今年の箱根駅伝は、青山学院大学が昨年の雪辱を果たし、見事に優勝しました。
私は、陸上のことも駅伝のこともよくは知りませんが、テレビ中継の解説の方が繰り返し言っていた「泥くさい練習」という言葉が心に残りました。
今やあらゆるスポーツで科学的な根拠やデータに基づく練習がなされ、いわゆる根性論は時代錯誤とされていますが、青山学院大学は陸上部の寮からグランドまでを365日必ず走って往復しているそうで、ずば抜けた選手はいない中で、記録としては平均よりやや上程度の選手達をそうしたやり方で鍛え上げ、全体として勝てるチームを作っているとのことでした。
もちろん、以前のような水を何時間も飲まないやらせるというようなことは暴挙ですし、現代の科学的な練習を主流にすることは間違いありませんが、その基礎となるものとして、昔ながらの「泥くさい練習」が引き続き大きな役割を果たしていることは言うまでもないのでしょう。
ところで今回の正月休みに、私は大学時代の塾のアルバイト先の先輩と会いました。
この先輩とは、毎年正月休み中に会うのがここ20年位通例になっており、今年もまた会えたということなのですが、この先輩は大学卒業後新卒で入った会社を皮切りに、企画という武器でステップアップを繰り返し、今や日本有数の出版社で役員を務めています。
実はその少し前にも、高校時代の友人と久しぶりに会い、その彼とも1〜2年に一度会う中ですが、彼も社労士事務所に勤務したことををきっかけに人事のスペシャリストとなり、今はこちらも誰もが知るIT企業の執行役員となっているのです。
二人とも会社は5〜6社目だと思いますが、こういう人こそが今の時代で成功しているサラリーマンで、これからの時代のキャリアアップの先駆けとも言えると思います。
二人に共通して言えるのは、実に沢山の人と交流してよく情報交換をしていることで、話していると様々な業界の生きた情報を聞くことができ、さらには二人とも今も誘われている会社があるとのことで、本人が意にしているかに関わらず、自分の実力が情報交換の場でアピールされているようにも感じます。
二人がやっていることも結局は今や死語となった"飲みニュケーション"のようなもので、「泥くさいやり方」そのものであり、もちろん時代に適応したスキルというものは当たり前のでしょうが、人間関係を築いてステップアップする基本は、そういう地道な古いやり方なのです。
ちなみに二人とも、資格らしい資格は一切持ってないとのことでした。
時代がとてつもなく早く巡って、何に付けても「新しいやり方」がもてはやされ、「これが新しいやり方です。」と言われれば妙に納得してしまう風潮もあるくらいです。
しかしながら、前述の例からも分かるように全ての基本は「泥くさいやり方」で、スポーツしかり、仕事しかり、人間関係しかり、勉強も学習も同じことです。
塾で言えば、計算もよくできなくてミスばかりなのに、やたらに新しいことをやりたがるとか、英単語もよく覚えていないのに、新しい文法に入りたがるとか、そういう子は概して伸びません。
「新しいやり方」の基礎の部分は、結局は「泥くさいやり方」で身に付けるしかない、この基本中の基本はこれからの時代も変わらないということです。
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