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2020年06月12日13:16

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人はなぜ税金を払うのか

浜矩子氏の新著、「人はなぜ税金を払うのか」を読む。
この本の中で、氏は一貫して「租税会費説」を否定しています。
租税会費説とは、税金は自分が公共サービスを受けるために払うというものです。
この考えだと、会費(税金)を払えない人は公共サービスを受けることができなくなります。いや、そうじゃないんだ、税金は自分のためでなく公共のため、みんなのために払うものなのだというのが氏の一貫した考えです。

本の中で俳優の中井貴一さんのエピソードを紹介しています。
東日本大震災のとき、中井さんが「俳優の私に何が出来るか。どうしたら被災地の皆さんのお役に立てるだろう。考えた末、やっぱりたくさん仕事をして、たくさん税金を払うのが一番だろうと思うにいたった。」と語ったというのです。
浜氏は見上げた心意気である、と絶賛しています。

ただ、前提は政府が血税を無駄なく使うということです。
GO TOキャンペーンも胡散臭さがプンプンします。
私が総理なら、交通費、おみやげ、宿泊など何にでも使える一万円の旅行クーポンを国民一人一人に配ります。いや、そもそもGO TOキャンペーンが必要かどうかを熟慮します。それって不要・不急じゃないの?全額を医療体制の強化に使った方がいいんじゃないの?

本の中で日本の消費税についても詳しく解説し批評しています。
私はこれを読んで初めて日本の消費税がはっきりと分かりました。
消費税と言うからなんだかよく分からなくなるのです。ヨーロッパのように付加価値税(VAT)とするべきでしょう。
これを実施するのにインボイスを導入しなかったので、五千億から六千億が益税として誰かの懐に入ってしまっているようです。インボイス導入は2023年らしいので、ちゃんと導入するか監視していきましょう。

浜氏はMMT(Modern Monetary Theory、近代貨幣理論)についても批判をしています。最初のMはModernでなく、Mad( 気が狂っている)のMだろうと。
私もMMTには懐疑的です。そんな虫のいい政策があるはずがありません。

「知の文明開化抜きで始まった日本の近代税制」という章にも頷けます。
日本は、租税概念の変化をもたらした、ルネッサンス・啓蒙主義、市民改革を経験せず近代に滑り込んだというのです。
私が財務大臣なら、かねてからの持論である、サラリーマン皆確定申告、を実現させます。

私が文部大臣なら、この本を中学・高校の課題図書にします。

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