉勝静、老中・酒井忠惇、会津藩主・松平容保、桑名藩主・松平定敬と共に密かに城を脱出し、大坂湾に停泊中の幕府軍艦「開陽丸」で江戸に退却しました。総大将が逃亡した事により旧幕府軍は継戦意欲を失い、大坂を放棄して江戸や自領へ帰還しました。会津藩軍事総督・神保修理は戦況の不利を予見し、錦の御旗が翻るのを目の当たりにして将軍・徳川慶喜と主君・松平容保に恭順策を進言しました。これが将軍の逃亡劇の要因を作ったとされ、会津藩内の抗戦派から睨まれる事となり、敗戦の責任を一身に受けて自刃する事になります。朝廷では、慶喜追討令が出され、旧幕府は朝敵とされました。新政府軍の長州軍が空になった大坂城を接収し、京坂一帯は新政府軍の支配下となりました。こうして、西日本諸藩と尾張・桑名藩は新政府に恭順しました。海外列強は局外中立を宣言し、旧幕府は国際的に承認された唯一の日本政府としての地位を失いました。そして、東征軍が組織されて進軍を開始します。以後、「戊辰戦争」の舞台は「甲州勝沼の戦い」、江戸市街での「上野戦争」や「市川・船橋戦争」、「北関東戦争」、「北越戦争」、「秋田戦争」、「会津戦争」、「箱館戦争」と続いていきます。
その次に、西南戦争：私学校の生徒が新政府に反発し、火薬庫襲撃です。「明治六年政変」で下野した西郷隆盛は１８７４年、鹿児島県全域に「私学校」とその分校を創設しました。その目的は、西郷と共に下野した不平士族たちを統率する事と、県内の若者を教育する事でした。外国人講師を採用したり、優秀な私学校徒を欧州へ遊学させる等、積極的に西欧文化を取り入れ、外征を行うための軍隊を創造する事を目指していました。やがてこの「私学校」はその与党も含め、鹿児島県令・大山綱良の協力のもとで、県政の大部分を握る大勢力へと成長していきました。一方、近代化を進める中央政府は１８７６年３月８日に「廃刀令」、８月５日に「金禄公債証書発行条例」を発布しました。この２つは帯刀・俸禄の支給という武士最後の特権を奪うもので、士族に精神的かつ経済的なダメージを負わせました。これが契機となり、１０月２４日に熊本県で「神風連の乱」、２７日に福岡県で「秋月の乱」、２８日に山口県で「萩の乱」が起こりました。内務卿・大久保利通は、内閣顧問・木戸孝允を中心とする長州派の猛烈な提案に押し切られ、「鹿児島県政改革案」を受諾しました。そして、１８７６年１月に「私学校」の内部偵察と離間工作のため、警視庁大警視・川路利良が中原尚雄以下２４名の警察官を、「帰郷」の名目で鹿児島へと派遣しました。これに対し、「私学校」生達は中原尚雄らの大量帰郷を不審に思い、その目的を聞き出すため警戒していました。１月２９日、政府は鹿児島県にある陸軍省砲兵属廠にあった武器弾薬を大阪へ移すために、秘密裏に「赤龍丸」を鹿児島へ派遣して搬出を行いました。この搬出は陸軍が主力装備としていたスナイドル銃の弾薬製造設備の大阪への搬出が主な目的で、山県有朋と大山巌という陸軍内の長州閥と薩摩閥の代表者が協力して行われました。陸軍はスナイドル銃を主力装備としていましたが、その弾薬は薩摩藩が設立した兵器・弾薬工場が前身である鹿児島属廠で製造され、ほぼ独占的に供給されていました。後装式（元込め）のスナイドル銃をいち早く導入し、集成館事業の蓄積で近代工業基盤を有していた薩摩藩は、イギリスから設備を輸入して陸軍省創設以前から、スナイドル弾薬の国産化に成功していた唯一の地域でした。１月３０日、「私学校生」は中央政府が泥棒のように薩摩の財産を搬出した事に怒り、予想される衝突に備えて武器弾薬を入手するために、夜に草牟田火薬庫を襲って武器類を奪取しました。この夜以後、各地の火薬庫が次々と襲撃され、俗にいう「弾薬掠奪事件」が起きました。「私学校」幹部の篠原国幹・河野主一郎・高城七之丞ら７名は会合し、谷口登太に中原尚雄ら警視庁帰藩組の内偵を依頼しました。その日の暮、谷口登太の報告により中原尚雄らの帰郷が西郷暗殺を目的としている事を聞きました。篠原国幹・淵辺群平・池上四郎・河野主一郎ら「私学校」幹部は善後策を話し合い、小根占で猟をしていた西郷隆盛のもとに彼の四弟・西郷小兵衛を派遣しました。また、「弾薬掠奪事件」を聞き、吉田村から鹿児島へ帰ってきた桐野利秋は篠原国幹らと談合し、辺見十郎太ら３名を小根占へ派遣しました。西郷小兵衛と辺見十郎太から「弾薬掠奪事件」の顛末を聞いた西郷隆盛は「ちょしもたー」（しまった）と言葉を発し、暗殺計画の噂で沸騰する「私学校徒」に対処するため鹿児島へ帰りました。帰る途中、西郷を守るために各地から「私学校生」が馳せ参じ、鹿児島へ着いた時には相当の人数になっていました。「私学校党」は中原尚雄ら６０余名を一斉に捕縛し、苛烈な拷問を行った結果、大警視・川路利良が西郷隆盛を暗殺するよう中原尚雄らに指示したという「自白書」がとられました。多くの「私学校生」は激昂して暴発状態となりました。こうして、「西南戦争」開戦となります。
最後に、第二次世界大戦：ヴィルヘルム・グストロフ号事件です。「ヴィルヘルム・グストロフ号」は、ドイツのナチス党が工場労働者・農民・会社員等の一般勤労者に安価な海外旅行を提供するために建造した客船です。ゴーテンハーフェン（現・ポーランドのグディニャ）の港から東プロイセンの避難民や傷病兵を乗せて出航した後にソ連海軍の潜水艦に撃沈され、海事史上最大の犠牲者を出しました。船名は、１９３６年２月４日にユダヤ系クロアチア人の医学生ダヴィッド・フランクフルターに射殺された、スイスにおけるナチス党の指導者ヴィルヘル・グストロフに由来します。本来、「アドルフ・ヒトラー」と命名する事が予定されていましたが、ヒトラーの希望により「ヴィルヘルム・グストロフ」に変更されました。これは、ユダヤ人に殺害された最初のナチス党員の名を利用したプロパガンダでした。１９４５年１月２１日、ソ連軍の猛攻「東プロイセン攻勢」にさらされる傷病兵や民間人２００万人を客船や貨物船、軍艦などあらゆる種類の船を動員して、ドイツ西部へ海路脱出させる為の海上避難輸送計画「ハンニバル作戦」が発動されました。「ヴィルヘルム・グストロフ」もこの作戦に投入される事となり、１月３０日午後にゴーテンハーフェンを出港しました。乗組員１７３名、第２潜水艦訓練部隊の海軍軍人９１８名、海軍女性補助員３７３名、傷病兵１６２名、難民４４２４名の計６０５０名が乗船していたとされていましたが、元乗組員のハインツ・シェーンが戦後調査したところに拠ると乗客は１０５８２名、８９５６名が難民で殆どが女性・子どもであったと判明しました。装備されていた救命用具は１万名を越える乗客の半数分に満たない数でした。「ヴィルヘルム・グストロフ」は２１時頃、ポンメルン地方沿岸の３０ｋｍ沖合で、ソ連潜水艦「Ｓ−１３」に発見されました。約１５分後、約７００ｍ離れた「Ｓ−１３」から放たれた４本の魚雷の内３本が「ヴィルヘルム・グストロフ」の左舷に命中しました。船内でパニックが起こり、多くの難民が救命ボートや救命胴衣に殺到しました。救命用具のいくつかは混乱の中で失われました。無線機は使用不能となり、発光信号で救援を求めました。魚雷攻撃から約１時間後の２２時１５分頃に「ヴィルヘルム・グストロフ」は沈没し、多くの人々が凍る海に投げ出されました。この時期のバルト海の水温はマイナス１０℃からマイナス１６℃にまで下がり、海上には氷が漂っていました。「レーヴェ」が４７２名を救出し、沈没直後に駆けつけた水雷艇「Ｔ−３６」は５６４名を救出しました。更に掃海艇「Ｍ−３４１」が３７名、魚雷練習艇「ＴＳ−�供廚�９８名、貨物船「ゲッティンゲン」が２８名を救出しました。翌３１日朝、難民輸送中の貨物船「ゴーテンラント」が９名を海から救い上げ、訓練魚雷回収艇「ＴＦ−１９」が７名、監視艇「ＶＰ−１７０３」が乳児１名を救出しました。沈没での生存者は１２１６名、犠牲者は９３４３名（ほとんどが一般市民で、半分以上が子供）とされています。しかし、元々が何人乗っていたか不明なため、実際の死者の数がはっきりとわかっていません。「ヴィルヘルム・グストロフ」が投入された避難民輸送ではソ連潜水艦の雷撃を受けて、２月１０日に客船「シュトイベン」、４月１６日に客船「ゴヤ」が沈没し、それぞれ４５００名、６６６６名の難民など大勢の犠牲者が出ました。１９４５年４月までに、ドイツ海軍は東プロイセンからドイツ西部へ２５０万人の軍民を避難させる事に成功しましたが、その過程で３３０００人の難民や軍人が亡くなりました。「ヴィルヘルム・グストロフ」は、ポンメルン地方（現・ポーランド領ポモージェ）の沖３０ｋｍの深さ４５ｍの海底に眠っています。
今日の誕生日：鳥井信治郎、フランクリン・ルーズベルト（第３２代アメリカ合衆国大統領）、長谷川町子、横山ノック、柳ジョージ、芥川澄夫（トワ・エ・モア）、団時朗、フィル・コリンズ（ジェネシス）、土屋圭市、石川さゆり、川添智久（元ＬＩＮＤＢＥＲＧ）、松本典子、加藤紀子、吉村由美（ＰＵＦＦＹ）、新井貴浩、板倉俊之（インパルス）、梅津弥英子、久保田智之、徳山秀典、琴奨菊和弘、森下悠里、尾上松也（２代目）、須藤敬志（トレンディエンジェル）、千賀滉大、岩佐美咲（元ＡＫＢ４８）、清原果耶
今日の記念日：孝明天皇祭
今日の「今日訓」：本日は、孝明天皇が崩御した日なので「孝明天皇祭」となりました。皇居内の皇霊殿と孝明天皇の陵所である京都の月輪東山陵で祭典が行われます。
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