【日常】周回遅れ

★今日は予定通り、撮り溜めていた映画を消化。昨晩から「レイジング・ブル」(1980)、「アナと雪の女王」(2013)、「サムライ」(1967)と三本。今2が公開中の「アナ雪」だが、私は今日「1」の方を初めて観た。完全な周回遅れだ(笑)。

★私は本でも映画でも、基本的にはゴリゴリの古典主義者で、どんなに評判になっていても、新しい作品にはあまり手を出さない主義。でもこれは、古いものが優れていて、現代のものは劣っていると考えているからではない。

★だがそれでも、スポーツやテクノロジーはともかく、こと芸術系のことに関しては、「新しければ優れている」というというわけではない、とは思っている。いいもんとそうでもないもんの割合は、たぶん今も昔も同じくらいの比率だろう。古典というのは結局、その時代時代の玉石混交の中から歴史の淘汰を受け、それでも残ったいいもののことだ。つまり私が古典主義者なのは、歴史の洗礼を潜り抜け、選ばれてある作品群だと信じているからなのだ。

★あんまり意識してはいないのだが、特に映画に関して、私が何となく「周回遅れ」を好むのには、たぶんそういうわけがあるのだと思う。何年かしてから、それでもみんなが傑作と呼んでいるようなら、重い腰を上げてやっと観てみる、というわけだ。なんか偉そうだけど(笑)。

★こういう見方の方が、効率がいいのは確かだと思う。だけど娯楽や趣味に効率を持ち出すのは、ある意味不純なのも確かだ。第一みんながそんな態度になったら、新しいものなんかできっこないし、いいものも生まれようがない。だから「新しい物好き」をバカにするつもりはない。私は狡猾に、そのおこぼれを頂戴しようとしているに過ぎないのだ。

★まあでも、映画や本に関しては、私はこのズルいやり方が好きだ。そのかわり天文系のいろいろは新しいものに先行投資している方だと思うから、勘弁してほしい(笑)。世の中そうやって持ちつ持たれつなんだと思う。

★…おっとっと、なんかつい一席ぶってしまったが、それはそれとして、あとの撮り溜め分は先週NHK-BSでやってたクロサワ映画の「用心棒」と「椿三十郎」だ。この二本は私の大のお気に入りで、もう何十回観たかわからない。昔録画してDVDに焼いたものも持ってるんだけど、今の機材の最高画質で取っておきたくて、また録画してしまった。

★この二本はとにかく凄い。お話も続編になっているので、続けてみると最高。観てないという人は椅子に縛り付けてでも観せたいくらい面白いんだぞ。みんな観なさい！(笑)。