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2019年10月18日17:00

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米中貿易戦争で労働集約型産業が痛手

「貿易戦争?今年からひどいね」 中国・紡績の街ルポ
追加関税・人民元変動・世界景気減速…輸出に「三重苦」
2019/10/18 11:45

中国の2019年7〜9月期の経済成長率は6.0%となり、四半期で統計を遡れる92年以降の最低を更新した。米国との貿易戦争が長引き、製造業の打撃が隠せない。米国が追加関税をかけた織物の工場や問屋が集まる浙江省紹興市を歩いた。

作家、魯迅の生家がある市中心部から車で20分。世界有数の織物問屋街、中国軽紡城に着いた。延べ床面積66万平方メートルに最大1万5500社が出店できる。紡績工場を持ち、ここで卸売りする会社が多い。衣類だけでなくカーテンや壁紙向けなどあらゆる生地を扱う。

米国は中国産織物に18年9月に10%の追加関税をかけ、19年5月に25%に上げた。影響を聞いて回ると多くの店主は「もちろんある」と正直だった。軽紡城の運営母体が算出する景況感指数は19年9月に1252と直近ピークの17年10月から300ポイントも低い。18年から急速に悪化し、欧州債務危機で揺れた11〜12年以来の低水準で推移する。クリスマス商戦をにらんだかき入れ時のはずが、客はまばらで「とくに外国人の客が減った」(ある店主)。

店主の一人、庄旭燕さんは「以前は国内と海外の売上比率は七対三だったが、いまは八対二になった」と話した。海外はロシアと米国の客が多いが、貿易戦争で半減した。「友人の経営者の多くはベトナムに工場を移した。海外移転も響いている」(庄さん)。

海外が振るわず、多くの店が国内市場の開拓に力を入れていた。「もう貿易はやっていない」「国内の電子商取引をがんばる」。そんな声を聞いた。紡績会社を営む陳瓊如さんが嘆いた。「うちも輸出は半減した。貿易がひどいからみんな国内販売に力を入れる。以前は毎年10月に値段を上げていたが、競争で今年は下げざるをえない。利益が出ないよ」

国家統計局によると、19年上半期の衣類販売は前年同期比5%減の102億着。17年上半期より29%も減った。小さなパイを多くの紡績会社が争うため、紡績品の卸売価格は19年9月に前年同月比2%下がった。3カ月連続のマイナスで、16年5月以来3年4カ月ぶりの下げ幅だ。織物にもデフレ圧力が及ぶ。

紹興では専門の貿易会社が海外からの注文を取り、軽紡城の卸問屋やメーカーに発注する。貿易戦争の打撃を詳しく聞こうと近くの貿易会社が集まるビルを訪ねた。経営者の張亮さんは「去年は店の3階までお客でいっぱいであなたと話す暇はなかったけど、今年はごらんの通りさ」とがらんとした店で笑った。

張さんは「貿易戦争も去年はあまり影響がなかったけど、今年はひどいね」と話した。取引額は以前の4割まで減った。「9月の上海の展示会も、客は多いけど7割は見るだけで買わない。外国人も少ない。来年もよくないだろう」と語った。

かつて紡績工場を経営していた張さんが心配するのは、貿易戦争が長引けば紹興にある紡績業の供給網(サプライチェーン)が壊れかねないこと。とくに布を染める専門業者について「8割は赤字だろう。いまのままなら来年はみんな潰れかねない」と話した。

追加関税は輸出低迷の主因だが、多くの経営者が「人民元の変動幅が大きすぎ、輸出を邪魔している」と口にしたのは意外だった。元は貿易戦争が始まると下落し、8月初旬に1ドル=7元台に突入した。教科書通りなら元安は輸出にプラスのはずが、元相場は米中協議の観測報道で大きく上下動した。ある貿易会社の経営者は「元がいくらの時に値決めするかで大損しかねない。うちはほとんど中東のお客さんだが、為替相場が安定するまで様子見する人が多い」と明かした。

「一帯一路」沿線国など米国以外の海外市場を開拓する試みもうまくいっていない。

ビルの一角に英語の看板を掲げた店があった。インド人が立ち上げた貿易会社という。社員の単英燕さんによると9割はインド向けの取引だが「貿易戦争の前と比べると、売り上げは18年に2割減り、19年は3割ほど減りそうだ」。インド向け取引は急成長してきたが、この1〜2年はよくないという。他の一帯一路の沿線国への輸出も「エジプトはわりと良く、トルコもまずまず。イランは米国の制裁でほぼゼロ」(単さん)といい、思ったほど伸びていない。貿易戦争に端を発した世界景気の減速は、新興国にも及んでいる。

健闘する会社もあった。軽紡城の店主、薛さんは「輸出の6分の1が米国向け。客の高級服メーカーは利幅が厚く、影響はあまりない」と強気だった。ただ、1メートル20元(約300円)の生地は同19元に値下げした。「織物はまずフィリピンに送り、そこから米国に輸出する」(薛さん)。関税回避のグレーな取引とみられ、摘発されれば被害は甚大だ。

追加関税、為替変動、世界景気減速――。紹興の紡績業界は「三重苦」にあえぐ。貿易会社を営む王さんは今年初めての注文を米国から受けた。「代金全額を先払いし、輸送費も負担してくれた。米国人は信用できる。新興国が相手ならこうはいかない」(王さん)。今後のことを聞くと王さんはこう答えた。「中国には『リーダーが代われば政策も変わる』ということわざがある。トランプ米大統領には交代してほしい」

(紹興で、原田逸策)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51120850Y9A011C1FF8000/
迂回して米国市場にアクセスするしかないでしょう。
ただ、高関税化を止めているトランプが次にやるのは、商務省を通じた迂回輸出の摘発です。
ベトナムが韓国や台湾で生産した鉄鋼を自国産と偽って米国に輸出して、400%の関税を課せられました。

米、ベトナム鉄鋼製品に関税400%超 迂回輸出警戒
2019/7/3 19:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46907730T00C19A7FF2000/

米国は容赦ないです^^;
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