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2019年06月27日23:28

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短編まんが 1

 以前、まんがの短編作品は必要なのかという記事が、このサイトに掲載されています。

https://www.itmedia.co.jp/ebook/articles/1204/11/news101.html

 この記事を読んで、まず思ったことは、
「小説に限らず、まんがでも短編作品というのは、軽んじられているのだろうか」
 というものです。
 ぼくは「星新一 1001話をつくった人」を読んで、短編小説というのは、「短編は雑誌の埋め草」扱いされ、編集者からは軽んじられ、日本人というのは、「物語は、長ければ長いほど良い」と考える民族だということを書いていました。
 まんがの編集者というのは、短編作品について、
「短編なんて誰でも描ける」
「読みきりまんがなんて、雑誌の埋め草」
 と思っている人が大部分なのではないでしょうか。

 しかしぼくは、「星新一」に書いている、文藝春秋の編集者、菊池夏樹氏に対するインタビューで、菊池氏が発言したことに賛成です。
 菊池氏の発言は、こうです。


「短編を書くのは大変なことです(中略)。人間が筋書きを追うのに耐えられる枚数は、通常二十一枚だといわれています。一千枚の作品でも二十一枚で書ける。官能小説であってもハードボイルドであっても世界観は二十一枚で書ける。あとはサービスです。それを書かないで二十枚でストーリーを成立させるということはすごい才能なんです。ショートショートが雑誌の埋め草だなんて思ったことはありません。あれだけの数を書くなんて、身を削るようなものです」
※引用 「星新一 1001話をつくった人 下巻(文庫版)」


 これは小説の話ですが、まんがにも、同じことが言えます。短編を描くというのは、やはり物語の筋を最初から最後まで決めて、限られたページ数の中で話を纏めなければいけないので、本当に身を削るような思いをして描かなければだめだと思うのです。その短編作品を、何十作も描くというのは、本当に淒いことです。
 まんが家でいえば、例えば藤子F不二雄氏は、百作を超える短編を描いているので、 短編の名手の一人だと思っています。
 しかし、今の若手・中堅のまんが家の大部分は、短編は数えるほどしか描いていません。
 そして前にも書きましたが、中野晴行氏は、
「1983〜84年にかけて、週刊少年誌から短編がほぼ無くなった」
 ということを書いていました。
 やはり編集者が求めるまんがというのは、「大長編」だから、短編は軽視されているのでしょうか。
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