弁護士や職業的社会福祉士や、大学の特任教授やなど知識人の人たちが、いろいろ職業として生活保護受給者に関わってくれるのは、何も言えない当事者にはありがたい。が、それらの人は決して「当事者」を代弁することなどできないことはわきまえておいてほしい。生活保護受給者を、「利用者」といいかえれば何か受給者の負っている負の側面が解決したかのような考え違いをする知識人もいるし、「受給者」を「利用者」と言い換えれば差別がなくなるとか、とんでもない能天気なことをいう生活保護受給者さえいる。この点、「利用者という言い換えについて、何の議論もされてはいない」といった岩田正美日本女子大教授はさすがだと感心した。生活保護受給者本人である私が、文章を書く時に「受給者は、利用者と言い換えてください」と、ある知識人はいったが、こういう人たちは、生活保護受給者が保護の決定を受け、実際に保護費を受け取るまでに、どれほどの恥辱を味わうものか身に染みて知ることのないことは、日本の自民党右派を支える経済的政治的上層と変わりはしない。生活保護裁判の「支援者」などと言うのも、とんでもない詭弁だ。共産党系の「全生連」と相互に依拠しあう「裁判支援集会」など、それを運営するのは決して生活保護当事者ではない。ほとんどの「運営」は共産党員として共産党系大衆団体の拡張、引いては共産党系統一戦線の構築を目的とするものでしかない。私が生活と健康を守る会の地方組織の事務局長だった時、「会長」（共産党地区委員でもあった）は「生活保護裁判などに深入りするな。目的は、党勢の拡大だから」と、生活保護裁判に関わる私に忠告した。この「会長」は、ある生活保護受給党員を無理に裁判の原告にした。彼は上から無理にそうされたので、居住地区も性別も氏名も年齢もすべてを「非公開」とした。この地区の生活と健康を守る会の党員幹部は、「市民と野党の共闘」統一戦線づくりに、生活保護受給者の運動を利用しようとしたのだが、この地区ではそうはいかなかった。
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