雨を追い越して（歳をとって良さが分かる話）

オータムストーンというバンドを知っているだろうか。
1999年から2002年まで活動していた。

良いバンドだと思うのだけれどWikipediaに記事すらなく驚いた。

彼らのデビュー時、高校1年生だったぼくは、セカンドシングル「中央特快」（1999.11リリース）が一等お気に入りでMDにエアチェックしたものを飽きるほど聴いた。
というか、今も聴いている。
哀愁を漂わせつつキャッチーなメロディーにちょっと粘っこいボーカルが乗っている。

そんなオータムストーンのデビューシングルが「雨を追い越して」だ。
「JR北海道」イメージ・ソングということもあり、列車に乗った”君”と雨を追い越して行く様子が歌われている。
地味なメロディーが淡々と続き、当時15歳のぼくにはまるで響かず、曲の存在すら忘れていた。
それが36歳の今、オータムストーンで一等好きな曲になってしまったのだから、分からない。

”心を重ねるように僕は君の手をとって 他愛のない話がずっと続いてゆくんだね”
こう歌われるサビで入る”ランララ”のコーラスがひどく良い。
静かに淡々と続く他愛のないふたりのストーリーを思い、こころ惹かれる。