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2020年03月24日00:31

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『フォトンベルトの真相』読書感想文

まあ、“フォトンベルトの真相”って本はいわゆる、
トンでも本なわけで、それにいちいち突っ込むのも
大人気ないのだけど。
だって、突っ込むのが好きなんだもん。
 
21ページ目に「続に言う、ぶっ飛び情報」
と人の話を揶揄しておきながら、ご本人のこの著書も、
ずいぶんぶっ飛びな内容である。
 
まず、「フォトンベルトとは何ぞや?」
という方の為に軽く説明すると、
銀河系に帯状に存在している
と一部の人が主張しているもので、
高エネルギーをもった光子のこと。
強い電磁波も帯びてるらしい。

近年の異常気象から、戦争、人心の荒廃も
全部このフォトンベルトに近づいているからだ
と言う人もいる。
 
そもそも、災害というのは、
大昔から頻繁に起こっているもので、
増えたり減ったりしているだけだし、
今は情報の伝達が簡単になったから、
それらの情報に触れやすくなったから
多くなったような気がするだけなのだけど、
本を書くほどの人物が
そうゆうことも知らないというのは、
イタイ。
 
紀元前の世界なんて、氷河が溶ける影響で、
世界中が、洪水のオンパレードだった痕跡が残っている。
 
まず、“はじめに”あたりから、
フォトンベルトの説明から入ってるんだけど、
プレアデス星団で青く輝くそれが見つかったって
あるんだけど、
もともとプレアデス星団って若い恒星が
集まってできてるんで、青く光っているのは当たり前で、
そこに仮にフォトンベルトが青く光ってたとしても、
区別は困難だろうなと・・・

いやそもそも、フォトンベルトは光子だというのだから、
そのまんま・・・

で、地球がそのフォトンベルトに
突入するとしているのだけど、同じ銀河系内にあって、
プレアデス星団と太陽系が、
別な方向に移動するということに
疑問を持たないあたりが、
この著者の科学知識のなさを物語っている。

ってか、別の説では太陽系はプレアデス星団の周りを
公転しているとまで言っている。

で、この情報で大パニックを起こしているというのだけど、
誰が何時大パニックを起こしてたのだろうか?
あなた知ってました?
 
この著者が紹介している、
渡邊延朗成る人物の本“フォト・ンベルトの謎”で、
フォトンベルトのことが科学的に書かれている
というのだけど、ざっと見る限り、
光子の説明がちょっと科学的なだけで、
フォトン・ベルトという組成そのものを
科学的に説明していない。

それどころか、風水を持ち出してきているので、
がっかりさ。
 
さらに“…真相”の著者は、マヤ暦を引っ張り出している。

そして何より、すごいのはこの著者、
フォトン・ベルトを信じていない!

はなから科学的な話をするつもりなんてないのに、
科学的にとか言い出し、信じてもないものの説明の為に
冒頭5ページも割いている。

いや、本の全文でずっと
フォトンベルトのことを書いている。
しかも否定しているわけじゃない。
(でも彼のブログではフォトンベルトを否定しているのだ)
 
そもそも、科学的にとかいいながら、
科学的なことは何も書かず、
NASAが知っているのに隠しているとか言い出すのは、
矛盾もはなはだしい。
NASAが公表していないのに
なぜ隠していると知っているのか?
隠しているということは、
内容が知れてないのになぜ科学的だといえるのか?

科学的に証明されているという根拠をNASAが
隠してるからという説明で納得してもらいたいのだろうか?
 
さらにこの著者はマヤ暦についてはマヤの始まった時を
そのマヤ人は紀元前3113年としており、
滅ぶ日を紀元後2012年としている。

マヤ暦はかなり正確にできていることで一応有名で、
だから、マヤ暦の終わりが示す
2012年はこの世の終わりだと、論理飛躍しちまう。

そもそも人類はそれ以前から存在しており、
しかもマヤ文明はとっくに滅んでいる。
もっというなら、マヤ文明が起こったころの地球の自転は
今より速かったので、厳密にいうなら、
マヤ暦は正確ではないという指摘さへもある。
 
やたらと、異変を強調したがってるんだけど、
異変なんてのは宇宙が始まった時点から
ずっと連綿として続いてきたことで、
それが最近の科学技術で見えやすくなっただけなのに、
集中してるようなものいい。
 
これは、この著者に限らず、マスコミが頻繁にやってるし、
宗教家にもそれを指摘したがる人は多い。
周期的という説をあげる人の中にも、挙げる実例が、
自分の欲しい結果だけだったりする。
 
 
■金星の年齢が3600年?

61ページあたりで、金星が実は比較的新しい惑星で、
その証拠に歴史文献を上げている。

古代ヒンズー教の記録には
金星が載っていないということや、
古代バビロニアの記述で、「金星が加わった」
という例を挙げている。

ところが、85ページ目に古代シュメール文化が残した
資料に、しっかり金星を書き入れてあるのだ。

あらあらである・・・。

ちなみにご存知だと思うが、バビロニアより、
シュメールの方が古いし
ヒンズーはもっと最近誕生している。

そもそも金星の自転が逆であることを不思議だというなら、
天王星の自転が横向きだったり、
地球の自転軸が太陽に対して約23度傾いてる事だって
不思議だろうに。
 
 
■DNAの比較

人にしかない特有のDNAという言い方で、
人間は地球外生物ではないか?という説を紹介している。

たとえばチンパンジーと人間では〜98%、
人間とネズミだと70%は同じDNAだけど、
人間にしか見られないDNAがあるのだと・・・。

それって、○○○vs人間の比較だけ?

逆の見方をすれば、猿にしかないDNAや
ネズミにしかないDNAがあるんじゃないの?
それ調べてみたの?と問いたい。
 
 
■惑星X (104〜105ページ)

一時期騒がれけど、実際にはもう古い説で、
存在は科学的に否定されている。

■現実を見抜く力がより要求される時代 (148ページ)

確かにそう思うが、この著者にそれができているとは、
この本を読む限りにおいて思えない。

この著者は最後に『独立個人』になることを、勧めている。

誰もが美味しいという料理を作れる人
というのはいるだろうか?
多数の人に美味しいといわせる料理人はいるだろうけど、
誰をもということは不可能だろう。

『独立個人』とは自分の力を権力システムから
取り戻すことだとこの著者は言う。
つまり、国家の保護を全て不要だとする意味だろう。
それで、普通の生活が成り立つのか?
いや本人がそうゆう生活をしているのか?
リスクを負っても勇気を持ち、ともいう。
自分ひとりの身ならばそれもできようが、
家族や、かかわる人々が居た場合、
そのリスクから逃れる手立てを駆使しないだろうか?

たぶんこれもこの著者はやっていない。

責任と良識というのは、個々人で違うものだ。
自分の正しいは必ずしも人の正しいではない。
となれば、自分の良識は人の非常識である場合も
往々にしてある。
美辞麗句を並べてるだけなら誰でもできる。
実行できることを言うのでなければ、
それはただの戯言であり、独りよがりの無責任でしかない。
そして、この著者は現に、人の言葉を多用して
この本を作っている。およそ独立しているとは言い難い。
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