mixiユーザー(id:6084585)

2019年08月28日12:16

75 view

八月納涼歌舞伎 第三部

「八月納涼歌舞伎 第三部」

行ってきましたー

八月は、初めて歌舞伎に触れる方にも楽しんでもらえるような娯楽性や、
若手が出演する、いつもの「大歌舞伎」とは異なる趣旨のようです。
そのため、三部制で、ちょっと安い。

玉三郎!七之助!中車!
この配役に興味津々で三部のみ行くことにしました。
でも、一般発売日にすでに3階席売り切れ。
松竹の会の方々や、役者の後援会の方々が優先して取れますので、
それらですでに売り切れておるのです。
そんなわけで、戻りチケットは日々見ていたんですが、3階が戻らず、
戻ってきた、1階の、どセンター(11列20番)に行くことにしました。
15000円です。

当日仕事を早退し、銀座三越でお稲荷買って歌舞伎座へ。
こんにゃく稲荷が美味しい。
めでたい焼きも食べる。満足する。


「新版 雪之丞変化」
第一幕 6:30−7:38
客電が落ちて真っ暗。
スクリーンに役者名、タイトル。映画のように始まる。
花道から中車さん。蝋燭の灯り。
おじいちゃんおばあちゃん家の神棚の前のような匂いがする。
役者の話なので、劇中劇になるのですが、
雪太郎(玉三郎)との芝居が終わり、花道をはけていく時が映像に大映し。
花道入り口にカメラマンがいるのかいつも同じ映像なのかわかりませんが、
菊之丞(中車)の顔が、ゆらゆらととぐろを巻くように5重くらいに映り、
その後、カメラは、そのまま楽屋までを追い、
「いかんな」(みたいなセリフ。雪之助の演技へのダメ出し)を呟き、
また実際の舞台に戻ってくるまでが映像になっている。
私、掴まれました。
おもしろい!
ストーリー展開も、鈴虫(音之助)と同じ劇団の役者の若手が
ピエロのようにコミカルに説明してくれるのでわかりやすい〜
見所と思われる、星三郎(七之助)とのやりとり。
雪太郎のニイさんである先輩役者が星三郎。
大阪に呼ばれた劇団。
風呂に行った後、涼みながら2人で話をする。
「何をやってみたい?」
「金閣寺の雪姫」
で、バックのスクリーンに玉三郎が演じた雪姫の映像が流れる。
他にもいくつか挙げさせて、それらがスクリーンに流れる。
詳しい方の情報見ると
「八重垣姫」「桜姫」「揚巻」「籠釣瓶」「鰯売」「二人椀久」。
それらをちょっとづつやって、スクリーンでも流れました。
鷺娘も流れたな。
贅沢〜
江戸で芝居をやりたいと言っていた星三郎。
江戸の「中村座」からお誘いが来て(中村座!と5回くらい連呼する中車さん)、
それを病床で聞き、役者心得を雪太郎に伝授し、死んでいく。
「女方はいい立役と出会わなければいけない。
 立役がいれば女方は決して前に出ず2番目でいい」
とか、
雪太郎に「雪之丞」の名を与えて
「名前が変わると芸が成長することもあるんだよ」
とか、
芝居は大工などのように人のためになっていないのではないかと悩む雪太郎に、
「川に落ちた美しい花びらのように、人の心を慰めるものじゃないか」
みたいなセリフなど、
本当の葛藤や、思ってることや、伝授したいことのようで、
おもしろいし、なるほどー、と思いました。
で、屋根瓦に立つ(この舞台演出もすきです)盗賊闇太郎で一部終わり。

幕間 20分
幕間入れても3時間弱なのでそのまま着席。
真ん中だと人の前抜けていくのも面倒なので。
長い芝居じゃないので、お弁当食べている人も少なめでした。
ちなみに隣は、玉三郎好きでいつも通っているらしきおばさまと連れの方、
もう片方はお一人のおばさま。時々寝ている。

第二幕 7:58−8:48
雪之丞は親の仇という目的があり役者をしているのですが、
その仇である土部三斉(中車)が江戸の中村座に観劇に来ています。
「京鹿子娘道成寺」を踊っている後ろのスクリーンには
いやらしい顔の土部三斉のアップ。
彼のお供4人もみんな中車お面! めっちゃおもろいやん!
雪之丞は闇太郎と組んで敵討ちを行い、
土部三斉はやられ、セリから下がってゆく。
雪之丞に心を寄せる女性の後ろ姿をスクリーンで映すのみ、なのもおもしろい。
星空の舞台演出もとっても奥行きがあり美しい。
その後、急にばっと舞台が明るく。
今まで真っ暗だったので、
眩しい、目を開けていられない。
でも頑張って開けると、ど真ん中に玉三郎さん。
女方6人、男性4人くらいの踊りの場面。
唄や三味線、笛、鼓の方々が2列にずらっと。
「元禄花見踊り」というものらしいです。
これは迫力がありました。
なにより、玉三郎さんが美しい。
ピターッと指にはりついた扇子はもはや指先のようになめらか。
顔が小さく、背が高く、バランスが美しい。
映像と比べると、顔の線は落ちていますが、
とにかく華やかさと、迫力がすごい。自信に満ち満ちている。
寸分の隙もない。
ピシッと決まり、気持ちよく、会場が拍手に包まれました。


おもしろかった!
若手の役者役を演じる玉三郎さんのおもしろさと可愛らしさ。
自信のなさげな様子をよく演じられるなあ。
実際来月から南座の四谷怪談を監修していることに絡めてのジョークもあり。

中車さんを映像でみせるアイデアの素晴らしさ。
悪者、老人、剣士、劇団長、盗賊。どれも生き生きしている。
特に、悪者。いやらしい顔の似合うことよ。
盗賊の小気味よさもいい。江戸っ子の役なんてとっても似合いそう。
歌舞伎役者としては、おそらくまだまだなんでしょう。
七之助が現代語を話しても歌舞伎だと感じるけど、中車は違う。
だからこそそこを補って、映像で見せたり、5役させて達者さを見せる素晴らしさ。

そして、七之助。見たかったんですー
女方じゃないのは珍しいそうですが、かっこよかったな。
なんとなくユーモアがあって、お父さんと似てる。
見た目もきれい。
玉三郎と芝居ごっこするときの、ちょっとした表情や指先の美しさ。
ぴったりくる立役と出会えるといいですね。

玉三郎の目線をまっすぐ見れ、
スクリーンも全てきれいに見れ、
舞台全体を見ることができたので、
1階のセンターはとてもいい席でした。
ちなみに、
前列斜め前に舞妓さんとその女将らしき方がおり髪を結い上げていたので、
隣のおばさまは「見えない・・・」とぼやいてました。
こればっかりは、運、ですかね。。。

で、来月の大歌舞伎。
仁左衛門さんが弁慶の「勧進帳」(奇数日のみ)は一般発売日に3階完売。
うううう。
でもめちゃくちゃ見たいし、花道もちゃんと見たいので、1階の花道横取りました!
でも花道の外側! ぬぬ。
どういう見え方をするのか不安ではありますが、まあ、飛び六方は見れるわな。
楽しみですーー

3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する