コロナ肺炎禍で、突然中止になるかもと危惧していた展覧会。
8日までだったので、エイヤっと難波・�眦膕阿妨�かった。
近年の若冲人気で、どの催しもうんざりする人出だったのに、今回ばかりは閑散と言っていい状態。のんびり・ゆったり、自分のペースで若冲のミニマル・コスモスに浸ることができた。
もうお馴染みの「鼠婚礼図」だが、何度見ても面白い。
解説には擬人化、とあるが、厳密には「人間の擬動物化」という三浦つとむ説の方が当たりだと感じる。「鳥獣戯画絵巻」と言い、これと言い、日本人のふざけた感性は素晴らしい。
今回のお目当ては、一度も実物と対面していなかった「髑髏図」。
「拓版」という、拓本と同じ技法の版画で、墨一色の中に二つの髑髏が浮かび上がる。
リアルなのか、シンボリックなのか。いや、そんなことはどうでもいい。
表情筋を失った喜怒哀楽から、髑髏が見る側の内面を写す鏡だと気付かされた。
いつも感じることだが、犬っコロ、虫、鶏、植物‥
若冲のモチーフへの接近の仕方は、常に親しみに畏敬を伴なっている。
「一切衆生悉有仏性」ということだろうか。
それに引き換え。
ゆったり絵の前に陣取って「全体を把み」「細部を穿つ」楽しみの最中に、視界を平気で横切る奴らよ。
「人間だけには仏性などあるもんか」とアタマが沸騰しそうになる。
ま、そんな私こそ、真っ先に地獄行き特急券をいただくのだろうが。
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